沢登りには大きく『登攀系』と『旅系』があります。もともと登攀系は苦手で、水に浸かるのは好きじゃないので泳ぎ系もダメ。それでも若い頃は角度のある沢も登ったりしました。でも、もう身体の劣化が激しくくて、角度の緩い沢以外は厳しくなってしまいましたね。やっぱ膝が悪くなったのが大きい。曲げ伸ばしが辛い…。
ネガティブな入りになってしまいました。まあ、そんな感じの今日この頃、角度はかなり緩めの『薬師沢左俣』に行ってきました。序盤のゴーロは平凡だが悪くはなく、中流部には滝が連続します。滝場を抜けると薬師沢左俣の真骨頂であります、超が付くほどのどかな源流部。北アルプス奥地のお花畑の中を悠々と小川が流れるロケーションは、他にライバルが思いつかないくらい素晴らしいです。難点はアプローチ&下山が長いことに尽きます。
- 日程: 2023年7月22日(土)~23日(日)
- 天気: 1日目 晴れのちくもり 2日目 晴れ時々曇り
- メンバー: こーちゃん、きょーちゃん、T世
- 温泉: ひらゆの森
- 食事: 壱 松本市ラーメン
- 登山口情報: 登山口はすぐ満車になるけど回転も速い
1日目
- 折立登山口(7:45)
- 太郎平小屋(11:30~55)
- 薬師沢左俣出合(12:50)
- テン場(13:10)
2日目
- テン場(6:35)
- 源流部大休止(9:50~10:30)
- 赤木岳-北ノ俣岳コル(11:45~50)
- 北ノ俣岳(12:10~30)
- 太郎平小屋(13:40~14:05)
- 折立登山口(16:25)
第一の関門は折立駐車場
波田の役場で4時にきょーちゃんと合流。山吹峠経由で飛越トンネル。有峰林道のゲートは朝6時に開きます。6時チョイ過ぎに通過しました。飛越トンネル側はそうでもないと思うけど、亀谷温泉側はすごい行列だったみたい。富山側からのアプローチのこうちゃんは、開門時間からゲートを通過するのに数十分かかったとか。料金所渋滞ですな。で、既に登山口に近い駐車場は満車で、臨時のしかも奥の方に停めることに。飛越側からだと距離があるので、一番に並んだとしても正規の駐車場には停められないかもです…。登山口はどこもかしこも激戦ですな。。。
アプローチが長いのも薬師沢左俣の・・・
折立から太郎平まで標高差約1000m。前半はコンスタントに高度を稼ぎますが、三角点を過ぎてからは尾根の傾斜が緩く、しかも登り下りを交えます。傾斜は緩くて足が楽なのですが、目的地がはるか遠くに見えるのは精神的にキツイところ。天気の方は、出発時は晴れ間が多かったけど、三角点に出て開ける頃には雲が増えました。涼しくてありがたいけど、雨は降らんといてもらいたい。三角点あたりから上のキンコウカの群落がすごかったです。斜面が真っ黄色!
三角点のベンチは空きがないくらいに混雑してました。太郎平小屋前の広場はわりと閑散としてます。みんな薬師峠に行ったか?テント装備っぽいザックの人が多かった。薬師峠のテント場争奪戦も激しそうです。今のご時世、テント場と駐車場の確保が一番の核心です。
1時間少々の下りで薬師沢の流れに
薬師沢小屋方面に進みます。一気に下って最初の渡渉点が太郎沢。太郎沢は昔登ったことあります。短いけどそれなりに小滝が連続して楽しめます。3つ目の渡渉点が薬師沢左俣です。左俣を少し歩いたところにあるキャンプ適地が今夜の宿泊地。一瞬雨が降ったくらいで、あとは快適に過ごせました。
2日目 薬師沢左俣遡行
翌朝は4時過ぎ起床。普段が4時起きなので、自然に目が覚めてしまいます。でもまだ暗いから無理矢理寝たりします。普段はダラダラと過ごす朝、今日もダラダラですが、いつもよりダラダラ度は低い。7時前には出発です。行程が長いので早めに動くが吉とは思ってました。最近は体力落ちたので、どこかで失速するだろうな…と。
前半は平凡だけど明るいゴーロ帯
薬師沢は薬師沢小屋のところで黒部川と分かれます。途中で左俣、中俣、右俣の3つに分かれます。今日は左俣。今日はというか、今回も。これで3度目。右俣は登ったことなくて、中俣は太郎沢を一度。複数回登るには訳がありまして、それはやっぱり沢がキレイだから。前半こそ平凡なゴーロ歩きが続きますが、渓相は明るくて水がキレイなので気持ちよく歩くことができます。
中流部は連瀑帯
中流部は滝が連続します。わりと大き目の滝もあって、登れない滝の方が多いです。高巻きはわりと容易。このあたりは南から北に向けて流れてます。太陽は東からなので、沢の彫りが深いところでは、日が射しこみません。でも、秋に来た時に比べると太陽が高いので、それを考えるとまあまあな日当たり具合いかなと。
上流部はお花畑の中を流れる癒し渓
滝場を抜けると一気に源流の装い。両岸が緩くなり、前方が開けてきます。やがて両岸がお花畑に。そのお花畑の中を悠々と小川が流れています。ちょうど流れが南から西に向きを変えるところで大休止とします。天気は晴れで雲も適度に出てていい感じ。とにかく空も景色も広大です!
