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【鳥海山】万助道を登って長坂道を下る 2025/7/19

鳥海山のマイナールートへ。標高340mの山の神から万助道を登り、御浜小屋、笙ヶ岳を周り長坂道で下りました。海の日3連休というのに万助道、長坂道では誰にも会いませんでした。人は少ないと思ってたけど、まさか誰にも会わないとは…。ちなみにメインルートは賑わってました。鳥海山の下半分は長くうんざりするだけなので、五合目より上で楽しむのが正解のようです。

標高が低い上に暑さが加わり脱水気味に。はたまた熱中症?そのあたりはよくわかりません。水分はしっかり補給していたつもりだけどなあ…。なのに鳥海湖の登りでは足が出なくなり、少し歩いては立ち止まって息を整える…の繰り返し。登りじゃなければ普通に歩けたが、最後は身体全体の力が入らなくなりました。野垂れ死にする一歩手前だったかもです。原因は複合的なもんだと思うけど、悪い条件が重なったんでしょうな。

  • 日程: 2025年7月19日(土)
  • 天気: 晴れ時々くもり
  • メンバー: ひとり
  • 温泉: 八森温泉「ゆりんこ」 500円
  • 食事: ヨーグルト、ゼリー、牛乳
  • 登山口情報: 山ノ神は舗装された🅿 仮設トイレあり
コースタイム
  • 山ノ神登山口(5:30)
  • 万助道合流(6:25)
  • 万助小屋(7:35~45)
  • 仙人平(9:15~25)
  • 鳥海湖(9:55)
  • 御浜小屋(10:30~11:05)
  • 笙ヶ岳(11:50~12:15)
  • 万助分岐(14:00)
  • 山ノ神登山口(14:35)

海の日3連休は鳥海山3発を企てたのですが…

前の週には鉾立から鳥海湖周辺を歩きました。翌週にあたる海の日3連休はT世さん予定があって山には行けないので単独行動。どこに行こうかと考えるも、北アルプスとかえらいことでテント泊なんて無理だろうし、遠征するにも暑くて車中泊は厳しい。でも、標高高いとこなら泊まれるかな~。ということで、先週に引き続いて鳥海山に行くことにしました。

3連休あるので、登ったことない3ルートからを計画。ただ、百宅口コースは災害のため登山口まで行けなそうなのでパス。①万助小屋絡みのルート、②湯の台ルート、③矢島口コースの3つ。万助小屋絡みというのが、長坂道コース、万助道コース、二ノ滝コースの3つがあって、どれを登ってどれを下るか…?一ノ滝駐車場からが一番無難そうだったけど、通行止めとか情報あったので山ノ神からにしました。これは失敗だったかも?

山ノ神登山口はなんと先客ナシ

前夜は鉾立駐車場で寝てました。泊りの車も多かったです。概ね涼しく寝ることができました。4時ごろ起きます。どんどん車がやってきて、どんどん皆さん山に向かって出発していきます。そんな光景を横目に鉾立から下りて山ノ神へ。ちなみに4時過ぎで鉾立は上部の駐車場はほぼ満車。下段の登山者用駐車場はまだ空きありでした。

5時半前に山ノ神駐車場にやってきました。海の日だから誰か先に来てるだろうと思ってたけど、まさかの先客ナシ…。なんかイヤな予感…。久しぶりに熊鈴を付けて歩き始めます。高瀬峡への遊歩道を分けると、そこから蜘蛛の巣がえらいことに。完成された蜘蛛の巣がいくつも出てきます。蜘蛛の巣の真ん中には気持ち悪い蜘蛛が獲物がかかるのを待ち構えてます。木の枝を右手に持ち、常に枝をくるくる回しながら歩きます。蜘蛛が真ん中にいる完成形の蜘蛛の巣を破壊するのはイヤでした。そのうち木の枝に綿菓子ができるんじゃないかというくらいの蜘蛛の巣を壊しました。

この先ずっとこの調子だと気が狂いそうだなと思ってましたが、長坂道と万助道の分岐で蜘蛛の巣は激減します。わりと最近のうちに人が通ったってことかな。この分岐を右に進み、万助道の方へ。鳥海山麓は細い沢がいくつも流れており、トラバースすると何度も小沢を渡ります。いくつか沢を横切って登った分岐が万助道。

山ノ神の駐車場 海の日3連休なのに先客なし
鳥海山麓は小さな沢がいくつもある
万助道が分かれる十字路

万助道に乗っかります

万助道に入ると少し尾根っぽい道になりました。依然として蜘蛛の巣は少ないです。もう目の前で木の枝をくるくる回さなくても大丈夫。このあたりは3つの登山口があって、下の方は縦横無尽に山道があります。利用頻度の高い道と低い道があるんでしょうね。低い道が蜘蛛の巣地獄になるんでしょうけど、高い低いを見極めるのは難しそうです。

