石川県と富山県の県境にある医王山に登ってきました。登ってきたというより、歩いてきた…がしっくりくるかな。医王山はこのエリアの総称で、ピークハント的に登る山ではないような感じ。一応、奥医王山が山域の最高峰で、標高は939mほどです。
1000mに満たない山で、とくに積極的に登りたいと思う山ではなかったです。三百名山に入ってるし、ちょうど紅葉が良い時期だし…と、まあ捨て駒的な扱いでした。ところがところが、実際に行ってみますと、なかなかいい山じゃないですか!池あり、岩場あり、滝あり、素晴らしい森あり…。捨て駒と思っててゴメンナサイ…。お気に入りに追加です。
- 日程: 2019年11月10日(日)
- 天気: くもり時々晴れ
- メンバー: T世
- 温泉: 五箇山 くろば温泉(600円)
- 食事: まじめ家(松本市)
- 登山口情報
夕霧峠に10台くらいの駐車スペースあり。
医王山をどのように歩くか悩みました
医王山に登ることにしたのは前日になってから。調べてみますと…縦横無尽に道がある。いったいどれがメインなんだ…?普通の山はたいてい目指すピークがあって、どこから登るかってところだけど、医王山はそんな雰囲気ではなさそう。さらに調べを進めると、わりと満遍なく歩かれてて、余計に悩みが深まる方に…。行きたいところを絞るしかなさそう。
初めてなので、最高峰の奥医王山は押さえておきたい。あと、大沼という池があり、その近くに鳶岩という岩山がある。そして、人気のありそうな白兀山。これらを繋ぐコースで考えてみましょう。ビジターセンターや西尾平から登る人も多そうだけど、一番効率良さそうな夕霧峠をスタート&ゴールとするルートに決定です。
夕霧峠から紅葉がきれいな林道歩き
夕霧峠の駐車スペースには先客が3台ほど。夕霧峠‐国見ヒュッテの間は林道歩き。最後が林道なのはイヤなので、先に歩くことにします。普通は林道歩きは苦痛に感じることが多いけど、ちょうど林道周辺の紅葉が真っ盛り。逆に林道歩きを楽しんじゃいました。国見ヒュッテの手前、金山登山口で林道から離れて大沼へと下る道へ。
金山登山口から大沼方面に下っていきます
この下る道も山腹を巻くように水平に付けられてるので、もともと林道だったのかも。地図には国見平とありますが、このあたりの雰囲気が今日歩いたコースの中で一番よかったかな。ただ、何故だかここにきて曇る時間が多くなってきた…。空全体としては晴れ間が圧倒的に多いのに、ちょうど太陽のところに雲があって…
沢床に下りたら渓流の紅葉がなかなかでした
林道跡みたいなところから、大沼に向けて一気下り。結構大変な道。枯葉は邪魔だし、雨上がりで滑るし、ハイキング的な道じゃない!ま、調べが悪いだけですが…。沢床に下りると渓流の紅葉がキレイ!ここから鳶岩の分岐まで、さらに道は険しくなります。鎖に捕まりながら、岩場の斜面をトラバース。落ちたら谷底まで真っ逆さま。
道を間違えたら偶然にも三蛇ヶ滝に
鳶岩の分岐からは普通のハイキングコースに。大沼に向けて下ってたつもりが、なんだかキレイな滝に出くわします。三蛇ヶ滝でした。地形図にも載ってます。ちょうど紅葉がピーク。道を間違えてよかった!怪我の功名。少し登りなおして元の道へ。大沼と三蛇ヶ池との分岐はわかりにくかったです。分岐から5分ほどで大沼。
紅葉の大沼もバラエティに富んだ景色
大沼からは池越しに鳶岩が眺められます。もろ逆光だったけど、ちょうど曇っててよかった。池は黒くて鏡のよう。鳶岩や紅葉がよく映ります。このあと晴れたけど、やっぱり逆光になってしまって写真に撮るには話にならず…。
