グリーンピア津南スキー場から黒倉山を往復してきました。構想では霧ノ塔までだったのですが、ちょっと弱気になっての黒倉山。まあ、とにかく小松原湿原まで緩い緩い斜面が続き、当然ながら湿原は平坦。下ノ代、中ノ代、上ノ代と湿原が3つありますからね。最後にグイっと200mほど登ると黒倉山って感じです。そんな感じですので、滑るのが楽しいのは最初の200mだけ。あとは緩い上にストップ系な雪。手漕ぎ多用で疲れました。時間もかかりましたし。まあ、想定の範囲内ではあります。
中津川と清津川釜川に挟まれたこのエリアが、どんなとこかわかっただけで十分。スキー場の様子とかわかったので、次回は気合入れて霧ノ塔まで行ってみようかと思います。
- 日程: 2023年4月2日(日)
- 天気: 晴れ
- メンバー: ひとり
- 温泉: 湯滝温泉 物味湯産手形利用
- 食事: 家
- 登山口情報: グリーンピア津南スキー場 1回券(500円)×2枚
グリーンピア津南スキー場がスタート地点
スキー場は8時半営業開始。4時半に出て下道タラタラ走って7時半すぎ着。リフト券(500円×2枚)買うところで、住所、氏名、電話番号を書いて、下山したら報告に来てくれとのこと。とりあえず、そのあたり寛容でよかった。4人乗りなのに低速リフト。2本目は早かった。2本目がスキー場のてっぺんで、そこから少し下ったところがスタート地点となります。初めてのところはドキドキしますね。
スキー場の上というと普通は山になる。でも、ここはしばらくの間、畑と思われる地帯が続きます。ちょっと違うけど、イメージとしてはなべくら高原みたいな感じ。はるか遠くに山が連なってるのが見えます。多分そこを目指すんだろうけど、どれが何山なのやらさっぱりわかりませんね。手前が平坦なので、現在地からのつながりもよく見えません。まあ、とりあえずそっち方面を目指すってもんか。
道路が等高線に対して垂直に付けられてなくて、斜めに進みながら右に曲がったり左に曲がったり。地図を確認しながら進まないと、変なところに行ってしまいそうでした。この畑地帯が開けてて、気持ちよかったです。
緩々な尾根をひたすら登っていきます
さて、いよいよ山エリアに入ります。とにかく全体的に緩いので地形がハッキリしません。乗っかろうとしてる尾根にしっかり乗るまでは、しょっちゅう地図見ながらの歩きでした。現に往きと帰りで違うとこ辿ってました(下山後に発覚)。まあ、ちょっとの間だけですが。尾根地形が顕著になると、あとは何も考えずに進むのみです。
はじめは無造作な林でしたが、時々立派なブナ林も出てきます。細いブナになったり、太いブナになったり。斜度はずっと緩くて、クライミングサポートを立てずに登る場面がほとんど。たまに低いやつを立てる程度です。こんなのが延々と続くもんだから、いい加減飽きてきます。だいぶ近づいてきたとは言え、目指す山々はまだ遠い。そして暑い!
やっとこさ小松原湿原
やっと湿原地帯。下ノ代に出ました。距離的には7割くらいはきた感じかな。下ノ代はダケカンバやブナなどの広葉樹に囲まれた明るい湿原でした。規模は小さい。下ノ代から中ノ代の間がちょっと段になってます。標高差にして150mほどですが、今日初めてターン可能な斜面。大きなブナの林なので、樹間も開いております。※しかし、帰りはストップ雪に悩まされた
中ノ代に出ますと、下ノ代とは景色が打って変わります。周囲はシラビソ林に。ちょっとの差で全く雰囲気が変わりました。下ノ代は広葉樹の中に円形脱毛症のような湿原。形が丸い感じの。中ノ代は黒いシラビソの中に点在する形で湿原になってます。中ノ代から上ノ代へはわずかな段差。標高差50mほどですね。上ノ代も中ノ代と同じでシラビソに囲まれてます。ここにきて、目指す黒倉山がグイっと近付きました。下ノ代あたりでだいたい山名が同定できてました。
せっかくなので小松原小屋に立ち寄っておきました
上ノ代から最短で黒倉山を目指せば楽なのですが、せっかくなので小松原小屋を確認しておきましょう。ちょっと遠回りになるけど、東側から黒倉山に登って北西側を滑って下りるという、まあちょっとした周回。湿原から上は針葉樹と広葉樹が混じってるけど、なかなか雰囲気の良い場所だったので、周回してよかったのかなと思います。
小松原小屋から浅い沢形を詰めて、黒倉山の東側のコルに出ます。すると正面に苗場山がドカーン!稜線に出て見える景色を全く想像してなかった(想像できなかった)ので、ちょっとビックリ!やっぱり初めての山、初めての山域は楽しいなあと思うのでありました。コルに出てからはわずかで黒倉山。でも、やっぱ最後の登りというのはしんどいですね。しんどいながらも、ややアルペンチックな稜線を進み、ここが一番高いかなってとこで、黒倉山登頂!
