鍋倉山 2024/2/24

年に一度は鍋倉山。今年は関東から2名、中京から3名の計7名で。条件はあんまりよくなくて、雨が降って石のように固まった下地の上に、新雪が10センチほど乗っかってる状態。斜度のあるところはガリガリ音立てながらの滑りでした。天気もいま一つ。どんより曇り空でたまに小雪が舞う空模様。いいとこナシになりかけましたが、ビッシリ着いた樹氷が一矢を報いてくれました。あと、急なとこはアレですが、緩斜面は板が走って楽しかったです。

  • 日程: 2024年2月24日(土)
  • 天気: くもり時々小雪のちちょっとだけ晴れ間
  • メンバー: S本、G藤、K股、M野×2、T世
  • 温泉: 湯滝温泉 物味湯産手形利用
  • 食事: 丸長 長野市
  • 登山口情報: 本日の温井の路駐は39台とのこと
  • 温井(10:05)
  • 鍋倉山(13:15~45)
  • 温井(15:00)

ほかの人たちは戸隠の宿に泊ってるので温井に現地集合。目安は9時…。路駐が心配なので早めに行って待っておこう。そうしたところ、明科から筑北インターに抜けるR403がなんと通行止め!安曇野インターまで戻る羽目になって結構なロス。なんやかんやで温井には7時半ころ着となりました。この時点で既に20台以上は止まっていました。天気は芳しくないけど、3連休の中日ってことでしょうかねぇ。

温井の雪壁は壁とは言えない低さ

みなさん到着したのは9時半ごろでした。それから準備やらなんやらで出発は10時過ぎ。恐らく本日の鍋倉のしんがりでしょう。今年は雪が少ないというのはわかってますが、改めて実物の温井を見ると雪の少なさが実感できます。2~3メートルは普通にある雪壁ですが、路肩に刺さってる物差しでは80センチ程度でした。

本日の路駐は39台だそうな
温井に雪壁と呼べるものはない

くもりで小雪舞う中をスタート

小雪舞う中をスタートです。天気予報的には長野県はまずまずの晴れ予報。ただ、新潟県境は回復が遅れる感じです。ここらへんはモロ新潟県境に当たるので、天気は期待しないようにしよう。田茂木池の台地に上がるまでの道のりも、雪の少なさを思い知らされます。途中にある建物も基礎まで見えてるし、道が折り返してからはヤブで進めなくなって迂回してるし…。

いつものモコモコ感はない
積雪バロメーター

田茂木池、777の台地ともヤブがお元気

田茂木池の台地もモジャモジャ感あったり、普段は埋まってる小川が流れ出てたり、いつもより地形がハッキリ出ています。まあ、このへんは雪少ないけど、通過するには支障はなかったです。目指す鍋倉山が見えております。どんよりしてますね~。めっちゃ暗いです。少し雲がかかってる部分もあります。晴れないのは仕方ないとして、ガスガスの中を登ったり滑ったりはヤダなあ…。

車道を越えて一段上の777mの台地へ。ここも灌木が元気。普段の冬なら3分の2は埋まってるんじゃないか…?縫いながら歩くことになるし、見た目もスッキリ感がないです。いつもなら左手の尾根に取り付いて、その尾根を登っていくのですが、今日は自重することにしました。カチカチの上に新雪が乗っかってるので、急斜面を登るのは大変なんじゃないか…と。トレースもなかったし。ということで、西の沢を詰めて山頂に向かいました。

暗く寂しいお天気です
枝ぶりがよかったので
青空が見えてきた!期待できるのか…?