前日に関東甲信の梅雨が明けてます。東北も明けてるのかな?朝から天気がよいです。朝のうちはわりと涼しい印象だったけど、歩くと汗が尋常じゃないです。登山口が340mと低いですからね。常に手には玉のような汗がビッシリ。

万助道に乗ると尾根道になった

万助小屋

そんなところに水量豊富な沢が横切ります。地図を見ると渡ったところに万助小屋があるみたいなので、ここが万助小屋の水場のようです。これが最後の水場かな(実際は仙人平の先や鳥海湖の下で水流がある)と思い、多めに水分補給。持ってるペットボトルは満タンに。タオルを濡らし、沢の水を首にかけて冷やします。万助小屋は建物自体は古いけど、中はキレイにしてあって気持ちよく使えそうです。

沢を渡る ここが万助小屋の水場
沢からほどなく万助小屋
万助小屋は古いけどキレイにしてある

万助小屋から上は灌木帯でむさ苦しい

万助小屋までは樹林帯でしたが、この先から灌木帯になります。暑さは倍増ですね。直射日光はあるし、灌木の中に熱気がこもります。ヤブっぽい箇所も出てきたりで不快。足元はしっかり通っているので、歩くのに支障はないです。そんな中、急に開けた場所が出てきました。ここが『ドッタリ』のようです。ドッタリってどういう意味なのかな?

ドッタリにはお花畑があってチングルマとか咲いてました。そんな別天地は束の間で、すぐにまた丈の高い笹の中に登山道は入っていきます。ドッタリからもうひと登りしないと仙人平には出ないようです。この頃から脚が疲れ、息切れが激しくなってきました。どうも本調子ではないですね。脱水気味になってきたか…?

万助小屋から先は灌木帯となり蒸し暑くなる
『ドッタリ』と呼ばれる湿原
笙ヶ岳が見えてきた 帰りはあの尾根を下ることになる

仙人平で広大な草原に出ました

仙人平に出ました。広大な景色が広がります。右手に広がってる草原は千畳ヶ原かな。その先に月山森が見えてます。鍋森や扇子森も見えてますね。千畳ヶ原とか歩いてると、ずっと下まで草原が続いてるイメージでしたが、そうでないことが今回歩いてわかりました。山ノ神から登ると、4時間近く歩いて初めて開けた草原になるのです。それまでの4時間弱は長くてしんどいだけ。まあ、森の中を歩くことが好きな人は、下の方から楽しめるのかもしれませんが…鳥海でそれをしなくてもね…。鳥海山は五合目くらいから登って、いいとこだけを歩くのが正しい遊び方(個人的な)と思ったのでした。※スキーは別

仙人平 鳥海山の山頂部が見えている
登ってきた方
左の灌木の中に登山道はあるけど面倒なので沢の中を歩く

鳥海湖への登りが最後の試練

仙人平の先、蛇石流分岐というところで河原宿方面からの道と合流します。仙人平を歩いてる時から見えてましたが、千畳ヶ原を歩く人は少ないようです。海の日3連休でも少ないんですね…。湯の台からのルートは多分混んでるし、行ったことないけど祓川からのコースも人気があると思われます。鉾立を含めたこの3つが鳥海山のメインルートってことになるんでしょうな。それ以外は閑古鳥。

仙人平やそのあとしばらくは傾斜が緩くて疲労は出なかったけど、鳥海湖の登りで急坂になって疲労が顕著に。息は切れるは脚は進まないは…。鳥海湖の雪は少し減ってました。あたりまえですが…。鳥海湖まで登ると、登山道の傾斜は落ち着いてひと息つけます。

鳥海湖下の雪渓
千畳ヶ原と月山森が見えている
鳥海湖 先週より雪が減った
鳥海湖と新山

御浜小屋で水分補給&調達

身体がしんどいので最短で戻りたいところ。御浜小屋と大平の分岐から笙ヶ岳に向かえば最短で下れるけど、手持ちの水分に不安がありました。なので、御浜小屋まで行くことにします。まあ、片道20分ですからね。小屋で水分を調達して、下りのための体力を蓄えておこう。小屋で休憩中にアクエリアス500mlを飲み、さらに出発時にお茶とアクエリアスを購入しておきます。手持ちもあるので、これだけあれば余裕でしょう。