紅葉の林道歩き、国見平、三蛇ヶ池、大沼…といいとこが続き、すっかり医王山が気に入りました。このあとの鳶岩もよかったし、白兀山への登りも、白兀山直下の休憩ポイントもよかったし。既に次のコースなど考えながら歩いていましたね~。最後に登った奥医王山が一番つまらんかったりして…。完全に曇っちゃったし。
鳶岩へは上から下まで鎖付きの岩場が続きました
続きましては鳶岩。分岐まで戻って鳶岩に取り付きます。初っ端から鎖場。そして団体さん。なかなか進みません。しばらくで先に行かせてもらえました。鎖場のワンポイント渋滞かと思ってたら、岩場&鎖場が続く続く!ピーク手前の鳶岩まで途切れることなく岩場でした。フリクションは効くし、適度に階段状でとても楽しく登れました。
鳶岩からは、さっきいた大沼が真下に望めます。周りの森が紅葉しててキレイでした。休憩ポイントではありましたが、人が多いので休まず進むことにします。さっき大沼でゆっくり休んだし。
鳶岩から白兀山に向かう尾根もよかった~
白兀山までは緩やかな尾根道。ブナが目立ちます。ここも心地よく登れました。しかしまあ、とにかく道が多いです。しばらく歩いてると分岐が出てきます。それだけ人々に歩かれてるってことかな。最後にグイっと登ると西尾平から続く尾根道と合流。ほどなく展望地へ。
白兀山は手前の露岩が展望開けてて金沢市街地が一望です
ここには大勢の人が休んでいました。それもそのはず、露岩の広場で金沢市街が一望できる絶好の休憩ポイント。冬に金沢から見ると、この露岩の部分が白く見えるから白兀山なのかな…と勝手な想像。何かに書いてあったけど、金沢の人々はここ白兀山を医王山と呼ぶんだとか。ここで休まなきゃいけない雰囲気なので、少し休憩しておきました。
白兀山の山頂はこの露岩から少し登ったところ。山頂は灌木に囲まれてて、開放感はさっきの露岩の方が断然上。そのかわりに展望台が立ってるので、一応360度展望できます。でも、なんだかすっかり曇ってしまいました。お昼にかけて晴れる予報だったのですが…。奥医王山が初めて見えました。
白兀山から夕霧峠を通り過ぎて奥医王山へ
残すは奥医王山だけ。ずっと稜線歩き。この稜線は人通りが賑やかです。やっぱり人気ルートなのかな。地形図に『医王山』と記載されてる山は『蛇尾山』となってます。いったん夕霧峠に戻ってきました。観光客や散歩気分で登ってきてるっぽい人もチラホラ。
夕霧峠からは丸太の階段で始まります。見返り杉というところまで288段あります。はじめはまだいいけど、後半は傾斜がきつくて段差も大きくて太ももに効きました。途中に竜神の池とかあったけど、曇ってて暗くて寂しい池。緩いアップダウンを繰り返して、奥医王山の山頂です。
最後の最後にエリア最高峰の奥医王山へ
奥医王山の山頂にも、白兀山と同じような展望台が立ってます。ただ、灌木の勢いが強くて展望は乏しかったです。医王山の最高峰なのに、なんだか残念…。まあ、とりあえず登頂したので、次の医王山があるとしたら、奥医王山抜きで考えられます。どっちかというと奥医王山は目の上のタンコブ的な位置にあったので、抜きの方が色々回るのに効率がよくなるんじゃないかと思われますね。
下山後の温泉とラーメン
医王山のこのルートは半日コースと踏んでいましたが、見積もりが甘かった…。ちょっとスタートが遅かったかな。温泉は五箇山まで戻ってくろば温泉。前にも行ったことあるけど記憶乏し…。洗い場が狭くて内湯が激熱でした。空いてれば問題ないけど、わりと混んでたから狭苦しかったです。
下山後ラーメンは松本に戻ってから。急きょ『まじめ家』に行くことに。かなりコッテリで味が濃くて、50歳半ばの自分には苦しかったです。
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