晩秋の焼山へ北面台地から登ってきました。焼山北面台地は山スキーヤーにはお馴染み。日本離れした景観と言われる積雪期ですが、無雪期もある意味日本離れしてました。一面の灌木ジャングルです。まあ、予想通りといえば予想通り。予想外だったのは、登山道が快適だったこと。登山地図では破線になってて、きっと荒れてて藪とかひどいと想像していました。ところがどっこい、道幅はとっても広く、藪は皆無でした。
- 日程: 2022年11月3日(木)
- 天気: 晴れのちくもり(雲海の中へ)
- メンバー: ひとり
- 温泉:
- 食事:
- 登山口情報: 第一ゲートは6時に開いて17時に閉まる 詳しくはこちら https://www.city.itoigawa.lg.jp/item/20993.htm
頚城の山々の足跡
一般的にはマニアックなエリアになるんでしょうか…?一部のメインルート以外は。妙高山あたりに辿ってない登山道はありますが、主なところはこれで終了かな。日付を見てますと、ほぼ秋。逆に、秋以外に登る気はしませんね。真夏なんてかなりむさ苦しそうなところが多いだろうな~
北面台地の登山適期は晩秋かな
頚城エリアの主な登山道で、残されたのはこの焼山北面台地からの焼山。長いしむさ苦しそうだしで、積極的に行きたいルートじゃないです。行くとしたら晩秋のこの時期。北面台地の葉っぱが落ちて、少しは明るくなる時期。真夏なんて、とんでもなく暑いと思われます。林道のゲートに時間制限があるのもプレッシャーですし。いずれにしても、心身ともに気合の必要な山です。
林道焼山線は平日は第1ゲートが開放されません
焼山登山口へと続く林道は第一ゲート(笹倉温泉の上の橋を渡って九十九折の手前にある)は土日祝のみ開放されます。土日など連続する休日の場合は、初日の朝6時に開いて、最終日の夕方5時に閉まります。今回のように祝日単体だと、朝6時に開いて、その日の夕方5時に閉まる。まあ11時間もあれば大丈夫とは思いつつ、結構プレッシャーだったりするのです。
第2ゲートは火打山川への林道との分岐にあります。ここは常時閉鎖。ここからアマナ平の先の焼山登山口までは約3.7キロの林道歩き。約1時間といったところです。途中までは舗装路で、その先はダートになるけど、わりと程度のよいダート。登山口まで車を入れさせてくれれば、ずいぶん楽なのになあと思うのでした。
林道焼山線のゲートについては、こちらに詳細があります。
https://www.city.itoigawa.lg.jp/secure/20993/yakeyamasen.pdf
常時閉鎖の第2ゲート前に駐車
そんなこんなで、安曇野の自宅を3時半過ぎに出発。雪のない時期に笹倉温泉に来るのは初めてかも…?まだ暗いので、冬との景色の差はよくわかりません。ゲートが開く6時の10分前に着きましたが、すでにゲートは開かれていました。すれ違った車もいなかったので、6時よりだいぶ早く開いてたと思われます。林道九十九折を車で走るってのは、なんだかおもしろい感覚でした。第2ゲート横に駐車スペースあり。簡易トイレもあります。しかし、先客はナシ。ここ数日、誰も歩いてないとなると、クモの巣とか大変そうだなあ…。
焼山登山口までは約3.7キロ、1時間の林道歩き
まだ薄明るくなり始めたくらい。林道周辺の紅葉がキレイなんですが、まだ暗くてパッとせず。このあたりの紅葉は帰りに期待だな~。歩いてるうちに高松山が見えてきて、アマナ平に近づくと焼山、そして火打山が見えてきます。このあたりスキーシーズンと同じ。当たり前でありますが…。アマナ平から北面台地へは直で向かわず、大外回りで林道が付けられています。しばらく歩くと退避豪が見えてきて、その先が焼山登山口であります。
億劫と思われた林道歩き、苦もなく終わってしまいました。紅葉がキレイだったのもありますが、なんと言ってもスキーシーズンを思い返しながら歩けたのが大きいかな~。あーここ高松山が見えるとこだ~とか、ちょっと下ってアマナ平になったりとか…。
山道に入ると意外にも広くて藪もなく快適