黒倉山からは秋山郷を取り囲む山々が
黒倉山からの展望、さっきも書いたけど、何故だか全く想像もしてなかったんですよね。グルリと見渡して、改めてこういう山域なのかーと認識したというか、自分が今こんな立ち位置にいるってことを理解しました。初めての山域に行く時って、稜線に出た時の反対側の展望は想像してたのですが、何故か今回は何にも考えてなかったんですわ。初めての展望にビックリしたというよりも、自分が何も想像してなかったことの方にビックリしました。
で、具体的に何が見えるのかと申しますと、秋山郷を取り囲む山々が見えてるわけであります。苗場山、岩菅山、鳥甲山が代表的なところです。あとは霧ノ塔へと続く山並み。黒倉山から霧ノ塔へのルートはそんなにしんどうそうに見えないので、次回は確実に霧ノ塔をやっつけたいと思います。
黒倉山からの斜面はまずまず
帰りは最短で下ります。滑ることはあんまり期待してなかったんですが、黒倉山から上ノ代までの斜面はなかなかよかったです。樹間といい雪質といい気持ちよく滑れます。ただ、上ノ代が近付くにつれて斜度がだんだんと緩んできて終了。同時に雪もベタ付き気味になってきました。いつも思うのですが、下りがずっと快適に滑れるにこしたことはないけど、最悪でもひと滑りが気持ちよく滑れたら、その日はこれで十分かなあと思うのです。
小松原湿原からスキー場までが下りなのに時間かかりました
湿原に下りてくると平坦。歩く時間が長くなります。平坦で地形に特徴がないので、できるだけトレースに沿って下っていきます。適当に滑ってると、ちょっとのことで全然違う方に行っちゃいますからね。上ノ代から中ノ代へは標高差50mの下り。ベタ付く雪なのでまっすぐ滑るのみ。中ノ代の平坦な部分が長かった。
中ノ代から下ノ代は標高差150mほどあって、まずまずの斜面が続くのですが、如何せん標高が落ちてきて雪がストップ系に。こうなるとテレマークは地獄です。前転の危険が高まります。一度木にぶつかりそうになりました。それ以降は安全運転を心がけます。下ノ代でまた平坦になり、少し登り気味で長くて緩々の尾根に乗っかります。この尾根がまた滑らん。そこそこ斜度があっても板が走ってくれません。下ってるのに手漕ぎ多用です。おかげで腕まで疲れてしまいました。逆に考えると、少しの登りなら登ってくれます。そこらへんはありがたいけど、やっぱシャーシャーと滑ってくれた方が…。
やっとこさって感じで畑地帯へ。ここは直射日光浴びまくりなので、さらに雪は緩んでいます。滑ってくれませんわ。ゲレンデへは登り返すことなく、車道をそのまま辿れば行けました。ようやくゲレンデ!と思ったのも束の間、これまたゲレンデが滑らん…。斜度がまあまあるところでも、ストップ系なのでストレス溜まります。山で滑れないときは、最後のゲレンデでストレス解消できることが多いけど、今日はダメでした。そんなこんなで、長かった滑り(下山)ですが、思ってた時間には下りることができました。最後にリフト券売り場で下山報告をして、本日の予定終了であります。
滑りの様子はYouTubeをご覧ください
手持ちのガイド本を紹介します
山スキーを始めた頃は情報源といえば山雑誌の記事とガイド本のみ。今のご時世はネットに情報が腐るほどあって、情報を集めるというより選別するという感じ。ネットのレポは個人差大きく主観が入ってて難しいところがありますね。その点ガイド本はレベル的に安定してます。行き先はガイド本で探して、足りない情報をネットで補う…が理想的なのかなと思ってます。
『212』というだけあって盛りだくさんの内容。定番ルートからマニアックなルートまで品揃え豊富です。値段が2980円と高いけど、内容からすれば安いくらいかも。コレ1冊持ってればOK!って感じですかね。地形図にラインが入ってるので、概念図から地形図に変換する作業も不要です。ちょっと至れり尽くせり過ぎじゃないって感じ。
隣の山スキールート212とボリュームも見た目も似てますが、こちらは山スキーアルピニズム研究会の著。ちなみに、こっちの方が早くに世に出てます。中身はだいぶ違ってて、かなりマニアック。一般人には行けないルートも多いです。『百名山』ではなく『百山』ってことです。
日本バックカントリー・オール 50エリア170ルート (パウダーガイド12)
ここまで紹介したガイド本はどちらかというと登山系の出版社のもの。この本はパウダーガイドなので、基本的に滑り系の人向け。本の名も『バックカントリー』ですからね。GPSデータも付いてたり。
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