四国屈指の縦走コースであります三嶺から剣山の稜線を歩いてきました。名頃から登って見の越に下りました。この稜線、いいだろうなあ…とは思ってましたが、思ってた以上によかったです。これだけ長い稜線だと、途中で鬱陶しいとことか出てきますが、ここはずっと間延びすることなく快適でした。天狗塚まで一気に歩けなかったことだけが心残りかな~
- 日程: 2023年11月3日(祝)~4日(土)
- 天気: 1日目:快晴 2日目:晴れのち時々くもり
- メンバー: T世
- 温泉: エピアみかど(600円) 琴南道の駅に併設
- 食事: ローソンでカップラーメンとツマミ
- 登山口情報: 名頃の駐車場は到着時でほぼ満車 トイレあり
見の越から名頃のバスは片道1250円
なかなか実現しなかった三嶺-剣山縦走
晩秋の剣山-三嶺縦走は毎年のように計画はするのですが、天気やら何やらでなかなか実現しません。遠いですしね。剣山から天狗塚までの2泊3日で考えてたのも、なかなか実現しなかった原因。今回は未踏の白髭山分岐から剣山の部分を優先的に1泊2日で計画しました。当初、3連休3日目が悪天予報だったこともある。
三嶺-剣山の北側には国道439号があって、そこには路線バスが走っています。縦走した後の車の回収に使えます。ただ、1日2便しかないのが悩ましいところ。しかも、1便目が11時、2便目が14時55分。できれば下山したとこに車があるといいのですが、11時だと登り始めがお昼になってしまいます。コースタイムは3時間ちょっとなので、時間的には問題ないのですが、小屋が満杯になってしまう心配が…。なので、やむなく下山した後に14時55分のバスで車を回収することとしました。
さらにルート取りですが、太陽の向き的には剣山から三嶺に歩きたかった。でも、剣山からだと三嶺ヒュッテに着くのが夕方になってしまいそう。これまた小屋が満杯になってしまう懸念…。剣山の小屋で泊まれば、翌日縦走して下山までいけるけど、山小屋は要予約で3連休なんて空いてるわけもなく…。妥協に妥協を重ねることとなりましたが、今回の縦走の満足度は高かったです。天気にも恵まれました。
名頃の駐車場はほぼ満車でした
仕事が終わって出発。ケチって中津川までは下道。四国とか九州は高速に依存するので金もかかる。昔に比べて橋が安くなったのは助かるが…。徳島まではわりと早く感じたが、そこから山越えの道が時間かかる。貞光から名頃までは1時間くらいはかかってしまう。昨今の登山の懸念といえば、駐車場とテン場(山小屋)。名頃の駐車場はほぼ満車。端っこの変なスペースに停めれて、とりあえずはひと安心です。
歩き始めから紅葉が素晴らしい!
無事に車を停めれて9時前の出発です。次なる懸念は小屋の混み具合。駐車場は満車だったけど、恐らく日帰りの人がほとんどと思われます。実際のところ、泊まり装備を背負ってる人は稀でした。歩き始めから明るい紅葉の広葉樹の森。何枚も写真を撮ってしまいます。でも、似たようなのばかり。本ブログに採用されるのは極極一部のみであります。
ダケモミの丘から三嶺の稜線へ
途中のチェックポイントにダケモミの丘ってとこがあります。なんだろう…?と思ってましたが、『ダケモミ』はモミの木の一種のようですね。針葉樹なのですが、そんなに暗い雰囲気にはなりませんでした。ダケモミの丘からは一気登りで三嶺山頂まで。ひと登りするとパーッと展望が開けます。そして、そのうちに笹の斜面に奇岩が生える景色に。この奇岩が生えてるのも、三嶺の代表的な景色の一つなのかなと思います。開けてしばらくで水場の分岐がありました。地図を見ると、水場はヒュッテのすぐ下のようになってます。もしかしたら、もっと上に水場があるのかも…?と思って、ここはスルー。
三嶺ヒュッテへはなんと一番乗り!
