大渚山 山スキー 2023/2/18

今年も無事に大渚山詣で完了です。降雪後3日目ということで南面は捨て駒。パウダー保持性の高い北斜面のみ期待で行ってきました。期待と言っても不安と背中合わせ。行ってみるまでわかりませんでした。まあ、なんとかギリギリパウダーって感じでした。南面も重いだけで最悪ではなく、苦労しながらも楽しく滑らせてもらえました。

  • 日程: 2023年2月18日(土)
  • 天気: 晴れのちくもりのち小雪
  • メンバー: T世
  • 温泉: 大町温泉郷 薬師の湯(物味湯産手形デジタル版利用)
  • 食事: 家
  • 登山口情報: 大草連の除雪終点スペース 最近マナーの悪い人が増えたとのころ
コースタイム
  • 大草連(7:50)
  • 大渚山(10:25~45)
  • 湯峠南のコル付近(12:15~30)
  • 大草連(13:05)

降雪後3日目の山選び

降雪後3日目ということで、行先はちょっと考えましたね。ただ、そんなに気温が上がらずに経過していたので、北斜面ならなんとか気持ちよく滑れるのかな…と。候補はいくつかあるんですが、今年まだの大渚山をやっつけておきたい気持ちが強かったです。白馬方面は早めに崩れそうで、大渚山は午前中は持ちこたえてくれそうな予報だったことで、大渚山に決定であります。

大草連も駐車問題が露呈してきた?

しばらく降ってないので除雪も出動ナシ。7時半ごろ大草連到着。いつものスペースは一着でした。準備中に最終集落の人がやってきて、

『ここは停めてもいい場所か?』と聞かれ、
『えーと、えーと、いつも停めさせてもらってまして…』ともぞもぞ返答。
『ここはウチの土地だ』
『そうなんですか…すみません』
『どこから来た?』
『安曇野です』
『最近はマナーの悪い人が増えて…、家の敷地に入ってくる…、家の前の橋はウチのもんだ…』などなど、お説教されました。山に入る人に不満が多いようでした。
最後は『気を付けて楽しんで来い…』と。

集落スタートの山は色々と問題が多いです。除雪作業者、近隣住民…等々とのトラブル。自分も除雪終点はよく利用しているので、『配慮して駐車しましょう』とか言えた義理はないです。以前はよく書いてましたが…。そんな中でも、除雪前の到着、騒音、ゴミ、立ちション…等々は厳禁ですかね。

大草連の雪壁は思ったよりは少なくない

大草連の雪壁は思ったほど低くはないです。もちろん平年に比べると低いです。先週の大峰峠のお堂の姿を見てるので、それよりマシかな~という印象です。糸魚川とか結構雨の時が多かったので、それが雨なのか雪なのかの差は大きかったと思います。大草連くらい高くて内陸に入ってると、山之坊に比べて雪の少なさは感じないってとこなのか…?わからんけど。

大草連の雪壁は思ったよりも低くはない(単なる自分の想像よりですが)

大草連を出発です

そんなこんなで出発です。民家脇の水路を登らず、直で雪壁登って山に入りましょう!天気は快晴です!今のところ。気温はそこそこ低いです。昨日晴れてるはずなので、大草連は全面モナカ。ま、帰りには気温上がって解消してる予定です。きのう、おとといと平日ですが、入山者はボチボチあったようで、トレースとカチカチに固まったシュプールあり。

車道の途中にある堰堤

登ってる間に快晴から全面曇り空に

車道終点の雪原に出ます。快晴の下、大渚山山頂が見えております。良い景色ってところなのですが、今年は藪が目立ってて景観を損ねてます。以前は真っ白なことが多かった気がします。雪が少ない年が増えたのか、藪が生長したのか…?

登りに使う台地状の尾根に登り上げます。この台地状の尾根は雪の少なさは全く感じません。ここはもともと藪があまりないのか、雪が極端に少ない年でも藪は気になりません。最上部と最下部はちょっと厄介ですけど…。さっきまで快晴だったのが、一瞬にして全面曇り空になりました。思ったより早く下り坂に差し掛かったのか…?

車道終点の雪原なんですが、ここは藪が優勢です
登りに使う尾根状台地の藪は問題ナシ
登ってると急に曇ってきました 早くも下り坂か…

大渚山頂稜に到着です

頂稜の雪庇下の休憩適地に4名様いらっしゃいました。西側の除雪終点に駐車かな?ちょうど頂稜に着く手前くらいから、全面曇り空が半面曇り空くらいに回復。稜線が雲に覆われてた白馬の山々も、再び姿を現してきました。スカッと晴れた展望ではないですが、見えないよりはずっとマシ。雨飾山の方には青空なくて水墨画。パッとしない水墨画。

頂稜を山頂(西)の方に移動します。山頂の展望台は全部雪に埋まってます。雪の少ない年や時期が早いと露出してます。今年は高いとこと低いとこの格差が広そうな印象だな~。あと、地域による格差も。天気が悪くならないうちに、北斜面を滑ってしまおう!

北アルプスはさっきまで雲の中でしたが、また出てきた
大渚山山頂 展望台はちゃんと埋まってます
雨飾山 水墨画風
戸隠方面とその前衛の山々
天気が崩れる前に北斜面を滑りましょう!

