麦草峠をスタート&ゴールの黒百合ヒュッテテント泊で、高見石、中山展望台、天狗岳、根石岳、にゅう、白駒池を歩いてきました。コケとかシラビソ林が好きな人にはたまらない山域でしょうが、どっちもそんなに好きではないです。なので、長い長いシラビソ林にはウンザリ。どこ歩いても同じ感じだし…。そんな中で天狗岳と根石岳はいいとこなので、初日、2日目どっちも行っちゃいました。
- 日程: 2025年6月6日(金)~7日(土)
- 天気: 1日目:晴れのちくもりのち晴れ 2日目:晴れのち時々くもり
- メンバー: T世
- 温泉: 望岳の湯 600円
- 食事: れんげ 岡谷市ラーメン
- 登山口情報: 麦草峠駐車場(約30台) 公衆トイレあり
1日目
- 麦草峠駐車場(7:10)
- 丸山(8:05)
- 高見石(8:25~40)
- 中山展望台(9:40~10:05)
- 黒百合ヒュッテ(10:35~11:20)
- 東天狗岳(12:30~50)
- 根石岳(13:10~25)
- 東天狗岳(13:50~55)
- 西天狗岳(14:10~30)
- 東天狗岳(14:40)
- 黒百合ヒュッテ(15:25)
2日目
- 黒百合ヒュッテ(6:10)
- 東天狗岳(7:05~10)
- 根石岳(7:30~8:05)
- 東天狗岳(8:35)
- 天狗の奥庭(9:15~40)
- 黒百合ヒュッテ(9:45~10:10)
- にゅう(11:25~45)
- 白駒池(12:50)
- 麦草峠駐車場(13:35)
黒百合ヒュッテテント泊が決まったいきさつ
今回はとくにキタヤツに行きたいとか、天狗岳に登りたい…とかいうのはなくて、どこのテン場に泊まろうか…から始まりました。2025年のテント泊初めの肩慣らしといったところです。登山口からテン場まで短めで、居心地の良さそうなところが選考対象となります。いろいろ候補は出ましたが、今回は黒百合ヒュッテと相成りました。テン場が決まってから、どこから登ってどこを歩くか…が決まっていきます。前回は唐沢鉱泉からだったので、今回は麦草峠からにしました。麦草峠からだと高見石やにゅう、白駒池に立ち寄ることができます。
麦草峠の無料駐車場
土日ともなれば麦草峠の無料駐車場は早朝で満車なはず。今日は金曜日。どんなもんか…?予想が付かないです。アホみたいに早く出るのもアレだし、7時到着を目指して行くことにしました。ダメなら有料の方に停めることにして。結果、約7時の到着で3分の1も埋まってませんでした。とりあえずひと安心。

麦草峠を出発します
晴れ予報だけど、高気圧の後ろ側になっての晴れなので、湿っぽい晴れになるのかと思っていました。ところが、今のところは清々しい青空が広がっています。こんな晴れなら別候補にすればよかったかも…とか思いながら出発。木道を歩くことちょっとで麦草ヒュッテ。ここらへんは草原になってて、鹿除けネットに囲まれています。初夏の花がチラホラ咲いてます。



丸山経由で高見石へ
麦草峠から丸山に向かいます。このあたり登山道が錯綜しててややこしい。草原から鬱蒼としたシラビソ林に入ります。入ったらずっとシラビソ林。丸山の山頂もシラビソに囲まれてて展望なし。丸山から高見石小屋への下りはそこそこありました。帰りにこのルートを選んでたら、泣きが入ってたと思います。最後の最後での登り返しですからね。


白駒池を見下ろせる高見石
高見石小屋の脇を登っていくと高見石。周囲は深い深いシラビソ林なのに、ここだけ巨岩が折り重なってて360度の展望。展望は360度だけど、北は茶臼山、西は丸山、南は中山という近くにあるパッとしない山に囲まれてます。その隙間から遠くの山が見えるっていう感じです。あんまり開放感はないんですが、今までがずっと深いシラビソ林だったので、オアシスのように思えますね~。あと、白駒池を見下ろせるのはポイント高いです。