コルまでは樹氷を楽しみながら登ります

西の沢の方もトラバースの傾斜が強いところでは、スプリットの人は大変だったみたいです。傾斜が緩むと歩くのも楽になり、同時にブナが立派になってきます。今日はブナにビッシリと樹氷が着いています。低気圧の湿った雪がビシビシ付着したんでしょうね。ここで晴れてくれたら最高なんですけどねえ…。時たま青空も見えてて期待したけど、スカッと晴れることはなかったです。モノクロの世界を堪能ってとこかな。

ブナが立派になってきた
白黒の世界の中みんなのウェアも地味
樹氷には青空が似合いますが、これはこれでキレイ(と思うようにしましょう)
心霊写真
峠が近付いてきました
一瞬でも日が照って青空が広がって欲しい
雪が良さそうに見えるが、下地はカチカチ氷

コルから山頂の間も樹氷を見物しながら

コルに出てからのブナは、雪の重さで枝垂れブナになってるのもありました。登ってると西の沢に滑り込むグループあり。ガリガリ、ジョリジョリ音を立ててますが、硬い下地が平らなようで、そんなに苦労している感じには見えませんでした。滑った跡がそのまま凍ってるという最悪な状態ではなさうです。

ブナの森を抜けて黒倉-鍋倉のコルへ
低気圧の雪なので着雪具合いがすごい
滑る人に遭遇しましたが、ガリガリ音を立ててました

鍋倉山の山頂です

山頂に着きました。遅い出発に加えて登るペースも遅いので、山頂は貸し切りかも…と思ってました。が、山頂には1グループあり。うちらが山頂に着くのと入れ替わるように滑っていきました。山頂からは関田山脈北側の展望はありました。北の方もどんよりしてますが。西の妙高方面は雲で見えず。南の方は飯山市街から先は明るく見えたので、もしかしたら晴れてるかもです。

遅い出発にもかかわらず、山頂にはまだ人が残っていました

滑りは登りと別ルートにて

さてと、どこを滑って下りましょうか…。無難に下りるのならば登ったルートそのまま。登りで見てわかってますからね。でも、ちょっと消極的か…。あと、今日はお二人様が初鍋倉。なので、登りと別のルートも見といもらおうか…という意見も。ブナロードの緩斜面がもしかしたら当たるかもしれないし。そんなこんなで、ブナロード経由で下りることと相成りました。

最初のハーフパイプはガチガチの上にうっすら新雪。もろにガリガリを喰らって大変だけど面白い。ハーフパイプの両岸はヤブが濃くて下地も硬くて、これまた大変。そして期待のブナロード!ここがハズレだと終わりです…。滑ってみますと、ターンが深いとガリっとくるけど、そうでなければガリっとこない。概ね板がよく走ってくれて気持ちよく滑れました。このあと残りが全部悪くても、この1本が気持ちよかったので、今日はこれで満足としましょう!

巨木の谷は劣悪な状況が予想されたので入らず、左側の尾根を滑っていきます。相変わらず下地はカチンコチン。木の隙間の狭いところは大変です。登りでこの尾根を使ってたら、もしかしたら苦労してたかもしれないな…。

滑りの時は一眼はしまいますので動画をご覧ください

台地に下りてからは良くないなりにも楽しめました

尾根の左側を777台地に向けて滑ります。この斜面、様子を見ながら降りてきたけど、傾斜の緩いところはヤブが濃いです。開けたところは滑り出しが急。上半分はだましだまし下りて、傾斜が緩んで疎林になる下半分に賭けましょう!滑ってみると予想とほぼ同じ。違ったのは、苦労したのは半分ではなく上3分の2でした。下3分の1はまあまあ楽しく滑れました。だいぶ下りてきたのに、下地は硬いままでした。

777のヤブ台地、モジャモジャをかいくぐりながら滑るのもまた楽し。すでにたくさんの人に滑られてて、硬くて荒れたゲレンデ状態でした。田茂木池の台地は登ったルートで、その先は大きく迂回する車道で、無難にたらたらと下って無事下山であります。当たり前ですが、路駐の列はすっかりなくなっておりました。10時に登り始めて15時に下山ってとこです。

