紅葉の鳳凰三山縦走 2019/10/05-06

鳳凰三山の紅葉を見てきました。夜叉神峠から広河原に通り抜けです。花崗岩の白にハイマツの青。山版『白砂青松』な鳳凰三山の景観に紅葉が加わり、さらに天気にも恵まれて、それはそれは心地よい稜線での時間を過ごさせてもらってきました。欲を言えば、2日目もう少し天気がもってくれればなあ~。地蔵ヶ岳から先はガスガスに。

  • 日程: 10月5日(土)~6日(日)
  • 天気: 10/5 快晴!  10/6 晴れのちガス
  • メンバー: T世
  • 温泉: 武田乃里 白山温泉(600円)
  • 食事: ハルピンラーメン本店
  • 登山口情報
    夜叉神峠登山口の駐車場。ここが満車になると芦安のゲートが閉まるそうな。きれいなトイレあり。
    広河原下山後はバス利用。広河原-夜叉神峠登山口40分 860円+協力金200円
コースタイム

1日目

  • 夜叉神峠登山口(6:00)
  • 夜叉神峠(7:00~15)
  • 杖立峠(8:30~40)
  • 山火事跡(9:25~30)
  • 苺平(10:05~10)
  • 辻山(10:20~30)
  • 南御室小屋(10:50~11:25)
  • 薬師ヶ岳(12:45~14:00)
  • 南御室小屋(14:55)

2日目

  • 南御室小屋(5:45)
  • 薬師岳小屋(6:45~55)
  • 薬師ヶ岳(7:05~20)
  • 観音ヶ岳(7:45~55)
  • 赤抜沢の頭&コル(8:50~9:25)
  • 高嶺(10:00~05)
  • 白鳳峠(10:35)
  • 広河原(12:35)

1日目 夜叉神峠登山口から南御室小屋 薬師ヶ岳へ

北アルプスの笠ヶ岳に登ろうと思っていたこの週末、日本海側の予報が悪くなり南アルプスに転進です。行きたかったけど混むのを懸念して、なかなか足が向かなかった鳳凰三山。今回は混むのを覚悟して、夜叉神峠の駐車場に前夜泊で挑みます。

ホントは登ったことのない青木鉱泉から登りたかったけど、混みそうな鳳凰小屋は避けました…。ま、そのぶんこのルートだと、鳳凰三山の稜線を縦走できますんでね。お得と言えばお得かな。

夜叉神峠登山口から夜叉神峠

5時ごろ起きて6時前に出発。この時点で夜叉神峠の駐車場はほぼ満車。『軽』の駐車スペースは空いてたので、結果的には早朝着でも大丈夫でした。ま、結果論。この登山口は二度挑んだ南アルプス縦走のスタート地点。懐かしいですね~。山の初心者が乏しいノウハウで挑み、クソ重い荷物で頑張りました。装備や食事など、今ならずっと楽チンに縦走できるのにな…。

夜叉神峠までの登り。激重ザックに行き絶え絶えで登った記憶しかありません。実際のところ、程よい傾斜の整備された道が峠まで続くという、とても歩きやすい道でした。周りの雰囲気もスッキリとした広葉樹の森。気持ちよく歩けました。ただ、エアリアのタイムはちと厳しめ…。

夜叉神峠の登山口です
夜叉神峠までの道は意外と雰囲気良い道でした

夜叉神峠から苺平 地味な区間

天気は朝からスカッ晴れ!夜叉神峠からは白峰三山がバッチリです。池山尾根の上部や稜線下の灌木が紅葉してるのがよく見えます。鳳凰三山の紅葉はどうかな…?ただ、今日は30度超えのところもあるみたい。気温が上がれば雲も沸いてくるかも?

夜叉神峠の小屋は営業してるんですね。テン場もあるとは知らなかった…。ここには泊まらんだろ…。夜叉神峠から南御室小屋まで、ほぼ展望ナシでひたすら登るのみ。チェックポイントとしては杖立峠、山火事跡、苺平。各所には丸いパイプを井桁に組んだ道標が。昔と変わらずで懐かしいです。

夜叉神峠からの白峰三山
夜叉神峠にあった小屋 小ぎれいな感じです
キャンプ指定地にもなってます
展望のない登山道が延々と続きます
杖立峠 懐かしいこの特徴のある道標
山火事跡からの北岳
北岳アップ! 池山尾根はいい感じで紅葉してますね
山火事跡です
山火事跡からの間ノ岳と農鳥岳

辻山はマイナーですが展望はなかなか

今日は見どころナシで終わるんかいな…と思ってたら、辻山で好展望にありつけました。苺平から寄り道する形で辻山はあります。エアリアには好展望とあるので寄ってみました。苺平から薄い踏み跡を辿ると、三角点に『辻山』と書いたカマボコ板みたいなのが置いてある山頂。山頂は全く展望ナシですが、西に少し進むと開けて大展望!

