ペテガリ岳 2023/8/13-14

面倒くさい日高の山でありますペテガリ岳に登ってきました。日高の山で面倒くさくない山が珍しいとも思いますが…。半分沢登り的な感じで山越えをして、本来の登山口でありますペテガリ山荘へ。そこからペテガリ岳往復は累積標高差で約2000mというスペック。そしてまた、山越えでスタート地点に戻る…というものです。

そんな面倒くさい山に登ってきましたが、途中で雨に降られることこそなかったけど、山頂ではガスに巻かれて隣りの山さえ見えない状態。せっかく登ったのに、日高の山並みを眺めることができなくて残念でした。

  • 日程: 2023年8月13日(日)~14日(月)
  • 天気: 1日目:くもり 2日目:くもり時々晴れ 稜線はガスガス
  • メンバー: 一人
  • 温泉: みついし昆布温泉蔵三 550円
  • 食事: お食事処 旅篭(昆布温泉併設)ラーメン800円高い
  • 登山口情報: 林道終点に10台くらい置けるスペースが設置 トイレはない
コースタイム(1日目)
  • 登山口(11:25)
  • ヘッピリガイ乗越(12:30~40)
  • ペテガリ山荘(14:05)
コースタイム(2日目)
  • ペテガリ山荘(4:05)
  • 1293m(6:30)
  • 1301m(7:40)
  • ペテガリ岳(9:05~15)
  • 1301m(10:10)
  • 1293m(11:10)
  • ペテガリ山荘(12:45~13:00)
  • ヘッピリガイ乗越(14:40~45)
  • 登山口(15:50)

前夜はむかわ町の道の駅まで進んで車中泊。朝起きてからペテガリ岳か神威岳かを決めることにしてました。というのも、ここ最近はずっと湿った東風が吹いてて、その風のさじ加減で天気が決まる感じ。毎日というか、天気予報が更新されるたびに予報がコロコロと変わる状態。天気の良い日を登頂日に当てて、イマイチな日をアプローチの日に当てようという目論見です。結果、今日がイマイチで、明日がマシという予報になり、今日明日でペテガリ岳に登ることに決めました。

長い長い元浦川林道を辿って登山口へ

スタート地点からペテガリ山荘までは3時間半の行程。あまり早く小屋に着いてもやることないので、お昼頃の出発とします。それまで朝風呂に入ったり、なんやかんやして時間をつぶしました。そして、20キロにも及ぶ元浦川林道を進んで、ペテガリ岳の実質入山口へ。林道の終点は神威山荘なのですが、その1キロほど手前で左にそれた先に駐車場があります。駐車場には10台くらいは置けそうなスペースがありました。トイレはナシです。

ニシュオマナイ川を渡った先で間伐作業やってました

ヘッピリガイ乗越までは沢歩き

2年前の夏にもペテガリ岳を計画していました。しかし、その時はコロナ禍真っ最中。出発日の直前に緊急事態宣言が発令されて、元浦川林道のゲートが閉ざされました。コロナでゲートを閉じるなんて理不尽な…。問い合わせると、徒歩もダメと言われました。泣く泣く北海道行きをキャンセル。ペテガリ岳はそんな因縁の山なのであります。それだけに思いも深い。

林道終点から先は間伐工事をやっているようで、重機が奥の方まで入っていました。最初にニシュオマナイ川を渡渉。工事で川幅が狭められてて結構な水量でした。ジャブジャブと渡ってると、対岸から下山してきたお二人が。小屋は賑やかでしたよ…とのこと。間伐作業で川沿いに作業道が伸びており、少し楽できたのかな。

作業道がなくなるとこから沢歩きに。正式な?登山道ではないのですが、踏み跡はしっかりしてて、赤布も随所にバッチリ。渓相は暗めであまり良くないので、沢登り気分とはいきませんが…。支流が多いので、赤布なかったら地図とにらめっこになると思われます。必ずしも水量の多い沢を進むわけではないですし。今はGPSとスマホアプリがあるので、そこらへんの心配は皆無ですな。便利な世の中になったもんです。

ニシュオマナイ川の渡渉 まあまあな水量
しばらく作業道を進んだあと、沢歩きとなりました
これは入り込んでくる支流
小滝はあるものの渓相は貧相
滝らしい滝はこれだけ 左に巻き道完備

ペテガリ山荘まで長い林道歩き

支流を分けるにしたがい、水量がどんどん減っていきます。最後はヤブが被ったほぼ枯れ沢を詰めて峠へと登り上げます。沢形は最後まであり、踏み跡もバッチリです。下りもしかり。峠に出てから少し右に振って下降点へ。下降しばらくは泥の急斜面。ロープがありがたい。急斜面が落ち着くと水流が出てきて沢下りとなりました。そのうち傾斜がさらに緩み、沢から離れて草原の踏み跡へ。このあたりにも古い標識があることから、ペテガリ山荘ー神威山荘の往来があったということですね。

