針ノ木峠テント泊で針ノ木岳、蓮華岳、北葛岳、七倉岳に登ってきました。先週の鹿島槍同様、今回が最後かもしれないな…と思いながら登ってきました。まあ、針ノ木岳と蓮華岳はまだチャンスはあると思いますが、北葛岳と七倉岳はホントに最後になるかも…。針ノ木岳と蓮華岳は天気良かったけど、最後になるかもしれない北葛岳と七倉岳は天気がよくなかったです。老体にムチ打ってのテント装備での縦走は堪えました。
- 日程: 2023年9月2日(土)~3日(日)
- 天気: 1日目:高曇り視界良好 2日目:晴れのちガスガス
- メンバー: T世
- 温泉:
- 食事:
- 登山口情報: 市営の無料🅿にギリギリ停めれた(4時半すぎ)
扇沢では駐車場難民になる寸前でした
扇沢インの七倉アウトなので、前日の夕方に七倉に車を仕込んでおきました。今は七倉にもバスが出てるので、周回コースは取りやすくなっています。まあ、ウチはわりと近いので車回す方が良いです。やっぱ下山した時に車があると、ホントに下山した気分になれますよね。
目覚ましかけ忘れて少し寝坊。準備を急いだので、予定よりチョイ遅れの4時過ぎに家を出発です。扇沢に近付くと、ずいぶん手前から路肩に駐車あって嫌な予感です。予感は当たってしまい、無料駐車場は満車…かと思ったけど、軽の利を生かして狭いとこにねじ込みました。同じ時間でも先週や盆前は空いてたのに、今日はやたらと混んでます。何かあるのかなあ…?上の有料スペースもかなり停まってましたからね。
扇沢から針ノ木雪渓を登ります
だいぶ明るくなるのが遅くなってきました。ヘッドランプ無しで歩けるのは5時くらいかな。今日も作業道を利用です。登山道と比べてどれくらい早いかは微妙ですが、作業道の方が直線的で無駄なアップダウンはない…はずです。若干ヤブっぽいのが玉にきずですが、草ボーボーではありません。スキーをする人にとってはお馴染みの道です。
針ノ木雪渓とは名ばかりで、雪は全くもって残っていません。いつぞやの初冬なんて、11月初めでも下部の雪渓、ノドの雪渓ともに分厚く残ってましたもん。今年はとくに少ないようです。峠下の最終水場なんて、チョロチョロ流れてるだけでした。一応、連続して流れる水流でしたが、もしかこの先雨が降らなければ、水滴になってしまうかも?なので、水を汲む予定の人は、一つ下のレンゲ沢で汲んでおくべし!
天気の方ですが、朝は青空が見えてたものの、時間とともに薄い雲が空を覆うようになります。ただ、雲は高くて空気は澄んでます。爺ヶ岳への稜線が近くクッキリ見えていました。
針ノ木峠のテン場に到着です
扇沢から3時間15分で針ノ木峠。4年前は3時間25分。なんと早くなってます!というのも、この夏はわりと天気に恵まれて、毎週テント泊山行が続いたからじゃないかと思っています。やっぱり山に行くことが鍛錬になるんでしょう。こんなにテント泊山行が続いた年はないんじゃないかと思います。
針ノ木峠のテン場は2000円/1人で予約不要。予約不要でありがたい反面、どんだけ混むかが未知数。8時半の到着で既に10張りくらいあったのかなあ…?ウチのテントは大き目なので、テン場によってはピンチになる場合もありです。テント張り終わってのんびりするうちに、一番下のスペースは満杯となりました。30分遅かったら…やばかった?
針ノ木峠のテン場は、小屋に隣接するスペースと、針ノ木岳方面に少し登ったところにあるスペースがあります。なので、張れなくなることはまずないかな…。ただ、小屋から離れてるのがねぇ…。小屋にはあまり用事はないけど、トイレがないんですよね。もし上のスペースにトイレがあれば、ロケーションは抜群なので、一度泊まってみてもいいなあ…と思います。
ヒマなので針ノ木岳に行ってきます。針ノ木岳は山頂が素晴らしいのはもちろんだけど、道中のロケーションも好きなんですよね。展望が素晴らしくて、お花畑の雰囲気も良いです。花はさすがに咲いてるのはウメバチソウやリンドウくらい。枯れかけたアキノキリンソウもちらほら。花は少なくなったけど、花弁が落ちてドライフラワーのようになったやつがたくさんありました。
針ノ木岳山頂で1時間半近くのんびりしました
針ノ木岳山頂はまずまずの賑わい。針ノ木岳と言えば黒部湖を見下ろす景色。黒部湖を見るや否や、『水少な!』と声が出ました。水と陸の境目の縁取りがいい感じなのですが、今日はその縁取りが極太でした。黒部湖も水が少ないようです。観光船のガルベもこれ以上水量が減るとピンチだそうな。桟橋の下限を越えるんだろか?