北斜面の雪はなんとか生き残ってくれてました

少し西の尾根を下って、北斜面の斜度が緩くなるところからドロップイン!…てほどドロップはしません。恐る恐るです。恐る恐る滑ると、やっぱ雪はまだフレッシュです。軽いパウダーではないにしろ、まずまず気持ちよく滑れる雪質。樹氷の欠片が落ちてて変な抵抗があるけど。とりあえず、来てみてよかったです。極端に気温上がらなければ、次に天気が変わるまでは保持されるってことか。迷いが生じて、いいとこを横滑りして勿体なかった。

適当なところから大渚沢の源頭無木立斜面に入ります。さすがにここは北斜面と言えど日射の影響があるだろうな…。モナカってること覚悟で無木立斜面へ。すると、かなり滑りやすい!木がないのも滑りやすい要因ではありますけど。で、気持ちよく滑ってたら、斜度が緩くなったところで急に雪が緩んでズボズボに。べチャっと転びました。斜度が緩むと日射の角度が厚くなるので、途端に影響が出てしまうんですね。デリケートだなと思ったのでした。

これ以上滑っても雪は悪いので、いつもより早めに登り返しとします。このラインは誰も滑ってなかったので、ここからはラッセルとなります。タケノコ下の平坦地からは、タケノコの右を滑る人、左を滑る人を見つつの登り。結構たくさんの人が入ってる様子です。みんな大草連なのかなあ…?はたまた、北斜面だけなら小谷温泉インもあるのか…?ま、おかげでラッセルからは解放されました。

湯峠南のコルより少し高度を稼いで、東面三角のトラバースを楽にします。東面も少しですけど滑れました。しっとり重めでしたが、一応テレマークで滑れる程度の雪質でした。南面はさらに重いことが予想されます。そのまま滑ると激重密林滑りになるので、南面を大きくトラバースして、登った尾根の際に近いとこを滑ります。ここは縦に開けた斜面がずっと続きますんでね。

雪が重いのは大渚南面通常運転ということで、逆にこの重重雪を如何に楽しむかですね。午後にここを滑ってよかったのは稀なので、ネガティブになっても仕方ない。ひえーっとか言いながら滑るもまた楽し。南面の重雪はまあ許容範囲で滑れたけど、車道の雪が堅かった。太もも終了。暴走を制御するのもえらいこと。段々畑?もヨレヨレ。いつもの大渚山のフィナーレですな。本日も無事下山であります。

下山後の温泉とラーメン(はナシ)

最後滑ってるあたりから小雪が舞い始めてました。白馬の街は雨。青木湖あたりでみぞれ。なんとか逃げ切った感じでした。白馬にそそるラーメン屋はないので、下山後ラーメンはナシ。白馬のラーメン屋を開拓しなきゃだけど、開拓するズクもあまりない。温泉は大町温泉郷の薬師の湯。物味湯産手形デジタル版利用であります。


手持ちのガイド本を紹介します

山スキーを始めた頃は情報源といえば山雑誌の記事とガイド本のみ。今のご時世はネットに情報が腐るほどあって、情報を集めるというより選別するという感じ。ネットのレポは個人差大きく主観が入ってて難しいところがありますね。その点ガイド本はレベル的に安定してます。行き先はガイド本で探して、足りない情報をネットで補う…が理想的なのかなと思ってます。

山スキールート212

『212』というだけあって盛りだくさんの内容。定番ルートからマニアックなルートまで品揃え豊富です。値段が2980円と高いけど、内容からすれば安いくらいかも。コレ1冊持ってればOK!って感じですかね。地形図にラインが入ってるので、概念図から地形図に変換する作業も不要です。ちょっと至れり尽くせり過ぎじゃないって感じ。

山スキー百山

隣の山スキールート212とボリュームも見た目も似てますが、こちらは山スキーアルピニズム研究会の著。ちなみに、こっちの方が早くに世に出てます。中身はだいぶ違ってて、かなりマニアック。一般人には行けないルートも多いです。『百名山』ではなく『百山』ってことです。

山スキー百山2

山スキー百山の第2弾です。山スキーアピニズム研究会の著、記録集をよりガイド本化したような感じか。見やすい地形図に落とし込まれており、利用価値が高いです。ただ、レベルの高い人が多いので、自分の力量と合致してるか見極めるのも重要。


東北の山スキー特選ガイド

特選ガイドというだけあって、東北の主なところが網羅されています。オールカラーで解説が丁寧です。東北に住んでる人や、東北への出没頻度が高い人は必携のガイド本かなと思います。

東北山スキー100コース―滑走記とデータ

東北の山スキー本というと、以前はこれでした。しかし、如何せん時代遅れ感が否めなくなってきました。地形は変わらなくても、流行、アプローチ、植生、雪の量などは変わっていきますから。

ハイグレード山スキー―最新ルート集

月刊誌『岳人』では初冬に山スキーの特集が組まれていました。その特集の数年分を集めて一冊のガイド本になったのがこの本。2007年発刊ですが、しばらくは大変お世話になった一冊です。


日本バックカントリー・オール 50エリア170ルート (パウダーガイド12)

ここまで紹介したガイド本はどちらかというと登山系の出版社のもの。この本はパウダーガイドなので、基本的に滑り系の人向け。本の名も『バックカントリー』ですからね。GPSデータも付いてたり。

リフトで登る日帰り山スキー特選ガイド

『リフトで登る』に特化したガイド本。しかも日帰り。2004年発刊。当時は概念図が当たり前だったけど、この本は地形図にルートが引いてあります。かなり大雑把だけど。

山スキールート図集1’〈01~’02〉

2昔前の山スキーのバイブル本。この本も古いので時代遅れ感はありますが、シーズン初めにひと通り目を通すのも良いのかなと。概念図+点線&波線の懐かしい表記です。


山スキールートガイド105

ガイド本というよりも、著者である酒井さんの記録集的な本。エリアは北陸中心で掲載ルートも特殊です。山スキーを始めて最初に買うガイド本でないことだけは確か。ルート図も概念図にラインが引かれた昔ながらの手法です。概念図から地形図に落とし込む作業が必要です。上級者向けの本だと思います。

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