赤木沢【日本一の美渓】 2024/8/3

  • 日程: 2024年8月2日(金)~4日(日)赤木沢は8月3日(土)
  • 天気: 晴れのち時々くもり
  • メンバー: T世 
  • 薬師峠キャンプ場(5:00)
  • 薬師沢小屋(6:45~7:15)
  • 赤木沢出合(8:10)
  • 赤木大滝(10:35)
  • 2575m付近の稜線(12:20~40)
  • 北ノ俣岳(13:35)
  • 太郎平小屋(15:00~10)
  • 薬師峠キャンプ場(15:30)

今日は赤木沢の日。行程が長いので早めに出たいところです。でも、早すぎると黒部川の渡渉が寒そう。てことで、5時出発して7時に薬師小屋っていうイメージかな。3時半に起きました。3時半で周りの人は半分は出発済みか撤収中。早いな。テントの外を覗いてみましょう。テントがビショビショなので晴れてるはず。予想通り星空が広がってます。そして食後に歯磨きに行くと、なんと低い雲が富山側から流れてきてて、稜線を覆う勢いです。この雲は解消すると祈りつつ出発。

薬師峠から薬師沢小屋まで2時間弱の道のり

薬師沢小屋まで約2時間弱の道のりがかったるい。ガーーっと下って平坦になってからが長い。でも、稜線を舐めるように出ていた変な雲は、歩いてるうちに解消されました。よかったよかった。もし増殖してたら、行こか戻ろか悩んでたでしょうね…。薬師沢小屋のテラスには沢の準備をする人がたくさんいました。小屋泊で今の時間の出発なんだろか?

黒部川を遡行すること2時間弱で赤木沢出合

ウチらは部外者なので河原に下りてから沢装備に。準備してる間に小屋にいた人たちが出ていきました。1パーティーだったんだ。そこそこ大人数です。遅れて出発します。ヘツリでてこずってるところを先に出ます。しばらくで見えなくなりました。大人数でしかも足並み揃ってなかったら時間食いそう…。

赤木沢は4度目になります。下流からのアプローチは2度目。以前より渡渉の回数は減ったような。水圧も弱い印象。ま、これはその時の水量によるか…。でも、1ヶ所ゴルジュの手前で変な高巻きの踏み跡があり、まあ赤木沢のアプローチだから変なことにはなってないよな…と思いつつ高巻くと、かなり高く追い上げられ、下降も結構悪かった。日ごろから安易に巻くなと人に言いつつ、安易に巻いてしまいました。

薬師沢小屋で黒部川に降り立ちます
黒部川本流の渡渉は比較的楽でした
赤木沢出合の少し手前にあるゴルジュ帯
右側から低く巻くところ

いよいよ赤木沢です

見覚えのある高巻きを終えると、前方になにやらナイヤガラの滝が見えてきました。やっとこさ赤木沢の出合です。以前は胸まで水に入ってへつったところ、今回は腰下程度で済みました。いよいよ赤木沢。出合こそ平凡な渓相ですが、少し進むと赤いナメ床、そして赤木沢の真骨頂であります立体的な滝が出てきます。最初の立派な滝の手前で小休止です。

見覚えのある風景が
赤木沢出合にあるナイアガラの滝です
ここまでが長かった
以前は胸まで浸かった覚えがあるけど今日は腰程度
赤木沢が見えてきました
出合からすぐに赤木沢らしい赤い岩盤に
そして小滝も出てきます
いよいよ赤木沢らしくなってきた

天気も素晴らしく超が付くほど快適な遡行

赤木沢のいいところは芸術的な滝が連続し、その滝のほとんどが登れること。登れない滝も高巻きは簡単。高巻きというと3K(キツイ、汚い、危険)なのですが、赤木沢の場合はどれも当てはまりません。逆に快適、キレイ、簡単…の方の3Kが付きそうなくらいです。大滝の高巻きにしても快適、キレイは当てはまらないけど、3Kではないですからね。

素晴らしい滝です
時々ヌメるので注意!
これぞナメ滝!って感じ
岩盤のが亀の甲羅みたい
なんと表現したらよいのか…

赤木沢は大滝まで大きく分けて4つの滝群があります

一連の滝が終わると、しばらく中だるみ区間。滝はなく平凡は流れです。それでも水はキレイで岩がキレイで、側壁は明るい緑で空は真っ青。気持ちよく歩けます。後半の滝場は始まる手前の広場のようなところで、1パーティーが休憩を終えて歩き始めるところでした。入れ替わりでウチらがここで休憩。素晴らしい滝を見ながらの休憩。まるで観光地。

いったん平凡になります
2つ目の滝群です
水流からやや離れたところを登りました
今日はゴム底なので乾いた岩はフリクション抜群
この滝は珍しく直登できない
嵩巻きになるけど、この高巻きがまた快適だったりする
この滝は右から足の届かない釜を越えて滝に取り付く 左を高巻くパーティーがいた
嵩巻き中のパーティーを追い抜く
しばらく平凡になるが、そのうち小滝が出てきます
ミニゴルジュ地帯
水がキレイです
ナメナメ地帯
3つ目の滝群が見えてきたところで先行パーティー 出発するところだったので代わりに休憩しときます

ラスボスは赤木大滝

休憩を終えてからの一連の滝場は爽快そのもの。いろんな形の滝が連続します。そしてラスボス的に現れるのが赤木大滝。遠くからはその側壁しか見えません。近づいて初めて直瀑が見えてきます。ほぼ垂直の岩で普通には登れなさそうです。ここの高巻きは踏み跡完備。滝に近いところから高巻くのが普通と思うけど、少し手前からの巻き道もあります。高巻きは低く小さく!

