ヌクビ沢から巻機山に登ってきました。地形図でもエアリアでも一応登山道ということになってますが、かなりワイルドな部類になるんじゃないでしょうか。技術的に難しいってことはないけど、ほぼ沢登りなので、沢登りしたことない人は面食らいそう。足元悪いとこ苦手な人も大変そう。沢登りとしてみると、初心者向けの沢って感じ。ナメ滝とかもあるけど、大半が平凡なゴーロとなってます。名渓揃いの巻機山では、沢登りの対象とはなりにくいのかなと感じました。
個人的には久々の沢登りもどきだったので、とっても楽しく登ることができました。また、稜線に出てからの割引岳や巻機山の素晴らしい稜線も堪能です。
- 日程: 2022年9月17日(土)
- 天気: 晴れ時々くもり
- メンバー: T世
- 温泉: 金城の里(350円)
- 食事: 天池家(十日町市ラーメン)
- 登山口情報: 桜坂駐車場(500円) 100台くらいは停めれる?
敬老の日3連休めがけて台風がやってきました
敬老の日3連休、シルバーウィーク前半の3連休。後半は東北へ紅葉を見に行くとして、前半の3連休は泊まりで山に行ければと思っていました。ところがところが、この3連休をめがけて台風が日本に襲来。海の日、お盆に続いて、敬老の日3連休までも天気に翻弄されることになるとは…。悲しい。
とりあえず初日は日本海側ほど天気がよい予報。久しぶりに巻機山、初ルートのヌクビ沢からと相成りました。結構行程長いけど、翌日は完全休養ということで。朝3時半前に安曇野出発。6時過ぎに桜坂の駐車場に到着。駐車場の混み具合いを心配してたけど、まだまだ余裕で空いていました。それでも第1、第2はすでに満車で、第3に停めました。
※駐車料金は500円 帰りに払う(待ち構えてる) トイレあり
入渓までのアプローチは30分ほど
ほとんどの人が井戸尾根方面に向かう分岐をヌクビ沢、天狗尾根方面へ。今日は確認できたところでウチらの他には1組4名。もう少しいるのかなと思ってました。入渓までの道は草ボーボーな写真も見られたけど、今日はしっかり刈られていました。早い時期は刈らないのかも?30分ほどで入渓点です。
装備も気分も半分沢登りで
さて、登山道があるといっても、登山靴で臨むと濡れたくないのでルート取りに制約がありそう。忠実に山道を追わないといけませんのでね。基本は水線通しで、進めないところだけ登山道を使って巻こうかなと沢靴で挑みました。登攀具はちょい出し用の10mくらいのロープ、シュリンゲ&カラビナ少々、ヘルメット程度。結果的にロープは使わず。ワンポイントでシュリンゲ使ったくらい。
入渓点あたりは平凡なゴーロです。靴は駐車場から沢靴なので、ここでヘルメットをかぶります。今年はまだ一度も沢登りしてないので、ゴーロ歩きが新鮮に感じますね。岩の滑り具合いとかチェックしつつ、足慣らしにはちょうどよかったです。
しばらくでゴーロはなくなってきて、岩盤やナメ滝が続くようになります。ここらへんは米子沢などと同じような渓相です。米子は上まで平凡にならずにナメや滝が続きますが、ヌクビ沢は下流はいいけど、中流部から上はほぼゴーロ。下地はきっと岩盤なんでしょうけど、ゴーロで埋められてしまってるんでしょうね。そんなこともあって、途中で飽きてきちゃうかなってとこです。今回の場合は今年初沢だったので、そんなに飽きることなく登れましたが…。
名の付いてる3つの滝はなかなか立派です
登山道があるだけあって、滝に名前が付けられてます。とはいっても、吹上ノ滝、アイガメノ滝、行者の滝の3つだけですが…。逆言えば、大きくて特徴のある滝は3つだけとも言えそう。
ナメや滝の雰囲気は良いんですが、如何せん太陽が当たってこないのが残念。当たると当たらないでは全く違いますからね。まあ、沢は深くて北向きなので致し方のないところ。二俣を越えてしばらくのところでやっと太陽が当たりだしました。
登山道の様子ですが、ややこしい滝や濡れないと通過できないところは、それらを巻く道が付けられています。踏み跡はすこぶる明瞭!ま、登山道だから当たり前ですが。今回は沢靴を履いてますんで、登れない滝や深い部分がある時だけ巻き道利用です。基本、沢登りスタイルです。難所が出てきても、巻き道完備なので安心!冒険的な要素は皆無に近いですけど…。丹沢とかの初心者向けの沢も、こんな感じなのかなと思ったり。
登山道があっても沢靴が断然有利と思われます
下流に4人組を発見。その後、二俣で休んでると再び姿が。間が詰まってきてるように感じました。でも、二俣から先は一度も姿をみなかった。割引岳から下るときに再びお会いしたところ、登山靴で登ってこられたようです。結構大変だったとおっしゃってました。持っているのであれば沢靴有利かなと思います。そのぶん重くはなってしまいますが。
行者の滝はヌクビ沢には珍しい直瀑系の滝
二俣から30分ほどで行者の滝。ヌクビ沢にしては珍しく直瀑系の滝。といっても、登るところは階段状なのでノープロブレム。登山道も岩を登るようになってて、鎖がぶら下がっていました。岩が濡れてたりすると、登山靴だとおっかないだろうなと思われます。
後半は滝は出現しなくなり平凡なゴーロが続きます
行者の滝から上はほぼゴーロ地帯。たまーに小さな滝が出てくるくらい。かなり単調です。そのぶんサクサク登れて標高は順調に稼げます。サクサク登れるぶん脚の疲れも顕著に。渓相も上ほど荒れた感じになってきましたし。
そうこうしているうちに水が細くなり、奥の二俣みたいなところでほぼ水枯れ。ここがコースタイムのチェックポイントになってるとこかな?ここで沢靴から山靴に履き替えます。30分近くのんびりしました。少し沢を詰めたところで、登山道は右手の斜面へと。かなり急傾斜なので、ゆっくりと歩みを進めます。周りの景色が素晴らしいので、疲れは感じつつもテンションは高かったです。
当たり前ですが藪漕ぎナシで稜線の登山道に出ました!
