折立から薬師岳(と赤木沢) 2024/8/2_3

若いころは夏は沢登り中心でした。しかし、加齢とともに身体がしんどくなり、沢登りの比率は年々低下。最近では年に1度って感じになりつつあります。T世さんはさらに沢から遠ざかっております。そんなT世さんですが、赤木沢はもう一度登りたい…とかねてから申しておりました。で、今回の赤木沢になったのであります。1泊2日ではしんどいので、金曜日に休みを取って3連休で臨みました。最終日も沢を計画してましたが、赤木沢で疲れたので薬師岳登山に。

  • 日程: 2024年8月2日(金)~3日(日)
  • 天気: 1日目:晴れ 2日目:晴れのちくもり 3日目:晴れのちくもり
  • メンバー: T世
  • 温泉: 梓水宛(松本市梓川) 物味湯産手形利用
  • 食事: ひさりな食堂(安曇野市)
  • 登山口情報: 折立🅿は金曜でも臨時へ 子熊がうろついてます

※2日目の赤木沢は別立てで日記書いてます
https://bunapow.com/2024/08/09/240803akagisawa/

コースタイム

1日目

  • 折立登山口(9:25)
  • 三角点(10:55~11:05)
  • 太郎平小屋(13:10)
  • 薬師峠(13:25)

3日目

  • 薬師峠(5:30)
  • 薬師岳(7:30~35)
  • 北薬師岳(8:20~50)
  • 薬師岳(9:30~45)
  • 薬師峠(10:55~11:35)
  • 太郎平小屋(11:55~12:05)
  • 三角点(13:30~50)
  • 折立登山口(14:50)

休みはとってるけど、あと問題はお天気。中日が晴れ予報でないと赤木沢は没となります。もう一つ白馬方面の縦走も併せて考えていました。予報を見ながら赤木沢か白馬かを天秤にかけつつ、最終的に赤木沢へ行くことに。一応晴れ予報だけど、山はどうかなあ…?あとは運を天に任せるってところです。

金曜日なのに駐車場にはたくさんの車

登山口は折立。安曇野から直線距離で43キロなのに、道を走るとなるとその3倍以上の距離。時間にして3時間半ほどもかかります。北アルプスが邪魔。有峰林道のゲートが開くのが朝6時。その時間に合わせると3時には出発しなくてはなりません。前夜発するほどでもないし…。ただ、今回は初日が金曜日。金曜なら土日ほどの激しい争奪戦にはならない?と踏んで、ゆっくり目のスタートとしました。

9時前に折立に到着。金曜だから少しは空いてるかと思いきや、考えが甘すぎましたね~。登山口近くの駐車スペースの満車は想定内だったけど、臨時の方も結構な埋まり具合い。夏山真っ盛りの時期の金曜日を甘く見ちゃいけませんでした。こうなるとテン場が心配になってきちゃいますね。ウチのテントはでかいもんで尚のことです。車は軽なので小ささのメリットを感じることが多いけど、テントは逆なんですよね~。

昨年に引き続き今回も熊を目撃

臨時駐車場から登山口に向かおうとすると、駐車場の脇に子熊がいました。赤いパイロン倒して地面を漁っています。アリが目当て?親熊も近くにいるのかなあ…?昨年も折立駐車場で熊を見ました。数年前には車を荒らされるという被害も。恐らくその血を受け継ぐ熊なのでしょう。人間や車を怖がることはなさそうです。逆に事故とかそんな話もないので、積極的に人を襲う個体でもないのかなと想像できます。ただ、人間が食べ物持ってるのは知ってるだろうか、そこらへんが気持ち悪いです。怖いので熊のいる反対側、臨時駐車場の出口側から大回りして折立登山口へ。

折立🅿には子熊がウロウロしてます

三角点までは黙々と登る区間です

天気は晴れ。いきなりクソ暑いです。ここにも遅い出発の弊害が…。三角点までは樹林帯で見どころもとくになく、黙々と登る区間です。黙々と高度を稼ぐのみ。今日はテント泊の装備に加えて、沢登りの装備も入ってます。薬師峠まで登るだけだからと、ビールの本数も間引くことなく背負ってます。なかなかにキツイです。

三角点でひと休み。休憩がまた直射日光まともに受けて暑いこと!太郎平まで500ml1本で余裕と思ってたら、この1回目の休憩の三角点で飲み干しそうな勢いです。この先は森林限界の上なのでモロ日を浴びます。水をケチったのは失敗。最悪はビールあるけど…。救いなのは風があったこと。微風なんですが、あるとないとでは雲泥の差。

折立から太郎平は標高差約1000m。標高差もアレだけど、とにかく距離が長い。緩いけど登り返しもありますし。登りで標高を順調に稼いでくれないというのはストレスです。今日はお昼になっても山にかかってきそうな雲は出てきません。明日がこの天気だったらなあ…と思っちゃいます。

三角点 天気はよいけど暑くて休憩どころでない
立山方面 いい雲が出てます
トーテンポールかと思ったら積雪計
三角点から先は標高ではなく距離との勝負
振り返ると有峰湖
太郎平へはまだまだ遠い道のり

太郎平小屋で休むことなくテン場へ急ぐ

太郎平小屋まで登ってきました。休みたいところですがテン場へ急ぎましょう。あとは稜線も木道をダラダラ登ってテン場へと急降下するだけ。なんですが、この15分の道のりがしんどかったです。とにかく最後ってのはキツイですよね。そして、薬師峠へと下るところでテン場が見えてきます。やっぱ結構張ってありますね~。果たしてまともな場所が残ってるんか…?

