乗鞍岳スキー登山 2024/1/5

乗鞍岳で山スキーしてきました。感じとしては『スキー登山』かな。今年の冬は雪が少なく、標高の高い乗鞍あたりでも見るも無残な状況です。年が明けたにもかかわらず、クワッドリフトとやまびこリフトが営業できてないんですから。従いまして、乗鞍登山にリフトは利用できません。休暇村から歩いて登ることになったのでした。

雪はすくないのですが、今日は一日中よい天気でした。ただ、風が強くて肩の小屋ではブリザードが吹き荒れてました。今日は白馬のゴンドラも止まってたようです。この風の影響で風下には細かく砕かれた雪が積もり、テレマークには受難の雪でした。まあ、天気が一番!晴れてくれたので満足です。

  • 日程: 2024年1月5日(金)
  • 天気: 晴れ(爆風)
  • メンバー: ひとり
  • 温泉: なし
  • 食事: なし
  • 登山口情報: スキー場の上に行くリフトが営業してないので休暇村から
  • 休暇村(7:15)
  • かもしかゲレンデ上(8:25)
  • 位ヶ原下(9:20)
  • 肩ノ小屋(10:50)
  • 富士見沢滑り出し(11:50)
  • 位ヶ原下山荘近くの車道(12:00~15)
  • 位ヶ原下急斜面の上(12:45~50)
  • かもしかゲレンデ上(13:10)
  • 休暇村(13:30)

乗鞍スキー場は下のリフトしか営業してないとのこと…

平日休み。どこに行こうか考えるもなにも、行ける場所がごくわずか。まともに滑れるとこは白馬のゴンドラ使うエリアくらい?乗鞍もなんとかなるんか?年末には栂池に行ったので、偵察がてら乗鞍にしました。安近短ということで。短ではないけど、まあお手軽ということで。

この時点では上にいくリフトがやってないことは知りませんでした。当然動いてるもんと思ってました。それでも前日の夜にホームページ見てみたところ、下しか営業してないことが発覚したのでした。休暇村から登るんかいな…。しんどいなあ。でも、これといった転進先はない。なすすべなくは大げさだけど、予定通り乗鞍へ。

普段より1時間早く出て、7時に休暇村の向かいの駐車場着。こんな状態でも登る人はそこそこいます。割合的には登山者が大半。通常(上までリフト)ならもっとスキーの割合が多いと思います。スキーヤーは下からわざわざ登るんだったら、他を探すでしょうな~。

スキー場の上に行くリフトが営業してないので休暇村の駐車場から登り始めます

今年は営業してない休暇村ゲレンデを登ります

雪は少ないけど、前日降った10センチが物を言います。スタートからスキーで歩けました。新雪なければ厳しかったかも?休暇村ゲレンデの最下部は草ボーボー。登りはいいけど、滑っては下りれんだろうな。2段目からは何とか滑れる程度に雪は付いてきました。朝の営業してないゲレンデ登るのも悪くはないなあ…とか思いつつ登ってました。ウォーミングアップにもちょうどいいし。とかいって、ゲレンデ終わってもツアーコース。ここもウォーミングアップみないなもんか…。

1時間ちょいでかもしかゲレンデ上へ。本来のスタート地点です。リフトの始まりが早くはないので、早く登りたい時とか、休暇村から登るのも悪くないと思いました。もちろん早く登りたい時以外はリフト使います。

営業してない休暇村ゲレンデは雪はつながってるけど草がボーボー
今滑ると気持ちいいだろうなあ
かもしかゲレンデ

ツアーコースの雪は登る分には十分な量

ゲレンデの上あたりの雪も薄め。でも、ツアーコース入り口の急斜面は割としっかり雪が着いていました。ツアーコースも登る分には問題なし。滑るのはブッシュが少し邪魔かな~な程度。まだ小沢が埋まってないので、調子に乗って突っ込むとハマるかも。深い針葉樹に囲まれたツアーコースでも、時おりビュービューと風が吹いてきてました。稜線あたりはかなり雪煙舞ってます。上は風強そう。位ヶ原下の急斜面はまだ灌木が埋まってなくて、滑るぶんには邪魔に感じそうです。