ひょっこりと山頂と小屋の間の鞍部に出ました。まずは小屋へ。寝床キープです。どんな感じかと小屋の扉を開けてみますと…、お一人様がお昼寝されていました。どうもお泊りではない様子。ってことで、本日の泊り客の第一号となりました。ちょっと拍子抜けというか、空いててよかったんですが、何人かは先客がいるかと思ってました。
水場はチョロチョロですが出てました
水場はあれ以来でてきませんでした。ということで、まずは水を汲みにいきます。小屋から水場までは標高差にして約100mといったところ。結構下ってしんどいんですが、笹原に奇岩が生えてるところを下って登るので、半ば観光気分で行ってこれました。水場の水は集められてパイプから出てました。水量は少ないです。2Lの容器に約2~3分かかりました。パイプに集められてなければ汲めない水量。
山頂一帯を散策します
水汲みから小屋に戻ってから山頂周辺散策です。三嶺の登ってきた南面は急峻です。しかし、山頂部は池があったり草原があったりと広々してます。で、まずは山頂へ。山頂からの景色は素晴らしいです。天狗塚へのたおやかな稜線が目に入ってきます。ここは2015年にお亀岩泊で歩いています。また行きたいなと思ってます。目を東側に転じれば、明日目指すことになる次郎岌や剣山が見えています。遠いなあ…。山頂から小屋に戻りがてら、周辺の散策です。
お昼過ぎから延々と小屋前で宴会
山小屋に戻ったあとは、小屋前の石の上でダラダラと宴会です。まだまだ時間が早いので、アルコールもツマミもちょっと貧弱だったかな~。ビールは2本持ってきましたが、もう1本あってもよかったかな。11月とは思えない暖かさですしね。そうこうしている間に、小屋でお泊りの人が続々とやってきます。それでも最終的には程よい入込み。ギューギュー詰めにしたら、さらい倍は入れたかなって感じです。暗くなる前にもう一度外に出ました。夕暮れはそんなにいい感じではなかったです。
2日目 三嶺ヒュッテから剣山
11月に入ったのに夏日になりそうな予報のこの3連休。山の上も寒くはなく、夏用の寝袋で防寒着のお世話になることもなく、暖かい夜を過ごせました。朝起きても全く寒くありませんでした。三嶺ヒュッテの朝はのんびりの人が多かったです。3時ごろに出て行った1組がいただけで、あとの皆さんは4時とか5時に起きてました。北アルプスに比べると1時間は遅いかなという印象。まあ、日が短くなって明るくなるのが遅いので、必然的に行動が遅くなるのかなと思います。
薄明るくなるころに出発です
6時でやっと薄明るくなるくらい。普段ならヘッドランプ不要な明るさになるまでは歩き出しません。でも、今日はバスの時間があるのでそうも言ってられません。見の越14:55のバスに間に合わせくてはなりません。エアリアのコースタイム通りに歩ければ大丈夫な感じではあります。ヘッデン点灯で6時前にヒュッテを出発です。
御来光前の三嶺山頂
三嶺に着くと既に大勢の人が御来光を見るために待機。東の空は結構赤く染まってます。ちょうど剣山や次郎岌あたりが一番赤い。どこから太陽が出てくるんでしょうね…。時間に余裕があれば、御来光を見届けるのですが、バスの時間があるから…。三嶺での御来光はまたの機会にとっておくとしましょう。
カヤハゲとの鞍部あたりで太陽が出てきました
山頂にいた時間はほんの少しでしたが、その間に明るくなってヘッデン不要に。急坂を下っていきます。途中にあった鋭い岩峰は大人気。先っぽに立つのに順番待ちでした。急坂が終わって平坦になったあたりで御来光となりました。太陽が出てくるあたりは薄雲があるように見えたけど、出てきた太陽はわりとクッキリしていました。
出てきたばかりの太陽はまだ威力が弱く、逆光でもあまり眩しくないです。太陽が昇っていくに従って、太陽の威力が増して眩しくなってきます。太陽に向かって歩くのは不本意なのですが、ススキに関しては逆光が幸いします。ススキの穂がキラキラです。振り返って順光のススキを見てみても、ただのススキ。ススキのキラキラは写真では伝わりにくいのが残念なところであります。