ここは赤木沢の絶景ポイントのひとつ
どこでも登っていけそうな感じ
赤木沢には珍しい細い水流の滝
またしばらく穏やかな雰囲気に
4つ目の滝群の始まり
真ん中から登りました
階段状の滝が見えてきた
右でも左でも登れそう
快適この上ない登り
S字に蛇行するナメ
そのS字を曲がり切ると
圧倒的な奥壁が見えてきました
赤木大滝の嵩巻きを前に休憩する先行パーティー
赤木大滝は巨大堰堤のようです
水に近いところを登るのは不可能か
高巻き開始
大滝を見ながらの快適高巻き
高巻き中より 大滝の上にもう1段あるんですね

詰めは二俣ごとに雰囲気の良い方へ

大滝が終わると詰めを考える時期になります。ここまでは支流は小さくて、ほぼ本流のみって感じ。大滝から先は二俣の連続です。過去3回、ぞれぞれ違うところに詰め上げました。中俣乗越に向かうのが一番楽だった記憶。今回は二俣が出てきたら、渓相の良い方へ進もうということに。もちろん目先の渓相ですが…。

一つ目の二俣は右から滝で出合ってきます。これは左へ。次ので悩みましたが、中俣乗越方面には向かわず右へ。流れは徐々に細くなりますが、相変わらずナメやナメ滝が連続して出てきます。次は三俣。これは水量的には真ん中の一択。この三俣で水くみ休憩としました。水量はまだ結構ありましたが、枯れるのも時間の問題でしょう。

落ち口へとトラバース
大滝の上も渓相よい
先行パーティーに再び追いつきます みなさん思い思いに登ってます
ここも思い思い
次の二俣は右から滝で出合う 左へ
登っても登ってもまだまだナメが出てきます
滝もまだ出てきます
次の二俣をあえて右へ 左は中俣乗越で一番楽に詰められます
まだまだ続きます
この滝は水流右の上部が微妙でさらに右に逃げて登った

2575m南の小コルに詰め上げました

真ん中の沢を進むとすぐに水源。あとは詰めるのみだな。北ノ俣岳から黒部五郎岳にかけての稜線は雲で覆われるようになってきました。もう少し、詰め上げるまで晴れて欲しかったけど、ここまで晴れてくれて十分満足であります。枯れた沢形をひたすら登っていきます。最後にノール状のところでハイマツの隙間を抜け、あとはお花畑を歩いて縦走路へ。2575m北側の小さなコルへと詰め上げました。詰め上げたところで縦走モードにチェンジです。

いよいよ源頭の雰囲気に
稜線が見えてきましたが、まだちょっと遠いなあ
カラマツソウ群生のお花畑を
2575m南の小コルに詰め上げました

詰めはどこがよいか検証しつつ…

あとは長い下山なのですが、気持ちは縦走モードを維持したいところ。なんと言ってもダイヤモンドコースと呼ばれる一級品の縦走路ですからね。下山なんて言ったら怒られちゃいます。とはいっても疲れてくるにしたがって、縦走モードから下山モードに頭の中が変わっていきました。歩きながら詰めを観察してましたが、個人的には赤木岳(2597m)と2622mのコルに詰め上げるのが一番よさそうに見えました。何がよさそうかって、詰めの雰囲気です。単なる自分の好みです。

登ってきた赤木沢源頭を振り返ります
あとは長い下山 下山といっても縦走

下山が長いのが核心の一つです

北ノ俣岳から太郎平の間がこれまた長い。緩い下りが中心なので足には優しいけど、なんせ距離が長い。最後に太郎山のダラダラ長い登りが待ってるし…。なんだかんだ10時間歩いてますんで、そりゃあ最後は疲れますわな~。太郎平のベンチで少し休みます。今日はテントが張ってあるから安心です。急ぐ必要なし。生ビールに惹かれましたが、1200円はなあ…。でも、缶ビールも高いんです。350mlが800円で500mlが1000円。ホントなら350mlを2本がいいんだけど、値段のバランス的に500mlを1本にしときました。持ち帰ってテン場で飲みます。

テン場に戻るとテントの張数は昨日並みか…?昨日よりも密度の濃い場所や薄い場所がありました。個人が多いのか、学生の大きなテントが多いのかにもよりますね。ちなみに翌日の日曜日はお昼の時点でガラガラ。日曜日より金曜日の方がテント数多いみたいです。たまたまかもしれませんが。今日は曇ってる時間が長くて涼しく過ごせました。

稜線はかなりガスってきた
太郎平小屋まで戻ってきました

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