中山への登りはウンザリモードで
高見石から見る中山は、のぺ~っとしてて全面針葉樹に囲まれてます。見た目、まったく登頂意欲が湧いてきません。実際に歩いてみても単調でウンザリしてきます。いいとこといえば、何もないので無心で登れるってくらいか。あとは、緩いから体力的にダメージが少ない。中山展望台が近づくと木が低くなってきます。そして、目の前に露岩帯が広がります。ここが中山展望台。

中山展望台は解放感抜群!
中山展望台は西に開けてて、中央アルプスから北アルプスにかけての展望が広がります。手前には霧ヶ峰や蓼科山なども。ただ、東側は中山山頂部とシラビソ林があるので、展望は西半分だけです。でも、標高を2500m近くまで上げ、西側は遮るものがないので開放感は抜群です。高見石との違いはこの開放感ですね。北アルプスや中央アルプスにはまだ残雪が多く残ってて、存在感アリアリです。




中山から黒百合ヒュッテへ
中山展望台からすぐのとこに中山山頂。こちらは樹林に囲まれてて展望なし。山頂から少し東に進むとまた開けます。真東だけの展望なので、奥秩父や佐久の山々が見える程度です。中山峠に向けて下ります。立ち枯れの中を歩いたり、天狗岳が見えるところがあったりで、まあまあ楽しみながら下れました。


黒百合ヒュッテテン場はガラガラ
黒百合ヒュッテに到着。テントは2張だけです。持ち主は不在。どこでも張りたい放題なんですが、決め手に欠ける場所ばかり。というのも、ウチのテントは大きめで、間口が180センチあります。パレット敷きのスペースが多く、この寸法では大きくはみ出ちゃいます。かなり老朽化してきてるので、もうひと回り小さいテントを考えてるところであります。広いスペースは湿っぽかったりで、結局のところ以前と同じ場所に落ち着きました。

天狗の奥庭経由で天狗岳へ
テントを張り、軽い荷物で天狗岳へ。意気揚々と行きたいとこですが、知らないうちに雲が増えてきちゃいました。青空ナシの全面くもり。すっかり寂しい雰囲気に。気分も下がり気味に。そのうちまた晴れてくれるかもしれないので、行くとしましょう。
天狗の奥庭経由で向かいます。少しの急登を登ったところにスリバチ池。池越しの天狗岳の構図がいいんですけど、やっぱ曇ってるとパッとしません。天狗の奥庭は大きな岩がゴロゴロしたところ。だいたいこーゆー場所は天狗の〇〇が多いです。道はクネクネ曲がり、細かいアップダウンもあったりで、尾根経由に比べると少し時間がかかりますね。





東天狗岳
尾根コースと合流し、あとひと登りで東天狗岳です。ちょうどこのころから空を覆っていた薄雲が疎らになってきました。隙間から青空が覗き始め、山頂に着くころには雲は多いながらも晴れてくれました。よかったよかった。今日は平日ということで、程よい混み具合です。ちょっと風が強いのが気になります。



東天狗岳から根石岳の道中が歩いてて楽しい
せっかく晴れたので根石岳まで足を伸ばします。東天狗岳と根石岳の間は景色が素晴らしいので歩いてて楽しいです。天狗岳側はアルペンチックな景観で、荒々しい硫黄岳を見ながら歩けます。コルに下りると天狗岳のカール状の地形が広がります。V字谷の先には御嶽山や乗鞍岳が見えてます。根石岳の登りはたいして良くないけど、登りが短いので楽でよろしい。





根石岳山頂
根石岳まで登ると硫黄岳がグッと近付きます。ただ、間にある箕冠山がちょっと景観を損ねてますかねぇ…。眼下には根石山荘。一番高いとこまで登ると360度開けます。北には東西の天狗岳があるので、それより向こうの山は見えず。根石岳の山頂は展望が悪いわけではないけど、天狗岳から歩いてる時の景色の方がよかったです。