稜線に出ました。稜線を挟んで反対側は下ノ滝沢からの詰めに当たります。下ノ滝沢はアプローチに骨が折れ、入渓してからも大高巻きで骨が折れ、源頭が近くなって素晴らしい沢になるという、まさに地獄から天国の沢でした。また行きたいとは思わないけど、上半分なら行きたいな!
割引岳山頂 下ノ滝沢の時に続いて2度目
下山とは逆方向になるけど、すぐそこなので割引岳へ。5,6人いたのかなあ。巻機山に登りに来て、割引岳まで足を伸ばす人はそう多くないんじゃないか…?山頂は広くないので、収容人数も少なめです。
尖った山頂なので展望はすこぶる良好!越後三山、奥利根のあまりよくわからない山々、日光や尾瀬の山々、谷川連峰、妙高&火打、北アルプスがズラリと並んでおります。あと、魚沼産コシヒカリの紅葉が始まってて、平野が秋色に染まっていました。
巻機山の山頂にも立ち寄っておきましょう
明日は完全休養予定。のんびり帰ればいい。てなわけで、巻機山の山頂にも立ち寄っておきます。巻機山までの稜線歩きが気持ちよかったです。巻機山に登りに来ても、巻機山だけじゃあもったいないなと思いました。お昼を軽く回って人通りも少なくなってたのも良かった。ただ、雲が多くなってきて、日陰の時間も長くなってしまった。
巻機山山頂部東端のベンチでのんびりします
御機屋は広場になってて、そこそこ人がたむろってました。ここから先はロープが張ってあって、進めなくしてあった時期があったおぼろげな記憶あり。この先の植生回復目的だったっけか?便宜上この御機屋を巻機山の山頂にしてたような…。今は牛ヶ岳まで行けそうです。山頂を通り越して、山頂部の東端にベンチが2つあり。1つ空いてたのでゆっくり休憩しました。台風接近中ということでか、今日はずっと良い雲が出ていました。
ニセ巻機までは展望素晴らしく気分よく歩ける
さてと、下山するとしましょうか…。下山、しんどいなあ…。とりあえず、御機屋、避難小屋、ニセ巻機までは、ここまでと同様に快適な稜線歩きです。米子沢源頭部を取り囲む稜線歩き。ヌクビ沢に登った今、また米子沢に登りたいなと思ったり。ニセ巻機への登りはしんどかったなあ…。
ニセ巻機からは完全下山モードとなります
ニセ巻機からは完全下山モード。いつも灼熱の灌木帯も今日は風が強かったので、わりと涼しく下れました。また、樹林帯に入ってからも時おり割引岳が見えてうれしかったり。少し前までは下りに苦痛は感じなかったのになあ…。今は膝や腰や背骨なんかの衝撃吸収力が低下し、以前のように滑らかに下れません。一歩一歩全身に衝撃食らいます。年は取りたくないけど、受け入れる以外にない…。
下山後の温泉とラーメン
下山後温泉は久しぶりとなります塩沢の金城の里。金城山の麓ですな。昔は沢にしろスキーにしろ谷川に来る頻度が高く、金城の里にもよく立ち寄ってました。なんだか最近この辺りに来ることが減りました。ま、またスキーで巻機山にでも来ようかな。温泉はコロナが始まって以降、一番混んでた気がします。時間がもう夕方だからなのか…。安くて狭いのもあるか…。
下山後ラーメンはひと山越えて十日町。わりと人気があると思われる『天池家』へ。人気があると思ってたのに、お客さんはなんとゼロでした。ここは2回目となります。美味しかったのでまた来たけど、今回はちょっと…。味は美味しいんですが、スープがドロドロで濃くて飲めない…。スープ好きなワタクシとしては残念でした。
いつものように飯山から麻績まで高速。長い一日が終了です。
コメント