さて、いよいよ登山道。林道のように気持ちよくは歩けないだろう。林道から灌木のジャングルの中に付けられた登山道に入っていきます。先客はいないので蜘蛛の巣は覚悟。蜘蛛の巣をよけるために、普段は持たないストックを持ってきたけど、蜘蛛の巣は全くもってありませんでした。ヤブも覚悟してましたけど、意外や意外、ヤブも全くナシ。逆に平均的な登山道よりも道幅が広かったです。2,3mはあったと思う。歩く部分は1人分ですけどね。
林道周辺の紅葉は見頃でしたが、登山道に入ると灌木の紅葉はほぼ終了。おかげで葉っぱが落ちて見通しが良くなります。焼山北面台地からの焼山は、葉っぱが落ちるこの時期一択で考えてました。毎年頭の片隅にはあったのですが、この週を逃すと雪が降ってしまったり、いったん雪が積もると結構面倒臭くなりますからね。あと、ある程度の気合いも要りますし。
焼山北面台地の末端へ
焼山北面台地の末端へ。ここは『展望台』ってことになっています。なるほど焼山がよく見えます。葉っぱが落ちてなくても、ここからなら焼山は見えそうです。スキーで来た時は必ず休憩するところですね~。展望台から先は延々と北面台地末端からの緩々斜面を進みます。葉っぱが落ちてるので、葉っぱの付いていない枝越しに焼山の姿が視認できますね。
大曲には火山観測施設あり
『展望台』からは『ビュースポット』⇒『携帯ポイント』⇒『坂道中央に石』⇒『ダテカンバ』⇒『大曲』と看板ぶら下がったポイントがあります。単調な道にはありがたいです。大曲には火山の観測施設があって、施設の周辺は切り開かれています。焼山や火打山の展望ありです。ここにあるアンテナみたいなのは、山スキーの季節でも雪から出てます。前はなかった気もしますが…。
大曲から泊岩分岐まではトラバース区間
大曲からは焼山を右から大きく巻いて富士見峠方面へ。このトラバース区間がこのルートの一番面倒くさいところです。緩く登りながらのトラバースは楽ちんなのですが、焼山北面台地特有の縦溝がいくつも出てきます。一番深くて大きいのが『大谷』。谷に下りるところが急で登山道も不安定。設置されてるハシゴやロープも信用ならない感じです。下った分の登り返しもしんどい。大谷の次にしんどいのが『地獄谷』。名前的には大谷よりキツそうだけど、大谷よりはだいぶ浅いです。でも、しんどい。その他の溝は大きな登り下りはないので、体力的には消耗する感じではないです。
やっと泊岩分岐まで登ってきました
しんどいなあとか思いつつ歩いてると、やっと水無谷までやってきました。水無谷の上の方は二度ほど滑ってことがあります。きれいなU字谷でなかなか快適。さすがに雪がない時期はモジャモジャしてますね。しばらく登ってると、焼山山頂方面と富士見峠方面との分岐。そうか、峠が分岐ではないんだな。今更ですが…。分岐で休んでると、焼山方面からお二人様が下りてきました。高谷池ヒュッテに泊まってたパターンかな~?
焼山直下の登りは息も上がるがテンションも上がる!
さあ、あと1ピッチで焼山だ!少し登ったら泊岩。岩を利用した避難小屋あり。中は見てないけど、噂によるとキレイらしい。小屋前にはテント張れるスペースあり。結構張ってる人がいそうな整地具合いでした。水は近所にはなさそうですので、各自持参ということですかね。
大谷と地獄谷の登り返し以外、ここまでずっと緩斜面だったのが、焼山直下からの登りは一転急斜面に。最後の最後なので脚に堪えますねぇ。その代わりでもないですが、ほぼ展望ナシの状態から、一気に展望すこぶる良好な状態に。息も上がるがテンションも上がる!金山&天狗原山の向こうに、後立山連峰が…。眼下には昼闇山、高松山、海谷三山、雨飾山も見えます。
火口の縁からの岩峰登りは難易度高かった
急斜面を登り上げると火口の縁に出ました。さらに登ると2つ目の火口の縁。ここから岩峰を登ります。岩自体の難易度はロープも完備されてるので問題ないのですが、足元に残っている古い雪が厄介。踏み固められててカチカチでツルツル。ロープがなかったら大変だったかも?秋山感覚だったので、雪のことはあまり考えてなかったです。
登り上げた岩峰はニセピーク
登り上げた岩峰が山頂か、もしくは近所のピークと思ってたら、どっこい…。山頂はまだだいぶ先。ここから2つ目のピーク。結構ショック!下って登って下って登ったところが、焼山の本物の山頂ということになります。最後の最後でしんどかったですけど、進むたびに変わる新鮮な景色が紛らわせてくれました。
3度目の焼山登頂!展望すこぶる良好!