東天狗岳に戻ります
東天狗岳に戻ります。西天狗は明日に残しておこうと思ってたけど、明日の天気の保証もないので行っておくことに。アップダウンは根石岳の半分くらいで済むのかなあ。ただ、景色は根石岳との間の方がよかったです。しつこいようですが。


続きましては西天狗岳へ
西天狗岳に登り、南側の展望がよい場所へ行きます。西天狗は主稜線からチョコンと西にはずれたところにあり、八ヶ岳の山並みの眺めがとてもよいです。硫黄岳なんかは谷越しになるので迫力ありますね。根石岳がすごいとこに建ってるのもよく見えます。これまでの他の山頂に比べると、なぜかここは風が弱くて助かりました。




西天狗岳をあとにします
西天狗岳を堪能したので戻ります。3回目の東天狗岳に登らないといけないんですが、途中にあったトラバース道を辿ってみました。東天狗を登らずに済むトラバース道(踏み跡)は何本かあって、1つだけロープで制止されていません。それを辿ってトラバースしました。ロープの張ってある道は、恐らく道が途絶えてるんだと思われます。もしくは激ヤブか。

黒百合ヒュッテへの下りは尾根ルートで
登りが天狗の奥庭経由だったので、帰りは尾根道を下ります。やっぱ目を引くのは稲子岳南壁。むかしむかし登りました。登りましたというか、登らせてもらった…が正解。自分に登る力はないです。天狗の奥庭経由の方が風光明媚かな。東の展望は尾根道の方がよいけど。

テン場に戻って酒とつまみ
黒百合ヒュッテに戻るとテントは増えてました。でも、まだ結構すき間はありますね。土曜日となるとどうなるんでしょう。最近のテント泊といえばテントにいる時間が長く、そのぶん酒とツマミも多くなります。今日は歩いてる時間が長いので、ビールは2本、つまみも比較的少なめで用意しました。ただ、本を忘れたので少し暇だった。


2日目の朝また天狗岳へ
昨夜は早く寝たので、深夜には目が覚めてしまいました。真夏の装備で来たので、夜はちょっと寒かった。寒かったこともあってか、なかなか寝付けなくなってしまいました。明るくなった4時ごろに動き始めます。ただ、空を見ると青空がない…。天気予報は朝方くもりでその後晴れになってます。ゆっくりと朝の準備をしました。
なんとなく雲が薄くなってきて6時ごろ出発です。きのうは天狗の奥庭経由だったので、今日は尾根コースを登ります。西の方からだんだんと青空エリアが増えてきてるのがわかります。真上の空もすでに青空になったけど、朝の太陽はだいぶ東寄りなため、日当たりが良くなってきたのはしばらくしてからでした。



東天狗岳 くもりからすっかり晴れた
東天狗岳に到着。すでに日帰り組が登ってきてます。昨日の昼間よりも賑やかですね~。山頂に着くころにはすっかり青空に。西の空には雲一つないです。そして、空気も昨日より澄んでて景色がクッキリ。まあ、昨日も朝は空気が澄んでましたけど…。風が弱くなりました。






晴れたので根石岳へ
これだけ天気が良いので、このまま下りてしまうのは勿体ない。かといって、どっちも登るのはしんどい。ということで、道中が気持ちいい根石岳に向かうことにします。昨日通ったばっかりなんですが、やっぱり下りの景色とコルの雰囲気が素晴らしい!今日は空気が澄んでるので、きのうはボンヤリだった御嶽山や乗鞍岳もハッキリと見えます。








今日は風が弱いので根石岳でのんびり
きのうは風があった根石岳山頂、今日は微風なのでのんびり休憩できました。硫黄岳方面にレンズを向けてタイムラプスを撮ってみるも、雲の変化が小さくて残念でした。タイムラプスはこの先どうなるかわからない景色を撮ることになります。一か八か的なとこがありますね。明らかに奇妙な雲が出てたりすると期待大です。