辻山は稜線上や東側は鬱蒼としたシラビソ林だけど、西側は明るい灌木帯となってます。正面には白峰三山、その右手には仙丈ケ岳も顔を出してます。アサヨ峰は見えてるけど、甲斐駒はその影に。そしてそして、これから向かう薬師ヶ岳も見えています。稜線付近は紅葉してるのがわかります。楽しみ。

辻山の案内図
辻山山頂
辻山からの白峰三山
辻山からの薬師ヶ岳
北岳の右には仙丈ケ岳とアサヨ峰
砂払岳と薬師ヶ岳 紅葉はピーク前半ってとこ?

南御室小屋に着き、とりあえずテント張ります

南御室小屋に到着。先着テントは10数張りくらいか。スペース的にはまだ余裕だけど、今はまだ11時前。これからどんどん増えるかな。南側の一段上がったスペースを確保。賑わいそうなので、既に張ってあった無人テントにくっつけて張ります。そして、お隣さん、そのお隣…と、このスペースは埋まりました。

南御室小屋 趣がありますね~
お地蔵さんの頭にアブ

薬師ヶ岳まで行ってみましょう!

薬師ヶ岳に向かいます。明日歩く予定ではありますが、明日は微妙な予報だし、朝と午後では太陽の向きも変わるだろうし、なによりも暇なので行ってきました。砂払岳までの標高差300m、約1時間は黙々とシラビソ林を登るのみ。明日もここを登るのかと思うと、ちょっと気が重い…。

鬱蒼としたシラビソ林が砂払岳で一変!白い砂に白い花崗岩の奇岩乱立。ハイマツの緑と黄葉のダケカンバが青空に映えます。まさに白砂青松の山版です。砂払岳を下ったところに新築された薬師岳小屋があります。ダケカンバ林に囲まれた素晴らしいロケーションの中に建っています。

砂払岳の基部 観音ヶ岳が見えてます
砂払岳のピークへ
振り返ると富士山と辻山
折り重なる花崗岩
花崗岩と紅葉が美しいです
薬師ヶ岳
左の山は観音ヶ岳
薬師岳小屋と遠くの山は仙丈ケ岳
白峰三山
薬師岳小屋の周りには黄色に染まったダケカンバがたくさん
薬師岳小屋から薬師ヶ岳に向かいます
砂払岳と富士山

薬師ヶ岳はなんとも素晴らしいところでした

薬師ヶ岳の山頂は広くて、まるで公園のよう。落ち着ける場所があちこちにあって、みなさん思い思いに休んだり、展望楽しんだりしています。三角点のある最高点は東にある小高いピークですが、ロープが張ってあり立入禁止に。誰か行ってましたけど…。三角点ハンターかな?

ここに向かって登ってくる途中、すれ違った人に『今日は一年の中でも最高の日だよ』と言われました。実物を見せられると、まんざら大げさでもないなと思ったのでした。観音ヶ岳がいい感じで見えています。そこまで行く時間は十分あったけど、明日にとっておきます。今日のところは薬師ヶ岳でのんびりすることにしましょう。十二分に景色を堪能したので、これでもし明日の天気が良くなくても、満足した気分で帰れるかな。

花崗岩とダケカンバの黄葉と紺碧の青空
薬師ヶ岳への登り
薬師ヶ岳の山頂部 広くて快適です
富士山もいいけど、いい雲出てます!
三角点でも最高点でもないけど山頂の標識
ココにも例のオブジェが
観音ヶ岳 この稜線は明日歩けます
八ヶ岳 八ヶ岳の方が高いのに低く見えますね
八ヶ岳アップ!
仙丈ケ岳
薬師ヶ岳の山腹の黄葉
薬師ヶ岳の山頂で1時間15分ゆっくりしました
甲府盆地が近い
砂払岳と薬師岳小屋
甲府盆地

テン場に戻って辻山に忘れたストック回収に

テン場に戻るとやっぱりテントが一杯に。でも、溢れ返ってる感じではないですね。ほぼ満杯ってところかな。

ストックを辻山に忘れてきたっぽい…。小屋に聞いてみたけど届いてないので、再び辻山へ。まあ、また良い景色を見れると思うことにしましょう。ストックは無事発見。普段持たないものを持ってくるから忘れるんだわな。せっかくなので10分ほど眺めてからテン場に戻りました。

今日は日が落ちてもそんなに寒くないです。8月下旬の大天井岳の方がずっと寒かったです。寝る時も夏用シュラフにほぼ夏の格好で大丈夫でした。

南御室小屋のテン場
ストック回収にいった辻山からの薬師ヶ岳
辻山から南御室小屋に戻ってきました

2日目 南御室小屋から鳳凰三山縦走して広河原へ

4時起床。もちろんまだ真っ暗。ここんとこ朝はゆっくりで、自分たちがテント畳む時には既にテン場はもぬけの殻…が続いてました。今日は頑張って早起き。とはいっても、平均よりは遅めっぽいけど。冷え込みはなかったとはいえ、テントはビショビショ。タオルで拭いたけどズッシリ感…。