ヘッピリガイ沢を渡ったところから林道歩き。林道歩きなのに、途中で林道の上を川が流れているところが2ヶ所ありました。もし沢靴をデポするなら、この2度の渡渉が終わってからですね。この先はずっと林道歩きとなります。ここでデポするなら山荘まで履いてても苦にならないでしょう。ペテガリ橋あたり獣臭が濃かったです。林道は熊がよく出るようなのでご注意を!橋からしばらくでペテガリ山荘。

支流を分けていくと笹の被った小沢になる
ヘッピリガイ乗越
2つの山荘間は古くから往来があったと思われます
小1時間林道を歩いてペテガリ山荘
キャンプ場並みの水場が完備
小屋のすぐ脇が登山道入口

ペテガリ山荘で夜までの時間をのんびりと

ペテガリ山荘に到着です。本日の予定終了であります。動くのは終了ですが、夜まで時間を潰さねばなりません。ペテガリ山荘の感想ですが、造りの良さが際立ってます。重厚感あふれてます。窓枠や玄関ドアはアルミ製で、金かけてるなあ…が率直な感想。中に入ると1階に2人分、2階に1人分の荷物が置いてありました。ただいま絶賛ペテガリ岳アタック中ということでしょうか。自分は1階の一角に陣取りました。

小屋の中は明るくないので、外の入り口の階段に座って読書です。普段はあまり本は読まないのですが、ここは電波もないので仕方ない。酒とつまみでいい気分になりながらの読書してたら、お一人様下山されてきました。100名山はやっつけて、ただいま200名山挑戦中のYさんです。北海道出身の方で、帰省中に登山を楽しまれているようでした。おかげでヒマかと思っていた夜までの時間が、あっという間にやってきました。ちなみに、薄暗くなる頃にお二人様が下山です。やっぱ大変そうだなあ…。そして、登山口からペテガリ山荘にやってくる人はゼロ。ということは、明日ペテガリ岳に向かう人は自分のみ…。昨日はたくさんいたのに、なんでやねん…。

大変そうな山なので暗いうちに出発したいとこなんですが、なんとまあヘッドランプを忘れてしまうという致命的な大ポカ。幸いにも北海道は4時ころには明るくなるので、薄明るくなる時間からスマホの灯りでなんとか歩きはじめられればなと。出発もアレなんですが、もしも下山が暗くなるとマズイよな…。そうならないよう頑張るか。

2日目 ペテガリ山荘~ペテガリ岳~ペテガリ山荘~登山口

薄暗いペテガリ岳を出発です

4時出発予定なので3時半に起きました。スマホの灯りで準備するのも大変です。でも、何も灯りがないことを思うとスマホ様様でした。あいにく曇り空の朝なので、明るくなるのが遅めです。Yさんと同時出発。スマホの灯りを灯しながら歩きはじめます。はじめは普通の山道ですが、すぐに沢沿いの道になります。渡渉を何度か繰り返すんですが、やはりスマホの灯りでは心もとなかったです。なんとか勘を頼りに駒を進めていきました。渡渉が終わる頃にやっと明るくなり、斜面のジグザグ登りが始まるあたりで、スマホはお役御免であります。ヤレヤレですわ。

この斜面のジグザグ登りで約400mほど高度を稼ぎました。斜度も適度で藪もなく歩きやすい道。下りの最後がこんな道なのでありがたいです。回り込んで尾根に乗っかるあたりで、ペテガリ岳と思われる三角のピークが見えました。まだ見えて欲しくないほど遠い距離でした。天気の方ですが、今のところはまずまずな感じ。ただ、稜線より十勝側は今日も雲が多いのかなと思われます。

明るくなってきてペテガリ岳と思われる山が見えてきた

1293m-1301mはアップダウン区間

1293mまで登り切ると、1301mまでしばらくの間は横歩き区間。1293mから1301mまで1時間10分かかってますが、この間は8mしか高さを稼いでないことに。ま、ほぼゼロですわな。往きも帰りもこの区間は標高的に考えると無駄な時間ということになります。登りと下り合わせると2時間20分。なので、単純な標高差は1350mほどの山を登るのに、余分に2時間20分かかってしまうとうことになるのです。この2時間20分が大きいんですよね~。

この区間の対策としては、無になるしかないですね。幸いにしてダケカンバ林に丈の低い笹が林床で、明るい雰囲気の尾根。ここはペテガリ岳ピークハントという気持ちは捨てて、単純に稜線歩きと割り切るしかないでしょう。往きはまあいいとして、帰りにその気分になれるか…。自分としては、そう言い聞かせてましたんで、このアップダウン区間は楽しく歩けたと思います。

1293mー1301mのアップダウン区間は明るいカンバ林
1301m付近からのペテガリ岳 ここから少し下って500mの最後の登り

山頂までの最後の500mの登りが本丸

時間とともに雲が増えてきました。十勝側から越えてきた雲は、日高側の谷へと流れこんできます。1301から100m弱ほどっ下るのですが、このコルには雲が流れ込んでいました。このコルからペテガリ岳までの500mの登りがこのコースの本丸。山頂までの最後の登りは、普通の山でもしんどいです。それがペテガリ岳ですからね。前半は笹薮。丈が高くて密度も割と高いので、押しやりながら登るのは、余分な力を必要としました。後半は灌木&ハイマツ。こちらも鬱陶しい。何よりも鬱陶しかったのは、濡れた笹薮漕ぎを強いられ、全身がビショビショになったこと。