下山後の温泉とラーメン

温井でみなさまとはお別れ。下山後温泉は湯滝温泉へ。もちろん物味湯産手形利用です。下山後ラーメンはちょうど昼と夕の中休みの時間。それならばと長野まで進んで丸長へ。3度目となります。試しにカツ丼食べてみたけど、普通のカツ丼でした。ラーメンは美味しいです。長野市街にいるとなると、このまま下道で戻るのが無駄がない。いつもはスイスイの19号だけど、今日は信州新町からずーーーっと遅い車が1台いて、最後尾が確認できない長蛇の列となりました。温井の路駐の列より長かったかも…?ヤレヤレです。



手持ちのガイド本を紹介します

山スキーを始めた頃は情報源といえば山雑誌の記事とガイド本のみ。今のご時世はネットに情報が腐るほどあって、情報を集めるというより選別するという感じ。ネットのレポは個人差大きく主観が入ってて難しいところがありますね。その点ガイド本はレベル的に安定してます。行き先はガイド本で探して、足りない情報をネットで補う…が理想的なのかなと思ってます。

山スキールート212

『212』というだけあって盛りだくさんの内容。定番ルートからマニアックなルートまで品揃え豊富です。値段が2980円と高いけど、内容からすれば安いくらいかも。コレ1冊持ってればOK!って感じですかね。地形図にラインが入ってるので、概念図から地形図に変換する作業も不要です。ちょっと至れり尽くせり過ぎじゃないって感じ。

山スキー百山

隣の山スキールート212とボリュームも見た目も似てますが、こちらは山スキーアルピニズム研究会の著。ちなみに、こっちの方が早くに世に出てます。中身はだいぶ違ってて、かなりマニアック。一般人には行けないルートも多いです。『百名山』ではなく『百山』ってことです。

山スキー百山2

山スキー百山の第2弾です。山スキーアピニズム研究会の著、記録集をよりガイド本化したような感じか。見やすい地形図に落とし込まれており、利用価値が高いです。ただ、レベルの高い人が多いので、自分の力量と合致してるか見極めるのも重要。


東北の山スキー特選ガイド

特選ガイドというだけあって、東北の主なところが網羅されています。オールカラーで解説が丁寧です。東北に住んでる人や、東北への出没頻度が高い人は必携のガイド本かなと思います。

東北山スキー100コース―滑走記とデータ

東北の山スキー本というと、以前はこれでした。しかし、如何せん時代遅れ感が否めなくなってきました。地形は変わらなくても、流行、アプローチ、植生、雪の量などは変わっていきますから。

ハイグレード山スキー―最新ルート集

月刊誌『岳人』では初冬に山スキーの特集が組まれていました。その特集の数年分を集めて一冊のガイド本になったのがこの本。2007年発刊ですが、しばらくは大変お世話になった一冊です。


日本バックカントリー・オール 50エリア170ルート (パウダーガイド12)

ここまで紹介したガイド本はどちらかというと登山系の出版社のもの。この本はパウダーガイドなので、基本的に滑り系の人向け。本の名も『バックカントリー』ですからね。GPSデータも付いてたり。

リフトで登る日帰り山スキー特選ガイド

『リフトで登る』に特化したガイド本。しかも日帰り。2004年発刊。当時は概念図が当たり前だったけど、この本は地形図にルートが引いてあります。かなり大雑把だけど。

山スキールート図集1’〈01~’02〉

2昔前の山スキーのバイブル本。この本も古いので時代遅れ感はありますが、シーズン初めにひと通り目を通すのも良いのかなと。概念図+点線&波線の懐かしい表記です。


山スキールートガイド105

ガイド本というよりも、著者である酒井さんの記録集的な本。エリアは北陸中心で掲載ルートも特殊です。山スキーを始めて最初に買うガイド本でないことだけは確か。ルート図も概念図にラインが引かれた昔ながらの手法です。概念図から地形図に落とし込む作業が必要です。上級者向けの本だと思います。

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