やっと太郎平小屋にたどり着きました
庭先のベンチはわりと空いてた
休憩することなく薬師峠のテン場へ
黒部源流の山々

辛うじて許容範囲のスペースをキープ

金曜日を甘く見てはいけません…。大き目なスペースで残ってるのは斜めってる場所のみ。う~ん、斜めは辛いよな~。2泊あるし…仕方ない、造成するか。石がガラガラした比較的平坦なスペースの石をどかすことにしました。幸いにも石があるのは表面だけで、靴で押しやるだけで砂地の平坦地に。20分くらいの作業でまあまあのスペースになりました。テン場確保できてひと安心です。

ひと昔かもっと前か、テン場に着くのは15時前後がベストと思ってました。早く着き過ぎると暇ですからね。でも、今のご時世15時着なんて、まともな場所残ってませんからね。小さいテントならまだしも、大き目のテントだとやばいです。それに伴うのかなんなのか知りませんが、みなさん朝動き出すのが早くなりましたね。4時起きを基本としてますが、みなさんもう出て行ってますもん。わたくしは明るくならないと動かない派です。

ホッとひと安心したところで、時間はまだ14時。寝るまでにはまだまだ時間があります。のんびりできていいんですけど、とにかく日差しが強いのなんの…。そのうち無人だったお隣のテントの人が戻ってきました。赤木沢に行っていたようです。素晴らしかった!と。そりゃあこの天気だと文句なしでしょ!明日もこうあって欲しいもんです。16時を過ぎてやっと日が隠れ涼しくなりました。寝つきはよかったのに、途中で目が覚めてからは再び寝れず、長い長い夜となりました。

金曜のお昼で既にいいとこは完売
暑くてテン場にいるのも疲れた
よい夕暮れでした

2日目は赤木沢へ

赤木沢だけでかなりのボリュームになるので、赤木沢だけ独立した日記にしました。下のリンクよりご覧下さいませ~。

赤木沢【日本一の美渓】 2024/8/3
日本一キレイと言われる赤木沢へ。薬師峠テント泊で行ってきました。赤木沢は芸術的な美しさの滝が連続し、そのほとんどを直登することができます。3~4時間ほどの遡行ですが、終始気持ちよく登れて、苦になることは皆無。難点はアプローチと下山が長いこと…

3日目 薬師峠-北薬師岳-薬師峠-折立

3日目も沢登りを計画していました。しかし、昨日の疲れと赤木沢に満足したこともあって、沢登りはやめにしました。かといって、このまま下山するのもアホなので薬師岳に登ることにします。3時半に起床。昨日の朝と同様に、すでにほとんどの人たちが動き出しています。まだ真っ暗なのに…。

朝めしは棒ラーメンを食べます。外を覗くと今日は雲が多い。昨日と違って高い山に雲がかかってます。薬師岳はテン場からは見えないので、どうなってるかはわかりません。ここから見える北ノ俣岳、黒部五郎岳、水晶岳などは全部雲がかかっています。まあ、日が出ると同時に解消するパターンが多いので、それに期待です。

3日目の朝は高い山にかかる雲あり

薬師平はお花畑広がるのどかな場所

針葉樹に囲まれた暗い急なゴロゴロ地帯を登り切ると薬師平。ここは景色もよいし、花も多くていいとこです。高い山にかかっていた雲は徐々に解消。どうやら今日も晴れてくれそうです。薬師岳山頂も見えてきました。正確には見えてるのニセ薬師か。ただ、朝はもろ逆光で眩しい…。薬師岳へは北に向かってると思い込んでたけど、実はかなり東向きなんですね。

薬師平の区間が終わると花もなくなって砂礫の道。薬師岳山荘が近くなると、左手に鳶谷の源頭が見えてきます。鳶谷は以前に登ったことがありますが、滝場が終わると急にこの開けた源頭に出て感動しました。この源頭部はまた歩いてみたいけど、下が結構長いからなあ…。進行方向は相変わらず眩しくていけないけど、振り返ると素晴らしい景色が広がってますね。

薬師平 まだ太陽は射してこない 槍ヶ岳や黒部五郎岳が見えている
チングルマなどまだ花が咲いていました
薬師沢右俣の源頭部
黒部五郎岳と北ノ俣岳
鳶谷の源頭部
薬師岳山荘
避難小屋へのジグザグ道

薬師岳山荘から避難小屋のピークまでがしんどいところ

薬師岳山荘から避難小屋のあるニセ薬師までは、ガラガラの道をジグザグに登っていきます。ここが一番しんどいとこです。昨日の疲れで足も重いし…。登り着いたニセ薬師で少し休憩です。薬師沢の右俣源頭や中央カールを見下ろせます。薬師岳山頂へはもう少し距離があるけど、もうほとんど登らないで済みそう。

避難小屋 通称ニセ薬師
中央カールにはわずかに雪が残るのみ
ニセ薬師で初めて薬師岳山頂が見える

薬師岳山頂は何度目になるのかなあ…

薬師岳山頂はまあまあの人。そんなに混んでなかった。登る時にたくさんすれ違ったので、大半の人はもう山頂を後にしたのかもです。暗いうちから登り始めて、薬師岳山頂でご来光を…って人も少なからずいそうです。ご来光の時間、山頂の天気はどうだったんだろ…?

