白馬大雪渓 丸山と杓子岳のコル 2023/5/13

大雪渓から杓子岳と丸山のコルまで登って滑ってきました。雪が少ないのは覚悟の上。最悪は白馬尻まで雪はつながらないかなと想像してたけど、その通りになりました。大雪渓の雪の量は問題ないのですが、凸凹多くてまともに滑れず。まあ、これも想定内。地雷は多めでした。稜線からしばらくの、見た目きれいな斜面が想像よりも良くなくて残念な感じでした。ま、午前中限定の晴れを有効に使えたことに意義を見出そう!

  • 日程: 2023年5月13日(土)
  • 天気: 晴れのちくもり
  • メンバー: ひとり
  • 温泉: なし
  • 食事: なし
  • 登山口情報: 猿倉駐車場はガラガラでした 例年は満車近くなることもある
コースタイム
  • 猿倉駐車場(5:35)
  • 大雪渓末端(6:35~45)
  • 石室付近(8:45)
  • 丸山杓子の最低鞍部(9:45~10:15)
  • 大雪渓末端(10:35~45)
  • 猿倉駐車場(11:25)

土日とも雨マークの付く週末でしたが、土曜は午前中もちそうな予報。行き先候補はもう少なく、乗鞍か猿倉。午前中限定でバスを使うのもアレなので乗鞍はボツ。猿倉が残りますが、鑓温泉方面は時間足りないし、小日向の登り返しがなあ…。天気下り坂と競争なら、登り返しナシがいい。ってことで、大雪渓となるわけですが、今日は欲張らずに最短で稜線に出ることにしよう。杓子岳と丸山の最低鞍部を目指すことに。頂上宿舎の方より150mほど低くて近いですからね。

土曜日というのに猿倉の駐車場はガラガラ

4時過ぎにウチを出て、1時間ちょっとで猿倉。なんと先客は6台のみ。いつもの年なら、ほぼ満車になる時もあるのに…。周囲には雪の欠片もありません。なので、駐車場内の小川もなし。帰りに靴や板が洗えんなあ…。天気は今のところ大丈夫。山はしっかり見えています。

猿倉駐車場 5時半でこれ

白馬尻までスキーを背負っての歩きとなりました

最悪は白馬尻までスキーを背負う覚悟で歩きはじめます。雪の多い年なら駐車場からスキーでスタートなのに。往きが歩きになるのはガマンできるけど、やっぱ帰りに滑れないのは気分的にも体力的にも時間的にも損だよなあ…。林道の間、雪の上を歩いたのはごくごく一部のみ。登山道になってからも雪道と地道が半々くらい。とてもスキー使える状態じゃないです。で、結局のところ白馬尻まで。

鑓温泉分岐 新緑は美しいが雪がない
当分スキーは使えなさそう
長走沢を渡るところ
長走沢の上部 わりと雪があるように見える
金山沢出合 一応対岸に渡れます
林道終点
追上沢かな 登山道になっても雪はつながりません
大雪渓の末端 結局はここまでスキー背負った

前後にほとんど人のいない大雪渓

大雪渓の下半分を望むことができますが、なんと!前方に人の姿を見ることができません。例年だと点々と登山者やスキーヤーがつながってるのに。抜きつ抜かれつが刺激になるのに、今日は目標物がなくてつまらん。大雪渓はスケール大き過ぎて景色が変わらない。しばらく距離を置いて下から1名。次に人を見たのは石室の急斜面を下る2名とそのあと1名。登りの時に出会ったのはこれだけ。

雪は程よく緩んでて、石室の急斜面もわりと楽にスキーで登れました。ただ、最後の最後のところでシールの後ろ側が剥がれはじめてきた。中間とかだとヤバかった。シールは張り流しにしてますが、端っこの粘着が悪いので、少し切り詰めないといけないなあ…。何度か切り詰めてて、だんだんと短くなっていってます。

なんと!見える範囲に人はいない
白馬沢出合 出合の雪がこんなに少ないとは…
この時点でも前方に人はいなかった 後ろに1名ほど
杓子岳が見えてくると景観がよくなる
こんなに人が少ない大雪渓は初めてかも?
石室の急斜面を下りてきている2名様あり

最短で稜線に立てる杓子岳と丸山のコルを目指します

急斜面を登り切って正面に見えてる鞍部が目指すところ。あと標高差で200mくらいなんですけど、なんか最後は疲れたなあ…。そういえば最近は短くて緩い山ばっかりだったしなあ。スピードも持久力も衰えを感じる今日この頃であります。最後、稜線に上がるところは急で、板で踏みつけても安定してくれません。ずり落ちると止まらないだろうなあ…。と、そこにツボ足トレース。板はずすのに苦労したけど、最後の10mほどはそのトレースを利用です。

石室の急斜面を登り切り、正面の最低鞍部を目指します
杓子岳 この面はいつも雪付きが悪い気がする 北面なのに
もうひと頑張りです
ここらへんは滑るの楽しみだな~

稜線で休んでいるうちにお天気下り坂に

なんとか晴れてるうちに稜線に立てました。登ってるうちに稜線ガスってきたら下りるつもりにしてました。稜線に出ると楽しみなのが反対側の景色。登山道に出てみたところ、見えたのは毛勝三山だけでした。右も左も小尾根が張り出してて展望が狭かった。おまけに西の空は湿っぽくなっていたりで、ちょっとガッカリでした。