東天狗岳に戻ります
東天狗岳に戻ります。2日連続で同じところを歩いているんで、書くこともあまりないです。しかも2往復ですからね。きのうと違うとこといえば、空気の澄み具合いと、あとは太陽の向きですかね。昨日は午後だったので太陽は南。今はまだ朝なので東寄りでまだ低いです。南八ヶ岳への日当たりは今日の方が良好です。






天狗の奥庭経由で黒百合ヒュッテに下ります
東天狗岳からの下りは天狗の奥庭経由。きのうは曇り空の中を登りました。今日は天気は最高です。昨日は登り、今日は下り。どっちがいいかな~と考えてみるに、天狗の奥庭を見下ろしながら歩く方がいいのかなと思います。どっちかというとです。北アルプスやら霧ヶ峰やらを見ながら歩けますし。テン場まではあと5分ほどだけど、スリバチ池を見下ろす場所でのんびり休憩しておきます。




テン場に戻ってテント撤収
テン場に戻ってテント撤収。今日は土曜日ということで、朝10時くらいには既に10張りくらい?そんなになかったっけか…?昨日からのテントはウチのが最後かな。ウチが撤収した直後に来た人はラッキーかも。

黒百合ヒュッテからにゅうに向かいます
さて、ここからは下山モードなんですが、登りの時と違うコースで戻るので新鮮といえば新鮮。でも、多分ほとんど樹林帯。登りでは高見石と中山展望台がみどころでした。下りはにゅうと白駒池が観光スポットになります。中山峠から少し登っていくと、にゅうと中山の道が分岐します。にゅうまでずっとシラビソ林の中だけど、途中に崖の縁に出れる場所が3か所ありました。一応ロープは張ってあります。1個目はまあまあ、2個目は素晴らしい、3個目はイマイチ…でした。





にゅうは若者たちで賑わっていました
小さなピークを少し越えたところがにゅうの基部。にゅうの突起の部分だけが岩になっています。高見石と似てるといえば似てるけど、にゅうは片側が崖です。基部まで来て今回初めて富士山が見えました。富士山が見えるとうれしくなっちゃいますね。ただ、にゅうからの展望は期待ほどじゃなかったかな…。硫黄岳や天狗岳がだいぶ離れちゃったし、間に針葉樹だらけの稲子岳があって、景観を損ねています。ここまでずっと良い景色を見てきたからの感想なのであって、白駒池から登ってきた人は感動するに違いないです。





にゅうから白駒池へ下る
白駒池に向けて下ります。ここも鬱蒼としたシラビソ林の中。足元もちょっと悪めかな。倒木やぬかるみも目立ちます。人気のキタヤツの中にあってマイナーな道かもしれませんね。平坦になってから白駒湿原が出現。道は木道になってて雰囲気はいいけど、花は見る限り咲いてませんでした。湿原あたりから観光客風の人たちがチラホラ。ほどなく白駒池に突き当たります。

最後のアトラクションは白駒池
さて、どっちから周ろうか…。帰り道はほぼ対岸。元気があって景色がいい感じだったら1周半してもいいけど、今日はそんなことはないので半周です。時計回りで回ることにしました。池の感じがいいとこは、歩いたなかでは白駒荘の周辺だけな気が…。反対側はわかりませんが…。やっぱ紅葉してないとダメなのか…?




麦草峠の駐車場までが最後長かった
白駒池からは観光地仕様の遊歩道になります。この間のシラビソの森はスッキリしてて、コケももふもふに生えてました。コケの中に生えてるカタバミが可愛かったです。有料駐車場の分岐になり、あとちょっとかと思ったら、ここからさらに20分ありました。しかも緩い登り主体。ゲッソリしましたね~。白駒池に着いて終わった気になってたのが反省点であります。何はともあれ無事下山です。


下山後温泉は望岳の湯。茅野市の温泉施設で600円とまあまあリーズナブル。そんなに混んでなかったのもありがたい。畳の大広間ありです。下山後ラーメンは岡谷市まで戻ってきての『れんげ』。推しと思われるとんこつ醤油と味噌ラーメンを頼みました。味噌ラーメンの方が美味しかったです。



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