2013年のお盆にも薬師沢左俣に行ってます。その時の写真を見ると、今(7/23)よりも少しですが雪が多く残っていました。あと目立つところではコバイケイソウ。2013年はコバイケイソウの当たり年でした。黒部五郎のカール壁の斜面が、コバイケイソウでクリーム色に染まっていました。あれは圧巻だったなあ…。今年のコバイケイソウはチラリホラリと咲く程度でした。
詰めも藪漕ぎ皆無で快適
大休止で尻に根が生えそうでしたが、進まないと帰れませんので重い腰を上げます。小川は続くよどこまでも~♪だいぶ歩いたところで1:1の二俣。二俣といっても直進と左折という感じ。赤木岳と北ノ俣岳のコルを目指すなら左折。直進すると北ノ俣岳の山頂近くに詰め上がります。まあ、どこに詰め上がってもいいんですが、体力に不安がある場合は最低鞍部を目指すのが得策であります。
※ あとでヤマレコのみんなの足跡を見てみたところ、最初の二俣を左に進んだログはなかったですねぇ。まあ、あくまでもヤマレコの記録ですけど。みなさん北ノ俣岳の山頂近くに詰め上げてます。詰めは個人的な志向があるのでなんとも言えないところ。自分としては、詰めは楽に緩く最短で…がまあポリシーってほどでもないけど、無意識にそう描いている…かな?二俣といっても直進と左折なので、直進方向に行きがちかなあとは思います。
次の二俣を右、あとは道なりに。水流が乏しくなったところで水汲み&沢装備解除。水はなくなっても浅い沢形は続き、登山道並みに歩きやすい。詰めは藪漕ぎ皆無ですな。沢形がなくなると全面お花畑になってしまい、薄い踏み跡や石を辿りながら詰めていきました。そして、狙い通りに赤木岳と北ノ俣岳のコルに詰め上げて、薬師沢左俣は終了であります。
終了点から太郎平までは北アルプスの稜線歩き
北ノ俣岳まで100mの登り。ここはたいしてしんどくなかった。北ノ俣岳の山頂でゆっくり休憩しました。空の方はだいぶ雲が多くなってきました。沢を遡行してる間は晴れベースでした。稜線歩きも晴れてくれるにこしたことはないが、雲ってると涼しくていいという気持ちもあり。北ノ俣岳の山頂から太郎平の間は、前半はお花畑鑑賞しながらで気持ちよく歩けます。後半はアップダウンもあり、お花畑もなくなってきて忍耐の区間。
太郎平から折立までが気持ち的に長い
さらに忍耐なのが太郎平から折立への下り。一気に下ってくれると身も心も楽なのですが、なにしろダラダラでなかなか高度を下げてくれません。ずっと遠くの方まで見えてるし。三角点から先はコンスタントに下っていくのでストレスはなくなりました。
折立に下りて、荷物を置いて車を取りにいこうと思ったら、茂みに熊の姿が!荷物を強奪されてはいけないので、荷物を背負って全員で臨時駐車場まで歩きます。数年前に話題になった折立の熊ですが、その熊と同一なのか、血を引く熊なのか、はたまた別熊なのか…?気になるところであります。至近のキャンプ場にはテントが数張りありました。大丈夫かなあ?
下山後の温泉とラーメン
折立からの帰りは、しばらくの間、コンビニも温泉もありません。だいぶだいぶ走って、温泉はひらゆの森へ。駐車場は結構混んでたけど、風呂のキャパは大きいのでゆったりと入れました。折立から最初のコンビニが松本市というのも笑えます。とくに寄ってはいませんが。下山後ラーメン難民になりそうでしたが、新村のローソン併設の『壱』というラーメン屋さんにあり付けました。とんこつ醤油というのは一般的にコテコテしてるんだろうか…?
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