山頂はそこそこの賑わい 下りた人も多いと思われる
後立山連峰
わかりにくいけど祠が新しくなっていました
薬師岳山頂

北薬師岳を往復してきました

さっきのニセ薬師で少し休んだので、薬師岳山頂はほぼ素通りで北薬師岳に向かいます。稜線右手のカール群、薬師岳山頂で中央カールから金作谷カールへと変わります。中央カールには点しか雪が全くなかったけど、金作谷カールには少し残ってました。でも、全て融けてなくなるのも時間の問題かな。黒部川との出合付近も見えてますが、さすがにそこは雪渓で埋まってますね。

薬師岳に登った人の中で、北薬師岳まで足を伸ばす人はどのくらいいるんだろうか…?1割もいないだろうなと想像しながら向かいます。実際のところ、北薬師往復の間に十数人見ましたが、ほぼ縦走中の人でした。ってことは、わざわざ北薬師まで足を伸ばす人は1割どころか1%くらいなのか…?登山道の状態にも現れてて、薬師岳までとその先では歩き易さが全然違いました。

北薬師岳まで足を伸ばすメリットは…と考えた時に、まあ一番は長く稜線歩きができることかな~。北薬師までそこそこ距離はあるものの、景色は思ったほど変わらないです。北薬師から北の方を見ても、まだまだ薬師岳の続きの稜線があって劇的な景色の変化はない。五色ヶ原もちょっと近くなっただけで、まだまだ遥か先に見えてました。そう思うとあんまりメリットはないんだけど、大きな山容の薬師岳、その南端に登っただけで済ますのはアレかな~と思うのです。

金作谷カールと北薬師岳
北薬師岳との中間にあるピーク
鳶谷の源流地帯
薬師岳から先はガクンと人が減りました
北薬師岳まであとひと息
薬師岳がだいぶ離れました
北薬師岳のさらに北への山並み
右下黒五跡(広河原)が見える 前に泊まったことあり
薬師岳と金作谷カール
薬師岳に戻りましょう
振り返って北薬師岳

薬師岳に戻る頃には早くも雲がかかり始める

帰りの薬師岳では少し休みました。北薬師岳を後にする頃から雲が増えてきます。昨日よりも雲が出てくるのが早そう。昨日の天気で赤木沢に行けてホントよかったと改めて思ったのでした。下りの薬師平あたりまで晴れててくれればなと思ってたけど、あっという間に雲が広がっていきます。こうなったらもう景色はどうでもいいので、逆にガスってくれて涼しく歩きたい。

帰りの薬師岳
右の山が赤牛岳 だいぶ雲が増えてきた
増えてきたと思ったらすっかり雲に覆われてきた
薬師岳山荘

下山は曇ってる時間が長く比較的涼しく下れました

テントに戻って撤収です。時々太陽が出てくると灼熱地獄。ビールを飲みながら撤収したかったけど、テン場の売店はお昼からのようです。やってたとしても、350mlが800円なので躊躇したと思います。高くしても売れちゃうんでしょうね…。

さて、下山するとしますか。下山といっても、薬師峠からは少し登らねばなりません。しかも下山時とは思えないザックの重さ…。沢装備分が肩にのしかかります。疲れてるぶんなのか、初日に登る時よりも重く感じました。太郎平小屋でコーラ買って飲んで少し休憩。

長い長い下り。太郎平から折立への下りは毎度毎度ウンザリします。とっとと下りたいのに、距離ばっかり長くて標高を下げてくれない。それでも今日は恵まれてた方。下ってる時間の大半が曇っててくれました。暑さでやられるこの下りを、かなり涼しく下れました。ほとんどの時間が曇ってたのに、なぜか三角点手前の登りで晴れやがった…。ここは地獄の暑さでしたね。

三角点からは500mちょっとの下り。コンスタントに下ってくれるので、時計の標高を見てショックを受けることはなくなりました。そして、折立へと無事下山であります。

テン場到着 日曜のテン場は金曜よりもかなり少なそう
無事下山

下山後の温泉とラーメン

折立から飛越トンネル経由で戻るのが最短です。しかし、このルートだとコンビニは松本までないし、温泉は平湯までない。ガソリンスタンドも高そうなとこしかない。ということで、今日の下山後温泉は松本まで引っ張っての梓水苑。下山後ラーメンは安曇野まで引っ張っての『ひさりな食堂』です。旨かった!


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