帰りに歩く笙ヶ岳
扇子森へのトラバース道
御浜小屋より稲倉岳
御浜小屋付近

先週に引き続き笙ヶ岳へ

笙ヶ岳に向かいます。先週も来たけどガスガスでした。今日は先週よりはマシ。雲は多くなってきたけど、今のところは視界があります。笙ヶ岳と大平の分岐では、先週はニッコウキスゲでまっ黄っ黄でした。でも、今はもうチラホラ程度にしか残ってないです。1週間でずいぶんと変わりますね~。

笙ヶ岳へは三峰、二峰、そして本峰の三段構え。三峰が一番高くて本峰が一番低い。でも、本峰が一番下界から見えるということで、ここが笙ヶ岳で三角点もある…ということかな?平坦なとこや緩い下りは歩いててダメージないけど、少しでも登りになると足が止まります。とくに三峰の登りは一番大きいのでしんどかった。

笙ヶ岳
先週はロープ張ってなかった 歩く人もいた
三峰と二峰の間のチングルマ畑
山頂方面雲が多くなってきた
笙ヶ岳 三峰、二峰、本峰と順に標高は低くなる
山頂手前にあった池塘と山頂部

笙ヶ岳山頂で英気を養います

笙ヶ岳の本峰まで登り上げます。もうヘトヘトですわ。脚と息切れに加えて、胃が気持ち悪くなってきました。吐き気がします。山は晴れるにこしたことはないですが、今日に限ってはガスガスでもいいから身体を冷やしてほしいです。笙ヶ岳ではガスガスにはならなかったけど、曇ってて日差しは隠してくれました。岩に寝転がって体力の回復に努めます。

先週も来た 体力回復に努める

長坂道の上部はロケーション抜群

さて、下ろう!あとは下りだけだ。でもでも、1300mも下らないといけません。早ければ2時間だろうけど、下の方はダラダラ長そうなのでもっとかかるかな。笙ヶ岳の山頂から長坂道を見下ろします。広くて開けた尾根がずーーっと下まで続いています。その先には海も見てて、下りながらのロケーションは素晴らしそうです。花もたくさん咲いてます。登山道はほんと踏み跡程度ですね。高山帯の間はしんどいながらも快調に下れたと思います。

長坂道は大きく開けた尾根道 海に向けて下りていく感じ
万助小屋が見えている
登りもきつそう
大滝が見えている

本日見かけた主な花たち

中間からは試練の下り

高山帯だったのが、だんだんと笹や灌木の斜面になってきます。さらに、曇ってたはずが回復してきて晴れ間が優勢に…。となると灼熱地獄です。吐き気だったのが、気じゃなく実際に吐くことに。ノドはメチャクチャ乾いてて水分はマメに摂るんですが、しばらくすると飲んだ水分を吐き出す…。これを延々と繰り返すようになります。

下りでも立ち止まって休憩する回数が増えてきました。でも、立ち止まるとアブの餌食になってしまいます。何ヶ所かやられちゃいました。飲んでも飲んでも吐いちゃうので、そのうち身体の水分がなくなってしまうんじゃないか心配になります。身体はしんどいけど、今のところまだ頭はしっかりします。

灌木帯から樹林帯に入り、日差しは遮られるようになり、灼熱地獄からは解放されました。でも、体調は悪くなる一方。一番下の方が緩くてなかなか着かないのが苦痛でした。渡渉のあとは緩い登りになるのですが、その緩い登りがほんとしんどかったです。とにかく最後が長く長く感じました。

なにはともあれ無事下山であります

野垂れ死にすることなく登山口に下りてこれました。しかし、車に着いたものの何もできない…。靴を脱ぐ元気がない…、片付ける元気がない…。とりあえずエンジンかけてエアコン全開!車の中で1時間くらいクターっとしてました。それでも動く気はしなかったけど、登山口は携帯が通じない。とりあえず頑張って携帯通じるところまでは下りていかねば…としんどい身体にムチ打って車を走らせました。

車を運転してると少ししっかりしてきました。この勢いで温泉まで頑張ろう。一番近いと思われる八森温泉「ゆりんこ」まで。温泉の駐車場に着くが、これまたしばらく動けず…。少し楽になった瞬間に動きます。温泉入って湯船には浸からず、ひたすら水のシャワーを浴びて冷却。内湯は熱かったけど、幸いにも露天はかなりぬるめ。少し浸かってリフレッシュ。

そんなこんなで徐々に回復。飲んだ水分も戻さなくなります。食べるのは怖いけど、牛乳のんで栄養補給。そのあとゼリーとか食べます。こんな調子じゃあ明日は山は無理だな。体力回復したとしても、山に登る気はおきません。ということで、とっとと帰ることに決めました。3連休は初日に山に登っただけで終わりです。


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