男鹿岳 山スキー 2021/3/7

三百名山最難関の一つであります男鹿岳に登ってきました。最難関とは言っても夏道がなくて、アプローチが長いという類の山。技術的、体力的に難しい山ってわけではなさそう。山自体にあまり期待するものがないだけに、登りたいという気持ちを盛り上げるのが一番難しかったりして…。厳しい山でも登りたい山なら頑張りますからね。それがない。

実際に登ってみますと、林道が長いのは仕方ないとして、実質の登山口であります大川峠から山頂まで、なかなか良い雰囲気の中を登らせてもらいました。山頂からは那須連峰の展望もよかったし。何よりも霧氷が着いててキレイだったのが一番のご褒美だったかも。

  • 日程: 2021年3月7日(日)
  • 天気: 快晴!
  • メンバー: ひとり
  • 温泉: 弥五島温泉 郷の湯 330円 石鹸&シャンプーなし
  • 食事: 下郷町 姑娘
  • 登山口情報: 栗生沢集落先の除雪終点付近 いいとこない
コースタイム
  • 栗生沢集落除雪終点(6:40)
  • 北西尾根取付き(9:40~50)
  • 大川峠(10:40~55)
  • 1701m(12:05)
  • 男鹿岳(12:30~13:05)
  • 1701m(13:20)
  • 大川峠やや南の林道(13:40)
  • 北西尾根取付き(14:00~10)
  • 栗生沢集落除雪終点(16:05)

夏道のない男鹿岳に登ろうとすると、一般的なのは那須側の深山園地ってとこから延々廃林道を歩いて、最後はヤブ尾根を登るというもの。もう一つは主に冬に登られてるルートのようで、南会津の栗生沢というところからのルート。こちらも林道が長い。

どちらもやる気になれば難しくはなさそうだけど、なかなかやる気が出ない。そこで、冬にスキーで…と考えて始めると、やる気がだんだん沸いてきて、本日に至るといった感じです。雪の林道はスキーは絶対的に有利だからな。ただ、山自体は間違ってもスキー向きの山ではなさそうで、山に取り付いてからはどうなることやらのお楽しみ。

除雪の終了点は集落のすぐ先

土曜の午後に家を出発。夜の早い時間に会津田島の道の駅に着きました。除雪終点の様子がわからないので、明るくなってからののんびりスタートとします。仮に帰りが暗くなっても、ほぼ林道なので大丈夫かなと。会津田島の街から栗生沢集落へ。集落を抜けるとすぐに除雪の終点になってました。もう少し奥まで入れるつもりだったのに…

雪は少なそうです。1月はそこそこ降ったと思われるけど、2月は暖かかったので新規上積みがない。田島の街あたりは薄いけど雪に覆われてます。なので、大丈夫だろうと思ったけど、山間部に入っていくのに雪は増えない。山に入って標高も上がるけど、向かってるのが栃木県境なので、雪は減っていく方向なんだなと理解しました。

栗生沢集落からわずか200mほどで除雪終わり このあとすぐに雪がなくなって車道歩き

林道は雪が少なくて雪が時々途切れます

除雪の終点からいくらも進まないうちにアスファルト歩き。いったん下って川を渡るところにゲートあり。ここまで車で来れるつもりだった。この先も基本はシールで歩けるけど、何度も何度も雪は途切れ、そのたんびに板を外して歩く…の繰り返し。山肌にもほとんど雪は着いてなくて、林道を離れてからの尾根ルートは大丈夫なのかと心配になりました。

せめてここまでは入れれば車が停めやすかったのに
うまいことつながってた
山奥に入って行ってるのに雪は増えない

12キロにおよぶ林道歩きは間違いなく本日の核心

林道歩きは約12キロ。標高差は500mほどです。前半の勾配が全体的に緩いなあ。帰りが滑ってくれるか心配です。時々緩い下りもあるし。途中までスノーモービルの跡が付いてました。進むにつれて林道は荒れてきます。路肩が流れてるところ、完全に崩壊してるところ、橋がなくなってて沢を渡るところ。スキーや歩きで通過するには問題ないです。

天気は雲一つない晴れ!空気も冷えてて澄んだ青空です。こんな天気の日に男鹿岳は勿体ないかな~とか思いながら登っていました。どのくらいから上だろう、1000mは超えてるかな、それ以上には霧氷が着いてて白くなってます。今日は霧氷に期待ですな!

最高でここまで入れるのかな?
林道崩壊してる
高い山には霧氷が着いてました
左の白いのが会津駒ヶ岳など 右端は七ヶ岳
橋がなくなってるとこもありました
大川峠が近づくと霧氷が

大川峠からは霧氷の尾根歩き

大川峠は樹氷がキレイでした。問題はここから。尾根はどんな状況なんだろう…?林道から尾根に取り付くと、とりあえず雪はしっかりつながっています。前半は細かったり、雪庇の段差があったりで登りにくい。途中、一ヶ所急になるとこは少しだけ板を背負いました。雪が堅くなければスキーで登り切れたと思われます。

大川峠 いいとこでした
尾根を進みます なんとか雪は付いている
振り返ると
これぞ老木って木がありました

尾根が斜面になると霧氷のブナ林登り

尾根地形から斜面になります。同時にブナ林になって霧氷が着いててキレイです。相変わらず雪面は堅くて苦労。斜度が増してくるとシールの能力の限界近くに。腕力に頼って登るのと、板を踏みこむのに余分な力を使うので、かなり疲れちゃいました。

白い山は那須連峰かな
霧氷はキレイだが雪面が堅くて難儀しました

1701mポコで初めて男鹿岳を確認

男鹿岳の手前に1701mのポコがあります。ここで初めて男鹿岳を男鹿岳と認識。林道からも見えてたかもしれないけど、あれが男鹿岳かもしれない…という程度。いったん少し下ってから男鹿岳本体となります。そんなに大変じゃなさそうに見えるな。

手前の1701mポコで初めて男鹿岳を視認!