ここが本来のスタート地点
切り開き付近で10センチ程度の新雪
位ヶ原への急斜面もまだヤブがお元気
これが埋まってくれないと

位ヶ原は雪不足で景観いま一つ

位ヶ原に出ますと、やっぱり風が強いです。位ヶ原の風が強いのは平常運転。でも、結構強いです。風は通常ですが、景観的には異常。位ヶ原はもともと風が強くて雪付きが悪いけど、今日は普段は隠れてるハイマツとかも露出しいます。いつも感動する景観なのですが、今年はモジャモジャ感があってキレイじゃないです。もう少し降ってもらいたいところであります。

位ヶ原に出たけど白さが足りない

公衆トイレの陰は強風から逃れる人で賑わっていました

登るにつれ風の強さが増してきます。公衆便所の陰でみなさん風を避けてて、まるでオアシスのようでした。これ以上登っても楽しくないしなー。屋根板か富士見沢の途中から滑ろうかとも考えましたが、今日は一人だし天気もいいので肩の小屋までは登ることにします。

公衆トイレのところ

肩ノ小屋に近付くにつれ雪煙交じりの爆風に

登り出したはいいが、向かい風と巻き上げられた雪煙が襲ってきます。ヤッケのフードをしっかりしておかないと厳しい状態でした。気温が高め(多分)なのは助かりました。雪面は硬いシュカブラでシールは効きづらい上に向かい風が強くて大変でした。

剣ヶ峰 こちらには登らない
肩ノ小屋に向かいます
小屋に近付くほどに爆風
コロナ観測所
天気はいいんだけど、とにかく風が強い

今日は肩ノ小屋までが限界

肩の小屋の陰に入ると、多少は風がしのげました。さて、どうするべか。山頂はもともと行く気はなく、あわよくば稜線の反対側にある池や畳平あたりを観光するつもりでした。しかし、この風ではなあ…。とりあえず、肩の小屋からの車道を畳平の方に向かってみます。しかし、しばらくで道路は雪壁となって無理。引き返します。肩の小屋まで滑って、車道をトラバース。富士見沢の途中から滑りこむことにしました。

同上
車道を畳平方面に進んでみますが、しばらくで崖に
肩ノ小屋に戻って少し滑ります

富士見沢の途中から滑りました

富士見沢の上部は急でアレですが、車道から入ると程よい斜度から滑り出せます。しかししかし、強風で砕かれた密度の高い雪が溜まってます。上の方は硬く、途中から緩みますが逆にモナカ化しており、これまたテレマークには受難の雪質。テレマークしようとするも外足が弾かれて厳しかったです。ほぼ降りるだけとなりました。下の方はダケカンバの灌木が埋まってなくて、かい潜りながら滑り降りてく感じでした。下の藪はまだ濃いけど、富士見沢、鶴ヶ沢など雪質さえよければ楽しめます。

位ヶ原山荘近くに滑り込みツアーコースへ

再びシールを装着。車道をたどって位ヶ原下の急斜面の上に出ます。車道の間は大半が日陰なので寒かった。急斜面はまともに滑れないので、だましだまし下っていくのみ。この急斜面、道路のすぐ下が破断面になってて、中間くらいの高さまで雪崩れてました。飛ばされてきた雪がスラブ化して雪崩れたんでしょうな~。ここは登りも滑りも場所を選ばねば。

ツアーコースは柔らかい雪が10センチくらい乗っかってて滑りやすかった。ただ、まだ地形出まくりでブッシュも多いです。下山するという意味ではノープロブレムです。最後のお楽しみはかもしかゲレンデ。朝一は良さそうでしたが、お昼を回った今はどうか?ちょっと劣化した感は否めませんでしたが、今日滑った中では一番マシな雪でした。