天気は相変わらず高曇り。日射が少ないせいか、山にかかってくる雲はほとんどないです。欲を言えば、せめて空の半分くらいが青空で、日が当たってくれればうれしいです。山頂で景色を眺めつつ、ビール飲みつつ、ツマミをつまみつつ、極楽なひと時でありました。気が付けば1時間20分。時間は持て余してるので、急いで下りる必要もないんですが、まあまあボチボチテン場に戻ると致しましょう。
テン場でのんびりと午後の時間を過ごしました
上のテン場にも数張り。下のテン場が気になります。下りてみますと、やっぱりほぼ満杯。まだお昼なので、これからも増えるでしょう。ここに張るか!ってとこにも張ってる人がいました。
そうそう、外トイレ、2つあったのが1つになっていました。取り壊されたトイレは板でふたがしてありました。トイレ1つはなかなか厳しいもんがあります。ウンコが長引くと行列が伸びるので、プレッシャーです。
我が家に戻って、ゆったりと午後の時間を過ごします。テン場は混み混みだけど、テントの前に少しスペースがあるのがありがたい。椅子を出してくつろぎます。山頂のビールが1次会とすると、これから2次会です。2次会はビールにつまみに日本酒に。しばらくは日が照ると暑くて暑くて大変。日が傾くにつれて肌寒くなっていきました。寝不足だったにもかかわらず、寝つきが悪く、夜中に何度も目が覚めました。
2日目 針ノ木峠~蓮華岳~北葛岳~七倉岳~七倉
4時に目覚ましをセットしてましたが、鳴る前に目が覚めてました。というか、全然熟睡できませんでした。テントではよく寝れることが多いけど、今回はダメでした。最近はみなさま朝早いですから。物音や灯りで目が覚めてしまいます。4時に起きた時点で既に少なくない数のテントが撤収されていました。張ってあるテントの人も、針ノ木岳か蓮華岳に行ってる人も多そうです。ウチらはテント背負っての出発なので、朝メシ食って明るくなるのを待っての出発です。
針ノ木峠から蓮華岳に登ります
針ノ木峠の立地は東に蓮華岳、西に針ノ木岳。北と南に開けています。これから東の蓮華岳に登ります。太陽に向かって登っていく格好です。はじめのうちは蓮華岳本体の影になるので、しばらくは日陰の中。蓮華岳の山頂部の一角に出ると、たおやかな山容となります。同時に太陽も出てきました。モロ逆光であります。太陽に向かって歩くのは眩しいし、景色もよく見えません。あんまり好きな状況ではないのですが、今日は下界が雲海になってて、その雲海に上空の雲の影が照らされて、とっても幻想的な雰囲気でした。
針ノ木岳と蓮華岳は針ノ木峠を挟んで西と東にあります。お隣の山なのですが、針ノ木岳に比べて蓮華岳は里にグッと近付きます。安曇野の眺めがとても良いです。里から見てても蓮華岳は大きくて存在感がありますからね。針ノ木岳は角度が良くないと見えない山です。
蓮華岳山頂です
蓮華岳山頂です。安曇野を見下ろす景色が素晴らしい!お隣の針ノ木岳、その向こうの立山&剱岳ももちろん素晴らしいです。でも、蓮華岳の山頂に来ると、やっぱ下界の広がる景色に目が行きがちです。実際、山頂の東端に座って休憩しました。山頂には10人くらいいたのかなあ…?ほとんどが針ノ木峠に戻る人でしょう。北葛岳に向かう人は極極少数派と思われます。
蓮華の大下りは標高差500mの激下り
居心地のよい山頂で、いつまででも休んでられそうでした。でもでも先は長い。のんびりしたい気分にムチを打って出発。蓮華岳から北葛のコルまで約500mの下りです。はじめはガラガラの堆積したジグザグ下り。安定した足場がないので、テント装備の重荷には厳しい道。勢いが付いてしまったら止まらないです。
中盤は険し目な尾根道。上部は穏やかな蓮華岳ですが、中腹から下は切り立ってて険しいです。後半は北葛乗越までの一気下り。荷が軽いければどうってことないけど、重いのでてこずります。とくに最後の方は垂直に近い岩場で、なかなかにスリリングでした。