昨日に続きまして薬師ヶ岳へ

きのう登った薬師ヶ岳への道を今日も登ります。一晩寝てリセットされてるので、憂鬱な感じはなかったです。逆にT世さん調子良くて、ついて行くのが精いっぱいな感じ。天気の方ですが、真上の空はほぼ快晴。ただ、甲府盆地側は雲が沸いてて、とっくに日の出時刻は過ぎてても太陽が出てきません。砂払岳手前でようやく山に日が射すように。ナイスタイミング。

砂払岳に登り着きます。昨日は午後でやや逆光だった白峰三山、今日は正面から太陽が当たっててクッキリ見えてます。少し雲もあって良い雰囲気。逆に薬師ヶ岳や観音ヶ岳は稜線の東側が日が当たってて、西側は陰ってます。やっぱり時間によって雰囲気はずいぶんと違いますね~。

朝の北岳
雲が秋ですね~
朝日を浴びた砂払岳
朝らしい景色です
砂払岳からの薬師ヶ岳
ダケカンバに埋もれる薬師岳小屋
そのダケカンバの中

薬師ヶ岳山頂 今日の休憩はそこそこで

薬師ヶ岳山頂では今日は小休止のみ。観音ヶ岳へと続く稜線は西側と東側で明暗の差があり過ぎ。やっぱりお昼頃の日の高い時間がいいですね。となると、やっぱり昨日のうちに来てて良かったってことになります。

間ノ岳は雲で見えてませんが、いい雲が出てます
北岳アップ 朝の太陽に照らされています
これから向かう観音ヶ岳

鳳凰三山の主峰であります観音ヶ岳へ

観音ヶ岳に向かう途中、東側から湧く雲がだんだんと発達。稜線の高さを越え、時々太陽を隠してしまうほどに。まだちょっと早いんではないかい…。観音ヶ岳まで来ると、今まで見えなかった地蔵ヶ岳や高嶺が見えてきます。しかし!地蔵ヶ岳は雲の中、時々出現といった感じ。

観音ヶ岳から地蔵ヶ岳の隣にある赤抜沢の頭まではアップダウンがきつくて、見た目よりも時間がかかるし、体力も消耗。岩稜帯と紅葉はいい感じだけど、如何せん日の当たる時間が少なくなってきて…。

観音ヶ岳への登り
観音ヶ岳の山頂です 鳳凰三山の主峰だけあって賑わっていました
赤抜沢の頭と高嶺
観音ヶ岳の肩に当たる部分かな
観音ヶ岳のからアップで地蔵ヶ岳のオベリスク
赤抜沢の頭と地蔵ヶ岳
赤抜沢の頭へと続く岩尾根
ロケーションはいいけどアップダウンが激しくて堪えます

赤抜沢の頭にザックを置いて地蔵ヶ岳のコルへ

赤抜沢の頭にザックを置いて、一応地蔵ヶ岳の方へ。もう、ほとんどガスってて見えないので、行ってもしょうがないんですけどね。急坂を下ってお地蔵さんがたくさん並ぶコルへ。ここでやめときます。この至近距離にいても、オベリスクはほとんど姿を現しませんでした。急坂を登り返して赤抜沢の頭で小休止&腹ごしらえ。

赤抜沢の頭
地蔵ヶ岳のコル
コルにはお地蔵様がたくさん
ひときわ変な地蔵?

高嶺、白鳳峠を経て広河原に下山 試練の下山でした

高嶺へも急下降と急上昇。鳳凰三山の稜線歩きはなかなかハードです。岩稜帯で足元もよくないですしね。縦走の時はクソ重い荷を背負って、よく頑張ったもんだ。また、シレイ沢を登った時の下山でも歩きましたが、アップダウンの応酬にくたびれた記憶があります。ハードなのは仕方ないとして、せめて高嶺まで天気がもってくれればなあ…。

高嶺から白鳳峠までも急降下。調子のよろしくないヒザに堪えます…。白鳳峠は暗い樹林帯の中なので、少し下ったガレ場で足休め。ここは正面に北岳が見えるのですが、あいにく雲の中です。このガレ場周辺はまだ穏やかでしたが、樹林帯に入ってからが急降下。足元も不安定。段差が多かったりでヒザが悲鳴を…。苦痛の下山となりました。

すっかりガスガスに 高嶺あたり
白鳳峠からの下り 正面の雲の中には北岳があります
樹林帯の急下降が長く続きました

広河原からバスで夜叉神峠登山口に戻ります 下山後温泉&ラーメン

広河原からは13時発のバスに乗って夜叉神峠に戻りました。所要時間は約40分。遠いな~という印象。立ってる人もいました。ジャンボタクシーの方が楽だな。温泉は定番となった白山温泉へ。空いてていいです。…と思ったら、あとから山帰りの学生の大群が!少し遅かったらえらいことになってました。

ハルピンラーメンのハルピンラーメン

下山後ラーメンは諏訪のハルピンラーメン本店へ。支店とメニューが違いました。なんか支店の方が良かったような…。

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