赤禿山 2025/2/1

ダラダラと山スキーを続けているんですが、毎年のように登ってる山がいくつかあります。大渚山、鍋倉山、乗鞍岳…そして今日の赤禿山。赤禿山は2008年に登り始めて以来、登らなかった年は一度だけ。その年も赤禿山には登らなかったけど、大峰峠までは行ってます。大峰峠にあるお堂の雪没具合いの確認は絶やすわけにはいかないのであります。今年も無事にミッション完了。

  • 日程: 2025年2月1日(土)
  • 天気: くもり 山頂霧
  • メンバー: T世
  • 温泉: 家
  • 食事: 家
  • 登山口情報: 山之坊集落除雪終点 除雪作業には気を遣います
コースタイム
  • 山之坊(9:45)
  • 大峰峠(10:25)
  • 赤禿山(12:35~13:10)
  • 大峰峠(14:30)
  • 山之坊(14:40)

パッとしない予報の週末。晴れるにこしたことはないけど、晴れなくても諦めの付く山…ということで、赤禿山と大渚山が候補に上がります。となるとお堂のミッションがある赤禿山が優先されますね。朝起きるとどんより曇り空。除雪のこととかあるし、もともと早く出る気はなかったけど、このどんより曇り空を見てやる気がなくなります。

7時半ごろ安曇野を出発。白馬でなんだか渋滞したりして、山之坊に着いたのは9時半ごろでした。こんなやる気の出なさそうな天気、赤禿山の需要は高いかなと思ってたんですが、先客はゼロ。もともと山スキーヤーが殺到するような山じゃないけど、ことにここ数年は入る人が減ってる印象です。まあ、今どきの山スキーの志向傾向からはズレてるのかなと思います。赤禿愛好家のワタクシにとってはよい傾向ですけどね。

山之坊の雪壁は平年並み程度?

最近にしては順調に雪が積もった今シーズン、山之坊の雪壁の高さに興味があったけど、そんなに高くはなってませんでした。平岩からの道中の雪壁も高くなかったですし…。シールで簡単に登れました。雪壁高い時とか、ルート工作して登ることもありました。登ってから見下ろす山之坊集落の、雪で埋まってるモコモコ感もなかったです。

山之坊集落の除雪終点。まあまあの雪壁。

先客なしでトレースなし

昨日も誰も来てないようでトレースなし。結構な新雪が積もってます。ストックを刺すと全部埋まります。スキーだとスネ程度でそんなには埋まりません。しかし、雪が重い…。除雪終点から車道へのショートカットはいつも重いけど、今日は特に重く感じました。帰りの滑りは曲芸滑走になってしまうな。

大峰峠へと車道ラッセル

今年の大峰峠のお堂は如何に~

さてさて、いよいよ大峰峠。峠に近付くあたりからお堂は見えてきます。屋根の雪と地べたの雪がつながってますね。気温が上がった時に一度屋根の雪が落ちて、そこにまた最近降った雪が積もったと思われます。正面に回り込むと、雪面は入口の鴨居の高さよりも低かったです。最近にしては多い方だけど、特別多いって印象ではなかったです。近くに電線が通ってるんですが、まだ身長よりも高いとこにありました。一番多かった時は雪に埋まってましたからね。あと2mは多かったってことです。このあと強力な寒波がやってきそうなので、また増えるかもしれません。

今年の大峰峠のお堂
最近にしては多めかな~

歴代のラインナップを

こちらが昨年2024年

お堂から尾根の送電線鉄塔へ

お堂から尾根にある鉄塔を目指します。この間、雪が少ないとヤブが煩わしいとこだけど、今年は隙間がたっぷりあります。わざわざ鉄塔に立ち寄らなくてもいいようなもんだけど、尾根に出て鉄塔からの明星山を眺めるのも日課?になっているのです。今日は日本海側ほど天気は良くなくて、明星山も雲が多めでギリギリ姿が見える程度でした。

大峰峠から尾根にある鉄塔に向かう斜面
尾根の鉄塔からの明星山

杉の植林地経由で登ります

鉄塔経由にするもう一つの理由として、最近は杉の植林地経由で登ることが多く、鉄塔はその入り口の目印になるからです。尾根通しで登ってもいいんですが、帰りの登り下りが結構メンドクサイ。植林地経由だと登り返しナシで下りてこれるもんで、最近は楽することばかり考えるててそうしてます。

杉の植林地にある疎林帯
赤禿山の山頂は雲かかってる

ブナ林の中の重い雪をラッセル

尾根に出て標高を上げれば少しは雪が軽くなると思ってたけど、重いままでした。握ればすぐに雪玉になる雪質、ブーツと金具の間に雪が詰まり常に高下駄状態でした。堅く締まる雪なので落とすのも大変。落としても落としても無駄、快適なのは落とした瞬間だけでした。

最近はラッセルする機会に恵まれません(?)でした。久しぶりに下から上まで全部ラッセルしたけど、体力の衰えを突き付けられた感じでした。脚がどうのこうのより息が切れる。膝が悪くなってからは、普段のトレーニング的なことをしなくなったから仕方ない。体重も増えてくる悪循環です。体力を戻すのは厳しいだろうけど、衰え曲線をできるだけ緩くしたいなと思う今日この頃であります。

天気はずっと曇り空で、たまに小雪が舞う感じ。900mのコルの前後から時々日が差す時間が出てきて、東の空には青空ものぞくようになりました。雪の着いたブナの森に太陽が当たると、テンション上がってきますね。テンション上がったのは束の間、このあと晴れることはなかった…。