で、焼山山頂登頂!焼山は3回目になるのかな~。登山を始めてしばらくは入山禁止で登れない山でした。スキーだと入山禁止も関係ない(こともない)感じで、最初の焼山登頂は山スキーでした。北面台地の末端テント泊の1泊2日です。2度目は笹ヶ峰から焼山、火打山の周回コース。これは楽しいコースでした。で、今日3度目が北面台地からの焼山。いずれも簡単ではないので、登頂回数は少ないなあ…。果たして4度目はあるのかなあ…と考えるのでした。
天気の方ですが、朝がた変な雲が一瞬出ましたが、それは一瞬だけで解消。ほぼずっと快晴状態が続いております。焼山山頂にいる間もほぼ快晴。『ほぼ』というのが、焼山の北側に雲海発生です。昼闇山はギリギリ見えてるけど、高松山は雲に隠れました。北面台地も雲海に沈んでしまったと思われます。焼山からの展望にあまり影響はないけど、解消してくれないと下る時に雲海突入となってしまいます。
登りにかかった時間は4時間45分。体力が落ちた今日この頃、まあ無難なラインなのかなー。林道のゲートが開いてる時間は11時間なので、その点では時間に余裕がありますね。山頂は南風が強かったけど、気温は高いようで寒くはなかったです。ゲートが閉まるまでには時間があるけど、明日は仕事なので、まあ早めに下りたいところ。45分間ゆっくりして下山です。
名残惜しい山頂でしたが下山するとします
登りはニセピーク(勝手に)に騙されたりと長く感じた山頂部、帰りはわかってるので登りよりも早く感じました。ロープの設置された岩場は下りの方が難易度高く、ほぼロープに頼りっぱなしで下ったなあ…。足が着地してもツルツルですからねぇ。火口壁からの急斜面下りはサクサク進み、あっという間に水無谷に下りてきました。
泊岩分岐から大曲までのトラバース区間は下りもダルイ
ここから『大曲』までのトラバース区間が面倒だな~。縦溝以外の区間は傾斜が緩くて、芳しくない膝にも優しい下り。でも、やっぱり地獄谷と大谷はしんどかったです。下りに馴染んだ足に、縦溝の急斜面登り返しは堪えました。地獄谷はまだ晴れてたけど、大谷からは雲海に突入であります。もともと展望はほとんどないからいいけど、陽射しがなくなって暗い雰囲気に。ま、暑くないからラッキーと思うことにしましょう。
トラバース区間が終わって大曲。帰りにもう一度ここからの焼山を見たかったけど、生憎のガスガスで何も見えない…。仕方ないですな。ここから延々と灌木のジャングル地帯を下ります。スキーで滑っても距離感が麻痺するところ。やっぱ北面台地末端まで長く感じましたね~。ここから登山口までは、もうひと下りあります。
晴れてくれなかった林道を下って、無事下山!
ダレダレで焼山登山口まで下りてきました。せっかくなので退避豪をくぐっておきました。帰りの林道は太陽が当たってキラキラの紅葉を堪能する腹積もりでしたが、残念ながら太陽は射さず。雲海より下まで下りてきてるんですが、上空は雲に覆われてて太陽が出てくる気配ナシです。まあ、それでも朝の日が昇らない時間よりは明るくて、少しは紅葉がキレイだったのかな…と思ったり。下りの林道もあまり苦にならなかった。なんでだろう?
本日は単独でありますので、下山後の温泉もラーメンもナシ。笹倉温泉の中にあるラーメン屋には、そのうち行っておきたいと思っております。
コメント