カヤハゲから白髭山分岐にかけて
細かいアップダウンのあと、カヤハゲへのしっかりした登り。白髭山の分岐のピークもガッツリ登ります。まだ歩き始めて1時間とかなのに、登りになると脚がしんどいです。恐らく三嶺からガーっと下ったあとだからと思われます。何故に下りのあとの登りはこんなにキツイのか…?登り一辺倒の方が脚は楽に感じますよね~。
白髭避難小屋はロケーションの良いところに建ってました
白髭山の分岐からはいよいよ剣山に向けての稜線歩き。剣山の手前にある次郎笈など、まだまだ遥か彼方です。剣山は遥か彼方だけど、白髭避難小屋は眼下に見えています。すごーい広い笹原の中に避難小屋は建ってました。想像と全然違った。想像は何の根拠もないけど、森の中にひっそりと建ってるんだと思っていました。
白髭避難小屋は小さな小屋でした。そんなにたくさんは泊まれなさそう。三嶺からここに向かう途中、多くの泊まりザックを背負った人とすれ違いました。大半はテント泊だったと思われます。避難小屋周辺は広い笹原になってて、かなりたくさんのテントが張れそう。優良物件は早い者勝ち。遅くなるほど笹の上に張ったりと条件は悪くなりそうです。ロケーションは良好です。ちなみに、水場は『150m』の看板がありました。
白髭避難小屋から先も快適な稜線歩き
白髭避難小屋からは1692m、1700m、1732m、1738mと小ピークを越えていきます。小刻みにアップダウンが繰り返されますが、大きな登り返しはありません。この中の1732mで休憩をしました。この間は総じて明るい笹かススキの稜線。樹林帯になっても灌木の疎林、または立ち枯れの稜線。大きな登り返しになることはなく、鬱陶しい樹林帯に入ることもなく、概ね快適な稜線歩きです。
高の瀬から丸石避難小屋
高の瀬からは少し様相が変わります。1741mの高の瀬から一気に下ります。結構足元の悪いところもありました。低いところでは1600mを切って1500m台に。このあと次郎岌への登りが控えているというのに、あんまり高度を下げんといてくれよ~が本音です。
次郎岌への登りの手前には丸石というピークがあります。まずは、そこに向けての登りだな。その手前には丸石避難小屋がありました。今回の縦走路の中では、一番ボロくて狭い小屋。泊まるには十分な建物ですが、やっぱり快適に泊まりたいですからね。周囲も樹林に囲まれています。長い縦走路において、場所的にはいいとこにあるんですが、ちょっと敬遠…というか、他で泊まりたいなという感じ。あと、水場がないのも大きいかな。
丸石からの次郎岌の眺めは今回随一の展望
丸石に登ると、ラスボス『次郎笈』がドーン!丸石の肩からもドーン!と見えてはいましたが、丸石から見る方がカッコイイです。笹の中に付けられた登山道、ウネウネと伸びる尾根、そして存在感抜群の次郎岌。今回の縦走の中でダントツ一番のビューポイントでした。のんびりしたいところですが、丸石の山頂は狭くて座る場所も少ない。また、バスの時間も気になるところなので、小休止にとどめておきました。
ラスボス次郎岌への登りです
さて、ラスボスへの登り。コルが1580mくらいで次郎岌が1930m。約350mの登りです。縦走も終盤戦で脚も疲れてます。でもでも、ロケーション抜群!疲れを上回る景色です。写真撮るのが多くなるので、足休めにもなったり…。1767mあたりを過ぎると、最終目的地であります剣山も見えてきます。次郎笈の山頂を巻く道との分岐からは、これまでの静かな山から賑やかな山へ。
山頂直下の岩場では賑やかな地元の方々。松本から来たというと、よく来てくれたと感謝されました。その方たちはスーパー林道から登ってきたとのこと。なるほど、楽そうで美味しいとこどりなルートだな。スーパー林道には奥槍戸の小屋があって、そこでカレーを食うのがおススメらしい。次回このエリアに来る時は、カレーを組み入れよう!