いったんコルへ下ってから男鹿岳本体の登りとなります

シールのまま下ります。下る時に南と西の展望が開けます。会津駒周辺の山々、七ヶ岳、そして日光連山まで見渡せました。生えてるものも灌木になって雰囲気良くなりました。日当たりが良い向きなので、若干雪は柔らかめ。

コルまで下って男鹿岳本体の登りにかかると、またカチコチ斜面に。山頂が近付くにつれて針葉樹が濃くなっていきました。山頂に直で登らずに先に頂稜の一角へ。すると反対側が見えるんですが、なんと無木立の白い斜面が続いてるじゃないですか!距離はそんなにないけど、ひと滑りするにはちょうど良い感じだな。どうせ滑った分は登ってこないといけないし。

遠くは日光の山々だなあ
男鹿岳山頂付近は針葉樹林
男鹿岳の頂稜 東側は切れ落ちてる
男鹿岳の東面はなんと無木立の素晴らしい斜面!

男鹿岳山頂! 三百名山ゲット!

男鹿岳山頂です。さすがに疲れたな。山頂看板は板だけでもう字は消えてました。と思ったら、違う場所にキレイな看板あり。ネットか何かで見覚えあるやるだな。もちろん誰もいません。もちろんって書いたけど、もしかしたら一人くらいは会うかもな…とは思ってたけど、最後まで誰とも会わず…でした。

展望の方ですが、男鹿岳は西側は濃い針葉樹で展望まったくナシ。東側は無木立斜面があるように、スッキリと開けてます。那須連峰がこんなに近いとはビックリ。大きな谷を隔てた対岸に連なっています。きっと那須からも男鹿岳は近くに見えていたはず。過去の写真を探したら、ギリギリ写ってるのがあった。だいぶ遠くなるけど、安達太良、吾妻連峰と思われる山、磐梯山、飯豊連峰などが見えておりました。無風快晴ポカポカの山頂でした。

男鹿岳山頂 古い看板はほぼ読めない
新しいのもありました
真ん中の真っ白なのは飯豊連峰
那須が思ったより近かった
そしてその那須より 左端にギリギリ男鹿岳と思われる山が写ってた!

男鹿岳東斜面は堅かったので断念

1時間くらいいたかったけど、東面をひと滑りすることにしたので早めに山頂を後にします。疲れてるので少しだけ…のつもりで東面へ!するとガリガリッ!エッジが効かないくらい堅い…。ということで、あっさり諦めました。斜面自体は良かったんだけどな。堅くて登り返しも大変そうでした。もう来ることはないと思うけど、仕方ないな。

男鹿岳本体の滑り。こちらも堅い。斜めに滑っては切り返し…の繰り返し。なかなか大変。コルからの登り返しは、雪が緩んでたのでウロコでギリギリ登れました。滑る方がこの柔らかさだったらな~。

帰りの1701mへの登り返し

1701mポコから林道までもカチコチ斜面

1701mポコから林道までもずーーっとアイスバーン。テレマークは試みようともできず…。雪面を押さえるのに力を使います。疲れる。途中の密林地帯が少しあるけど、そこ以外は雪さえよければ気持ちよく滑れるんじゃないかと思います。途中で尾根から離れて浅い沢を下って林道へ。ここは急で堅くて少し怖かった。滑落したらブナに弾かれながらパチンコ玉のように落ちていくのかな…と。

林道は下りもはかどらず2時間半近くかかった

林道に降りてからも一筋縄ではいきません。日陰部分が多くて、わりと板の走りは悪くなかったけど、斜度がないところや緩い登りが多くて…。ウロコじゃなければもう少し滑ったと思うけど、平坦や緩い登りはウロコが役に立ったと思う。微妙だな。後半は雪切れ激しく、板を外す回数を数えながら気を紛らせていました。結局、16回板をはずしました。

ヨレヨレで除雪終点に辿り着いたって感じです。長い林道は想定内だけど、カチカチ山を登るのと滑るので、だいぶ余分に体力使ってしまった…。でも、なんとか男鹿岳やっつけれらた!

下山後の温泉とラーメン

クタクタに疲れました。とりあえず風呂。下郷町の郷の湯へ。ここは330円(シャンプー&石鹸はナシ)とリーズナブル。リラックスできました。喜多方までは1時間以上はかかるなあ。さすがに疲れたので近場でラーメン屋探して入りました。山の後のラーメンは旨い!とくにスープがたまらんな。完飲です。塩分復活。

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