植林地を抜けるといい感じの林に
日差しがないのが残念…
赤禿山のアガリコ大王
アガリコの部分は雪に埋もれてます
900mコルの先で青空出てきた!
太陽出てくるとテンション上がる
ラッセルは相変わらず重い
帰りはここを滑ろうかとも話していた

赤禿山の山頂です

山頂に着きました。正確には山頂の隣のピークかな。少し下って登るので、最近はホントの山頂に行くことはあまりないです。山頂からは東の展望が開けるので、晴れてれば海谷三山や焼山などが見えます。しかし、今日はダメですな。朝から見てる感じだと、海から離れるほど、東にいくほど天気はマシに見えました。今日はやっぱり大渚山だったな…と思ったのでした。

赤禿山山頂。海谷三山や焼山が晴れてれば見える
こちらは一難場山

東北東面を滑ったが失敗だったか?

今日は登ってきたルートを滑ろうかとも話してました。誰も歩いてないし、樹間も斜面もいい感じに見えました。でも、やっぱりいつもの東北東の斜面の方が少しでも雪質がいいんじゃないかと思い、そっちへ。しかし、雪質は重かった…。いつも北面に絡むほど雪が軽いのに、今日はどの面も同じような感じで重い。降ってきた雪自体がもともと重かったんだろうか…?

これだったら、登ってきたとこ滑った方がよかったかな~。雪が良ければ久しぶりに下まで滑ろうかと思ってたけど、これでは滑る価値ナシ…。途中で林道が横切るとこまでで滑るのオシマイにします。登った尾根までシール貼って林道辿ります。この林道ラッセルもしんどかったので、今日は登りルートを滑るのが大正解でした。後の祭りです。

トレースに合流したら、あとは基本トレースに沿って下っていくのみ。植林地の疎林部分で少し滑れるけど、今日は重重ベタベタでターンするのも大変。ターンすると止まっちゃうし。車道のトレースも進まないし。車道から除雪終点までの斜面は、予想通りに曲芸滑りを強いられました。今日の成果はお堂を写真に収められたことくらいかな。でもまあ、それでも楽しいのが山スキーであります。他に誰もいない赤禿山だったのも、なんだかよかったです。

本日は下山後温泉も下山後ラーメンもなしであります。

最後、車道から除雪終点へと滑るところ

手持ちのガイド本を紹介します

山スキーを始めた頃は情報源といえば山雑誌の記事とガイド本のみ。今のご時世はネットに情報が腐るほどあって、情報を集めるというより選別するという感じ。ネットのレポは個人差大きく主観が入ってて難しいところがありますね。その点ガイド本はレベル的に安定してます。行き先はガイド本で探して、足りない情報をネットで補う…が理想的なのかなと思ってます。

山スキールート212

『212』というだけあって盛りだくさんの内容。定番ルートからマニアックなルートまで品揃え豊富です。値段が2980円と高いけど、内容からすれば安いくらいかも。コレ1冊持ってればOK!って感じですかね。地形図にラインが入ってるので、概念図から地形図に変換する作業も不要です。ちょっと至れり尽くせり過ぎじゃないって感じ。

山スキー百山

隣の山スキールート212とボリュームも見た目も似てますが、こちらは山スキーアルピニズム研究会の著。ちなみに、こっちの方が早くに世に出てます。中身はだいぶ違ってて、かなりマニアック。一般人には行けないルートも多いです。『百名山』ではなく『百山』ってことです。

山スキー百山2

山スキー百山の第2弾です。山スキーアピニズム研究会の著、記録集をよりガイド本化したような感じか。見やすい地形図に落とし込まれており、利用価値が高いです。ただ、レベルの高い人が多いので、自分の力量と合致してるか見極めるのも重要。


東北の山スキー特選ガイド

特選ガイドというだけあって、東北の主なところが網羅されています。オールカラーで解説が丁寧です。東北に住んでる人や、東北への出没頻度が高い人は必携のガイド本かなと思います。

東北山スキー100コース―滑走記とデータ

東北の山スキー本というと、以前はこれでした。しかし、如何せん時代遅れ感が否めなくなってきました。地形は変わらなくても、流行、アプローチ、植生、雪の量などは変わっていきますから。

ハイグレード山スキー―最新ルート集

月刊誌『岳人』では初冬に山スキーの特集が組まれていました。その特集の数年分を集めて一冊のガイド本になったのがこの本。2007年発刊ですが、しばらくは大変お世話になった一冊です。


日本バックカントリー・オール 50エリア170ルート (パウダーガイド12)

ここまで紹介したガイド本はどちらかというと登山系の出版社のもの。この本はパウダーガイドなので、基本的に滑り系の人向け。本の名も『バックカントリー』ですからね。GPSデータも付いてたり。

リフトで登る日帰り山スキー特選ガイド

『リフトで登る』に特化したガイド本。しかも日帰り。2004年発刊。当時は概念図が当たり前だったけど、この本は地形図にルートが引いてあります。かなり大雑把だけど。

山スキールート図集1’〈01~’02〉

2昔前の山スキーのバイブル本。この本も古いので時代遅れ感はありますが、シーズン初めにひと通り目を通すのも良いのかなと。概念図+点線&波線の懐かしい表記です。


山スキールートガイド105

ガイド本というよりも、著者である酒井さんの記録集的な本。エリアは北陸中心で掲載ルートも特殊です。山スキーを始めて最初に買うガイド本でないことだけは確か。ルート図も概念図にラインが引かれた昔ながらの手法です。概念図から地形図に落とし込む作業が必要です。上級者向けの本だと思います。

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