次郎笈の山頂です!賑やかです!
次郎笈は初めてです。剣山は今までに2回登ってますが、次郎笈までは足を伸ばしませんでした。次郎笈は人気ありますね~。山頂はたくさんの人。剣山だけでは物足りないし、俗っぽいこともあってか、次郎笈まで登ろうってなるんでしょうか…?山容もカッコイイですしね。名前もなんだか変わってて、登りたい意欲に駆られる?
展望は素晴らしいです。でも、次郎笈は他から見る方がいいのかなあ…とも思ったり。朝出てきた三嶺はもう遥か彼方に遠ざかりました。歩いてきた稜線を振り返るのは感慨深いです。ここでのんびりしたいのは山々なのですが、如何せんバスの時間が…。コースタイム的には十分間に合うはずだけど、登山道の渋滞に巻き込まれて…とか考えると、できるだけ余裕が欲しかった。見の越から名頃まで車道10キロ歩きはやりたくない…。
最後の〆は剣山への登り
というわけで、次郎岌をあとに剣山に向かいます。ここも素晴らしい稜線なのですが、丸石から次郎笈の稜線の方が個人的にはよかったです。何度か渋滞というか、歩くの遅い人の列に捕まりますが、大ハマりすることなく歩けました。剣山の山頂を巻いて帰る道の分岐では、山頂に登る人より巻き道を行く人の方が多かったです。恐らく往きに剣山に登ってて、帰りは登らに楽をする…というパターンなのでしょう。
剣山登頂後、山頂周辺散策
山頂直下から、いきなり立派な階段となります。ここから先は観光地。で、ほどなく山頂の看板の立つところへ。次郎岌から見る剣山は山っぽい山容ですが、山頂に登ってみると広い丘のような山頂です。その丘のような山頂に立派な木道が張り巡らされています。
バスの時間は少し余裕があるので、木道の最東端まで歩いてみました。一ノ森や槍戸山など初めて聞く山が見えてきました。そこに気持ちの良さそうな稜線が続いています。このあたり、今回の縦走ルート上の山の他にも、展望の良さそうな山がたくさんあります。登山道も縦横無尽に付けられているので、もう少し深くこのエリアを歩いてみたいなと思いました。
剣山をあとに見の越へと下山です
剣山頂上ヒュッテのところから下山です。意外にも閑散としてました。山頂は大賑わいだったのに…。下山ルートはリフトの山頂駅にかけて4本あるので分散してるのかも…?リフトの山頂駅まで下りても、そんなに人はいませんでした。最後リフトで降りる手もアリかなと思ってましたが、片道1050円という表示を見て即やめました。リフトを使わず歩いて下りるルートも人は少なかったです。なんでだろう…?
バスの30分前に下山です。バスの乗ったところ、なんと名頃まで片道1250円!結構なお値段ですなあ…。ということで、バスは一人で乗っていって、一人は留守番することに。今日はこのあと帰るわけでもなく、街に下りて寝るだけですからね。
下山後の温泉とラーメン
本日の下山後ラーメンは貞光のローソンでカップラーメン。下山後はカップラーメンでもメチャ旨でした。温泉はことなみ道の駅併設の『エピアみかど』へ。温泉入って、そのまま寝るというパターンです。山もよかったし、下山後ラーメンがカップラーメンになったこと以外は最高の2日間でした。
そして、3連休の最終日は朝からうどん巡り。うつ海、大島うどん、田村神社の3軒を回りました。本命のうつ海はメッチャ美味しかった。大島うどんはまあまあ、田村神社は日曜のみ営業というネタ的なうどん屋。お味はイマイチでした。3軒目でイマイチだと食べるのきつかった。お腹いっぱいになったところで帰路につきました。
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