稜線に出た時は雲はほとんどなかったけど、休んでいるうちにみるみる雲が増殖。一気に悪化するんじゃないかと…。のんびりするつもりでしたが、急いで下りる準備。雲が増殖する様子が動画に載ってますので、よろしければご覧下さいませ。

白馬岳 稜線に到着です
稜線に出ると反対側の景色が楽しみですが、展望は狭くて毛勝三山しか見えなかった
白馬山荘が見えてます あちらの稜線の方が150mほど高い
長い長い大雪渓
杓子岳 久しく行ってないなあ…

お世辞にも快適とは言えない滑りでした

稜線を少し滑って最低コルへ。登ってきたラインに沿うように滑るつもりだったけど、いざ上から見てみると、もう少し北側からの斜面の方が気持ちよさそうに見えた。気持ちよさそうに見えたんですが、細かい凸凹とやや硬い雪、斜度も結構あるのでテレマークでは押さえが効かず…。ターンするというよりか、ただ下りるだけ~って感じになっちゃいました。唯一のまともに滑れそうな斜面だったのに…。

石室のある急斜面は、前回は気持ちよく滑れたけど、今回は凸凹多めで快適に滑れず。下から2名様が登ってきてたので、滑るスペースが限られたのも痛い。大雪渓中間部は凸凹に加え地雷も多数。ま、このあたりは大雪渓の平常運転的な感じかな。沢身を滑っても不快なだけ。右岸を延々トラバースする跡があったので、それに倣いました。凸凹滑るのも太ももやられるけど、ずっとトラバースするのも太ももやられる。ほとんど楽しく滑れる場面がなく、長い長い大雪渓でありました。

大雪渓末端からは板を背負うことになります。重さが増す苦痛はありますが、凸凹を滑ってるより体力的には楽に感じましたね。まあ、滑って猿倉まで下りれることが一番ですが、最後の歩きはあまり苦になりませんでした。天気が崩れる前に下りてこれました。1時間後くらいには降り出したかもです。午前中限定の晴れ間を有効活用できたかな~


手持ちのガイド本を紹介します

山スキーを始めた頃は情報源といえば山雑誌の記事とガイド本のみ。今のご時世はネットに情報が腐るほどあって、情報を集めるというより選別するという感じ。ネットのレポは個人差大きく主観が入ってて難しいところがありますね。その点ガイド本はレベル的に安定してます。行き先はガイド本で探して、足りない情報をネットで補う…が理想的なのかなと思ってます。

山スキールート212

『212』というだけあって盛りだくさんの内容。定番ルートからマニアックなルートまで品揃え豊富です。値段が2980円と高いけど、内容からすれば安いくらいかも。コレ1冊持ってればOK!って感じですかね。地形図にラインが入ってるので、概念図から地形図に変換する作業も不要です。ちょっと至れり尽くせり過ぎじゃないって感じ。

山スキー百山

隣の山スキールート212とボリュームも見た目も似てますが、こちらは山スキーアルピニズム研究会の著。ちなみに、こっちの方が早くに世に出てます。中身はだいぶ違ってて、かなりマニアック。一般人には行けないルートも多いです。『百名山』ではなく『百山』ってことです。

山スキー百山2

山スキー百山の第2弾です。山スキーアピニズム研究会の著、記録集をよりガイド本化したような感じか。見やすい地形図に落とし込まれており、利用価値が高いです。ただ、レベルの高い人が多いので、自分の力量と合致してるか見極めるのも重要。


東北の山スキー特選ガイド

特選ガイドというだけあって、東北の主なところが網羅されています。オールカラーで解説が丁寧です。東北に住んでる人や、東北への出没頻度が高い人は必携のガイド本かなと思います。

東北山スキー100コース―滑走記とデータ

東北の山スキー本というと、以前はこれでした。しかし、如何せん時代遅れ感が否めなくなってきました。地形は変わらなくても、流行、アプローチ、植生、雪の量などは変わっていきますから。

ハイグレード山スキー―最新ルート集

月刊誌『岳人』では初冬に山スキーの特集が組まれていました。その特集の数年分を集めて一冊のガイド本になったのがこの本。2007年発刊ですが、しばらくは大変お世話になった一冊です。


日本バックカントリー・オール 50エリア170ルート (パウダーガイド12)

ここまで紹介したガイド本はどちらかというと登山系の出版社のもの。この本はパウダーガイドなので、基本的に滑り系の人向け。本の名も『バックカントリー』ですからね。GPSデータも付いてたり。

リフトで登る日帰り山スキー特選ガイド

『リフトで登る』に特化したガイド本。しかも日帰り。2004年発刊。当時は概念図が当たり前だったけど、この本は地形図にルートが引いてあります。かなり大雑把だけど。

山スキールート図集1’〈01~’02〉

2昔前の山スキーのバイブル本。この本も古いので時代遅れ感はありますが、シーズン初めにひと通り目を通すのも良いのかなと。概念図+点線&波線の懐かしい表記です。


山スキールートガイド105

ガイド本というよりも、著者である酒井さんの記録集的な本。エリアは北陸中心で掲載ルートも特殊です。山スキーを始めて最初に買うガイド本でないことだけは確か。ルート図も概念図にラインが引かれた昔ながらの手法です。概念図から地形図に落とし込む作業が必要です。上級者向けの本だと思います。

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