下り始めてしばらくは良いお天気だったのが、だんだんと雲が増えてきて、まずは蓮華岳、そして北葛岳にも雲がかかるようになってきてしまいました。今日は雲が湧いてくるのが早いです。昨日は青空の少ない高曇りだったけど、山にかかる雲は一日中ありませんでした。今日はまだ8時にもならないのに、山を隠す雲が…。
北葛乗越から北葛岳へ
北葛乗越で休憩します。次の登りに備えて休憩ってより、500mの激下りで疲れたので休憩って感じです。北葛乗越には1張り分の闇テン場あり。明瞭なテン場なので、使用頻度は高いと思われます。船窪と針ノ木峠の間ということで、需要があるでしょう。ひと昔前は北アルプスでも稜線上に闇テン場があちこちにあったような記憶。最近は肌感覚ではありますが、少なくなった気がします。今の登山者は真面目は人が多いからかな?久しく行ってないけど、この近くでは不動岳が闇テン場のメッカ。南側の開けた方のピークにはテント張った跡がたくさんありました。烏帽子と船窪の間も長いですからね。不動岳のテン場はロケーションも素晴らしいですし。泊まってみたい気持ちはあるけど、水を背負わないといけないのがハードル高い。
北葛岳に登る頃にはすっかりガスガス。気分は盛り下がります。登ってる途中、振り向いた時、何やら動く物が…。ウサギでした。山スキーでは見る頻度高いウサギですが、夏山でちゃんと見たのは今回が初めてかも?10mくらい離れてたウサギが足元まで近寄ってきたんです!その様子を動画に撮ったはずだったのに、撮れていませんでした。帰ってから動画をチェックして、撮れてないことがわかって、めっちゃショックでした。落ち着いて撮ってれば、rec状態を確認できただろうに…。朝早いのに山に雲がかかってきたショックより、動画が撮れてなかったショックの方が数倍大きかったです。
北葛岳山頂です
ガスガスの北葛岳に到着です。山頂標識は無残にも倒れ、北葛岳の扱いの悪さを感じました。まあ、北アルプスの中でもかなり秘境な場所ですからね。展望は半ば諦めていましたが、ふと雲が疎らになり、雲の隙間から槍ヶ岳が見えました。西には恐らく越中沢岳かなと思われる山も見えました。ごく一部しか見えないので、どこの山なのかわかりません。まるで『アタック25』の最後のクイズを見てるようでした。
北葛岳から七倉岳へ
北葛岳から七倉岳へは、蓮華岳から北葛岳より優しい感じです。蓮華岳から北葛岳は、500m以上下って300m近く登ったのに対し、北葛岳から七倉岳は200mちょい下って200m弱登る。天気は相変わらずなのですが、時々五色ヶ原の方が見えます。雲があるのは信州側に面してる山だけなんだろうなあ…。さっきは槍ヶ岳も見えてましたし。
七倉岳山頂です
七倉岳には北葛岳で一緒だった人が1名いたのみ。静かなもんです。ちなみに、蓮華岳から七倉岳で出会った人は、2人に追い越されて、1人を追い越し、1人とすれ違ったのみでした。さすが北アきってのマイナー山域です。七倉岳では雲に覆われっぱなしで、一度も景色っぽいものを見れませんでした。残念…。
長くて急な七倉尾根で下山
さて、ここからの下山がまた試練であります。2500mの七倉岳から1060mの七倉まで下らないといけません。登山口の1060mが低いわなあ…。船窪小屋の先にあるお花畑から天狗の庭までは、景色もよくて快適。天狗の庭からは高瀬ダムと七倉ダムの両方が見えました。
天狗の庭からは急降下。根っこが入り混じった足場の悪い急下りです。荷物が重いと体力消耗します。2時間半くらいで下れるかと思いきや、3時間ちょっとかかってしまいました。針ノ木峠からテント装備背負って縦走して、それで最後にこの下りですからね。仕方あるまい。沢音がし始めてからが長かった。
今回も自宅から数十分のところなので、下山後温泉はナシ。下山後ラーメンも中休みの時間なのでナシ。そのまんま家に戻って片付け等、諸々。下界は暑いのでしんどい。いったいいつまでこの暑さは続くんだろうか…?四季の中で一番好きな秋がどんどん短くなっていく。
コメント