休暇村ゲレンデは中段まではなんとか滑れるけど、最後の斜面は草ボーボーで無理。板はずして歩きました。少しの距離です。最後にまた板履いて無事下山です。今日はまあ天気とか雪質とか極端。登山の部では晴れてくれたので満足。スキーの部はただの登りの道具になっただけでした。風はなかなか厳しかったです。

いつもの位ヶ原山荘近くの車道に下り着きました

手持ちのガイド本を紹介します

山スキーを始めた頃は情報源といえば山雑誌の記事とガイド本のみ。今のご時世はネットに情報が腐るほどあって、情報を集めるというより選別するという感じ。ネットのレポは個人差大きく主観が入ってて難しいところがありますね。その点ガイド本はレベル的に安定してます。行き先はガイド本で探して、足りない情報をネットで補う…が理想的なのかなと思ってます。

山スキールート212

『212』というだけあって盛りだくさんの内容。定番ルートからマニアックなルートまで品揃え豊富です。値段が2980円と高いけど、内容からすれば安いくらいかも。コレ1冊持ってればOK!って感じですかね。地形図にラインが入ってるので、概念図から地形図に変換する作業も不要です。ちょっと至れり尽くせり過ぎじゃないって感じ。

山スキー百山

隣の山スキールート212とボリュームも見た目も似てますが、こちらは山スキーアルピニズム研究会の著。ちなみに、こっちの方が早くに世に出てます。中身はだいぶ違ってて、かなりマニアック。一般人には行けないルートも多いです。『百名山』ではなく『百山』ってことです。

山スキー百山2

山スキー百山の第2弾です。山スキーアピニズム研究会の著、記録集をよりガイド本化したような感じか。見やすい地形図に落とし込まれており、利用価値が高いです。ただ、レベルの高い人が多いので、自分の力量と合致してるか見極めるのも重要。


東北の山スキー特選ガイド

特選ガイドというだけあって、東北の主なところが網羅されています。オールカラーで解説が丁寧です。東北に住んでる人や、東北への出没頻度が高い人は必携のガイド本かなと思います。

東北山スキー100コース―滑走記とデータ

東北の山スキー本というと、以前はこれでした。しかし、如何せん時代遅れ感が否めなくなってきました。地形は変わらなくても、流行、アプローチ、植生、雪の量などは変わっていきますから。

ハイグレード山スキー―最新ルート集

月刊誌『岳人』では初冬に山スキーの特集が組まれていました。その特集の数年分を集めて一冊のガイド本になったのがこの本。2007年発刊ですが、しばらくは大変お世話になった一冊です。


日本バックカントリー・オール 50エリア170ルート (パウダーガイド12)

ここまで紹介したガイド本はどちらかというと登山系の出版社のもの。この本はパウダーガイドなので、基本的に滑り系の人向け。本の名も『バックカントリー』ですからね。GPSデータも付いてたり。

リフトで登る日帰り山スキー特選ガイド

『リフトで登る』に特化したガイド本。しかも日帰り。2004年発刊。当時は概念図が当たり前だったけど、この本は地形図にルートが引いてあります。かなり大雑把だけど。

山スキールート図集1’〈01~’02〉

2昔前の山スキーのバイブル本。この本も古いので時代遅れ感はありますが、シーズン初めにひと通り目を通すのも良いのかなと。概念図+点線&波線の懐かしい表記です。


山スキールートガイド105

ガイド本というよりも、著者である酒井さんの記録集的な本。エリアは北陸中心で掲載ルートも特殊です。山スキーを始めて最初に買うガイド本でないことだけは確か。ルート図も概念図にラインが引かれた昔ながらの手法です。概念図から地形図に落とし込む作業が必要です。上級者向けの本だと思います。

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