コルや沢にも雲が流れ込むように
笹のヤブ漕ぎからハイマツの藪漕ぎへと変遷
これは偽ピーク

登頂でホッとしたペテガリ岳

灌木&ハイマツになると前方の視界が開けてきます。登りの尾根道は少しずつ傾斜が緩くなります。何度か偽ピークに騙された末、やっと山頂と思われる標柱が見えてきました。ペテガリ岳の山頂は陽射しはあるのですが、周囲の山々は雲で覆われてしまってます。とくに十勝側は何にも見えません。せめて隣の山くらいは見えて欲しかったなあ…。展望がないのはとても残念でしたが、無事に登ることができてホッとした気持ちが大きかったです。ここ数年の懸案でしたので。

やっとこさペテガリ岳山頂!
日高側はわりと天気良いんですけどね
十勝側は全く展望なし

登頂の喜びは束の間、これから長い長い下山

登頂の喜びもさることながら、これから長い長い下山だ…と思うと気が滅入ります。ペテガリ山荘までならまだしも、そこから山越えして登山口まで戻らないといけませんから…。5時間で登ってきたので、アップダウン区間を加味して3時間半でペテガリ山荘までと踏んで下山開始です。

最初の500mの下り。ヤブは鬱陶しいんですが、重力に任せ、または重力を制御しながら下ります。笹も順目になりますので、通り抜けるのは易しくなりました。脚力より腕力を使う感じですかね。500mの下りは順調であっという間。コルから1301mまでの100m弱の登りがしんどかったです。脚が下りモードになってたので、一転登りモードになる時に脚が付いていきません。

帰りの尾根から見えた連瀑帯 キレイだけど難しそう
帰りのアップダウン区間は縦走モードに切り替えて

帰りのアップダウン区間は快適稜線歩きモードに

1301mから1293mまでのアップダウン区間。ここは縦走モードと言い聞かせていたので、苦になることはなかったです。わりと歩きやすい道ですしね。1293mの登りは急なのでキツかったです。1293mへの登りが始まる手前くらいで、今日初めての人とすれ違いました。ここ最近で神威岳や1839に登ってるようです。今日、ペテガリ山荘への林道で熊を見たと言ってました。後日ヤマレコに記録を上げておられたのを発見です。

1259mを過ぎるとあとはほぼ下り

とりあえずはペテガリ山荘まで下山

1293mまで来ると大きな登り返しはオシマイ。短い登りはあったけど、脚が痺れだす前に登り切れました。最後のジグザグ斜面は傾斜も程よくて足に優しい道。ダメージも少なく済みました。

ペテガリ山荘にデポした荷物を合わせて、またザックが少しだけ重くなりました。往きは5リットル分の水分を持ってきましたが、残ってるのはあと1リットル少々。ビールと酒を合わせると5キロ以上は軽くなってるはず。あとは疲れだけだな。出発前に水場で身体を拭いておきました。ダニチェックも兼ねて。だいぶリフレッシュできました。

ここからが苦痛のアプローチ部分の帰り編

さて、長い長い林道を進みます。緩いけど登りなので、往きほどはかどりません。往きの林道では単独×3名とすれ違いましたが、今日は誰ともすれ違いませんでした。ペテガリ岳は盆休みの早い時期にやっつけておきたいという心理なのか…?メンドクサイやつからサッサと片付ける…みたいな。林道が終わってからヘッピリガイ乗越まで割と早い。乗越からスタート地点までの沢下りがダラダラと長いんです。最後の最後ということもあり、まだ着かないまだ着かない…という感じでした。着いた時には体力的にはまだ余裕があったような。精神的には疲れたけど。

下山後の温泉とラーメン

20キロの林道を走らせ、馬の牧場が両側に広がる道を抜け、まずは温泉温泉!三石の昆布温泉へ。今日は疲れたのでゆっくり浸かろうと思ってたところ、お湯に入るとお腹がペコペコで目が回ってきました。温泉はほどほどに出て、併設の食堂で下山後ラーメンです。ラーメン屋を探してられない。普通の醤油ラーメンが800円でした。スープはまだしも麺がいただけませんでしたねぇ…。ま、とりあえずお腹を満たすことはできました。そういえば、山ではほとんど何も食べてませんでした。パンとかモサモサしたものはノド通りません。

明日はもう一つ日高で残ってる神威岳。今日の明日です。体力残ってるかなあ…?昆布温泉と同じ敷地にある道の駅で車中泊。神威岳は8時間ほどの地図タイムです。そんなに慌てることはない。あとは天気が少しでも良いことを祈るのみであります。

昆布温泉併設の食堂で下山後ラーメンを頂きました

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